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藤井 雅世 院長の独自取材記事

藤井こどもクリニック

(大阪市中央区/谷町六丁目駅)

最終更新日:2020/10/23

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谷町六丁目駅のそば、昔ながらの商店街にある「藤井こどもクリニック」は、開業以来18年にわたり、地域の子どもたちの健康をサポートしてきたクリニックだ。明るく清潔感のある待合室はまるでリビングルームのような居心地の良さ。「お母さんって忙しいんです。クリニックに来て終わりじゃなく前にも後にもすることはある。だから通院が大変な時は、オンライン診療も利用できるようにしています。それが感染予防にもつながるので」と話してくれたのは藤井雅世院長。ベテラン小児科医師であり、働く母でもある。長身でサバサバとした話し方と優しい笑顔の藤井院長は、体調を崩した子どもを持つ母親たちにとって心強い存在に違いない。瞳の奥ににじむ自信と、地域の子どもたちへの愛情が感じられる取材となった。
(取材日2020年9月10日)

子どもたちに関わる仕事に憧れ、小児科医師の道へ

小児科の医師をめざしたきっかけは何ですか?

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私は専業主婦の母に育てられたせいか、働くことそのものに憧れを持っていました。最初に憧れたのは、小学校の先生です。小学生時代の担任の先生がすごく素敵で「先生みたいになりたいな」と思っていました。その憧れは高校まで続いたのですが、当時の教員は人気がある職業で、採用試験に受かるのも狭き門。「自分は先生になれるのかな? なれないとしたらどうしよう?」と考えた時に、子どもたちに関わる仕事ってほかにもあるんじゃないかな? 養護教諭や小児科の医師になって子どもたちに関わるという方法もあるんじゃないか、と思うようになりました。かなり悩みましたけど、最後は小児科医師の道を選び、医学部に進学しました。

開業までの経緯を教えてください。

大学卒業後は主にNICUのある病院に勤務していました。やりがいのある仕事で、子どもが生まれてからも母に助けてもらいながら当直も続けていました。ただ3人目の子どもが産まれる時、「子育てをしながら当直のある勤務し続けるのは難しいだろう」と考え、開業することを決意しました。谷町に開業したのは、以前働いていた病院が近くにあったことと、私の地元でもあったからです。ここなら実家も近いし、母に手伝ってもらうことが可能だったことも谷町を選んだ大きな理由の一つです。以来18年間、この場所で大勢の子どもたちの診療をさせていただいています。

母親業と小児科医師の仕事を両立してこられたわけですが、大変だったことはありますか?

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勤務医の時代は、当直で自分が家にいない時間のことが心配でしたね。母は手伝ってくれていましたけど、食事や夜間の心配はいつもしていました。それから、子どもが大きくなると、休まずに学校に行くことはもちろん、友達と遊んだり、習い事に行ったりと、自分たちの生活ができてきます。ですので、そのあたりと自分の仕事とのバランスをとることが大変だったように思います。だけど、何と言っても一番困ったのは病院からの急な呼び出しです。仕事だから当然なのですが、突然の予定変更が必要だったので、そこはすごく大変でした。夜間の緊急の呼び出しもあったので、赤ちゃんだった息子を抱いたまま病院に行ったこともありました。ただ、今思うと懐かしい気もします(笑)。

母親の心配を取り除きつつ、発育をサポートする治療を

子どもの診療をするにあたって、先生がこだわっていることはありますか?

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私は小児科の医師なので、子どもが言葉に出せない痛みや症状を見つけ出さなくてはいけないと思っています。そのためには、お母さんたちのお話を聞くことももちろん大切なことなのですが、それだけじゃなく、患者である子どもさん本人の様子をよく見るようにしています。お話ができる年齢の子だったら、子どもさん本人にも質問して直接お話しする。そうやってやりとりしながら、本当に痛いのはどこなのかな? どんなふうにつらいのかな? と探っていきます。もちろん毎日見ているお母さんからの情報は重要なのですが、子どもたちとお話しすれば、どんなに小さくても治療に理解を示してくれたりもするので、ちゃんとお話をすることは大切だと考えています。

治療方針としてはいかがですか?

