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近藤 芳仁 院長の独自取材記事

海老名レディースクリニック

(海老名市/海老名駅)

最終更新日:2022/11/30

近藤芳仁院長 海老名レディースクリニック main

海老名駅から徒歩10分ほどの海老名プライムタワーの最上階に位置する「海老名レディースクリニック」。遮るもののない眺望に心が和む同院は、日本で6~8組に1組のカップルが悩んでいるともいわれる、不妊への対応に特化した医療機関だ。クリニックがフロアのほとんどを占めており、エレベーターを降りて曇りガラスの扉を抜けると広々とした待合室につながる。院長の近藤芳仁先生は、横浜市立大学の医局で不妊治療の研鑽を積んだベテランドクター。治療にかける思いや、診療の際に大切にしていることなどについて、たっぷり話を聞かせてもらった。

(取材日2016年5月10日/再取材日2022年4月20日)

グループ医療機関と連携しながら、質の高い不妊治療を

こちらのクリニックは不妊治療がご専門なのですね。

近藤芳仁院長 海老名レディースクリニック1

医療法人俊英会の1院として、不妊治療に特化した診療を行っています。グループは全4院から成り、分娩を扱う本院と婦人科診療も行うクリニックが本厚木にあるほか、海老名には当院ともう一つ健診・検査や婦人科全般に対応するクリニックがあります。私は以前、海老名駅近くのクリニックで院長を務めており、分娩以外の産婦人科診療を6~7人のスタッフとともに行っていました。当初は1フロアのみでしたが、フロアを拡大して不妊治療を行うようになり、2005年に不妊治療部門だけを移転して当院を開設したんです。

不妊治療に特化したのは、それだけニーズが高かったということでしょうか?

それもありますが、もう一つ大きな理由は、不妊治療で来られる患者さんと妊婦さんとの動線を完全に切り分けるためでした。お子さんが欲しくて治療をされている方にとっては、妊婦さんを間近でご覧になるのは複雑な心持ちでしょう。そこでより広いスペースで、患者さんが落ち着いて診療を受けられるようにと考えたのです。ただ開設から時間がたち、2人目の出産を考えるリピーターが増える中で、「子ども連れで受診したい」という声もあって悩ましいところです。現在、お子さん連れの方は卵巣のチェックなどをグループ内の別のクリニックで行うようにして、人工授精の時だけ当院に来ていただいています。将来的にはスペースを広げて、キッズルームを作れたらいいですね。

近くにグループ医療機関があると、役割分担できるのが良いですね。

近藤芳仁院長 海老名レディースクリニック2

近隣に連携を図れるクリニックがあるのは、患者さんにとってもメリットではないでしょうか。例えば、当院は夜間対応をしていませんが、不妊治療中の方はナーバスになりがちなので、夜間に何かあれば入院設備のある本院で対応してもらっています。こういった連携ができるのは安心ですね。また男性不妊の患者さんがいらっしゃった場合は、月2回泌尿器科の医師が専門の外来を担当する、連携先の本厚木のクリニックへと