今はたくさんの予防接種を受けることができるようになって、私が小児科医師になった頃に比べると重症の患者さんの数はすごく減りました。医学の進歩もあり怖い病気も減ってきて、今はクリニックで診る9割くらいが軽症の患者さんです。だから、とにかく不必要な治療はしないように心がけています。もちろん、お仕事をお持ちのお母さんもたくさんいらっしゃるので、「早く熱を下げたい」とか「とにかく咳を止めて」という場合もあるとは思うのですが、ちょっとの風邪や発熱だったら数日ゆっくりしたら治ります。そうやって子どもの体は強く育っていくので、お母さんたちの心配事を取り除きながら、長い目で子どもの発育にとって良い方向に向かう治療をしていきたいと考えています。

そのように考えるようになったのはなぜですか?

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自分も働きながら子どもを育ててきたからわかるのですが、仕事と子育ての両立って本当に大変です。毎日時間がなくて、バタバタと過ぎてしまう。でも後になって振り返ってみると、子どもが母親を求めてくれる時期ってそんなに長くはないんですよ。病気の時くらいそばにいて、痛がるところをさすって、水分を取らせて、なんだったら一緒に寝て……そんなふうに過ごしてもいいんじゃないかなと思うんです。今は情報もたくさんありますし、消毒の方法や食事の作り方などいろいろと知ることができますけど、それに振り回され過ぎないでほしい。もちろん、お休みをとるのが難しかったりといろいろと事情はあると思うんですけど、命に別状がないような病気だったら、できるだけお母さんが一緒にいることが何よりの薬で、何よりの治療なんじゃないかなと思います。

子どもが元気に健やかに育つための手助けをしたい

小児科を受診する際、お母さんにしてほしいことはありますか?

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難しいことじゃなく、普段とどう違うかを教えてほしいですね。いつもはたくさん食べる朝ごはんを全然食べないとか、普段は夜遅くまで起きてるのに昨日は夕飯も食べずに寝てしまったとか、日常で気づいたことを話してもらえるとありがたいです。それ以外にも、昨日は外食でしたとか、久しぶりに祖父母の家に遊びに行ったとか、いつもとは違う出来事などがあればそれも併せて教えてください。子どもが小さくて、病院に行くのに慣れていないと「うまく説明できるかな」と心配されていることも多いのですが、もっと気楽に、「そういえば」といった感じで、自分が気になったことを気楽に話してくださればと思います。

感染対策にも力を入れていらっしゃいますね。

開業当初から感染対策には力を入れてきましたが、新型コロナウイルス流行後にはさらに徹底するようにしています。もともと診療は完全予約制で待合室が混雑しないようにしていましたが、現在は診療時間の間隔をあけることで、患者同士が院内で接触することはほぼありません。発熱がある子どもは専用の出入り口がある特別室で診療させていただきますし、大型の空気清浄装置を備えつけているので、院内は常に清潔な空気を保っています。また、おもちゃは抗菌ケースで抗菌したものをスタッフが子どもに手渡ししています。キッズスペースやおもちゃをなくしてしまうのではなく、子どもの楽しみはできるだけ残してあげたいと思っています。

最後に、地域のお母さんたちにメッセージをお願いします。

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在宅医療が必要なハンディキャップのあるお子さんの往診にも出かけています。自分自身が育った地域でもあるので、元気なお子さんも、ハンディキャップのあるお子さんも、みんなが元気に暮らせるようなお手伝いをしていきたいなと思っています。それから、通院が難しい時はオンライン診療もぜひご利用くださいね。定期的な治療やケガの経過観察の場合は通院の負担を減らすことができますよ。また、子育てのことでどうしたらいいのかわかない時やちょっと気になることがある時は、オンラインで育児相談も受けつけています。どんなことでも結構ですので、お子さんについて困ったことがあれば、頼ってください。地域の小児科医師としてはもちろん、一人の母親として、皆さまの悩みや心配に答え、不安を解消するお役に立てたらうれしいです。多くの子どもたち、お母さんたちにお会いできるのを楽しみにしています。

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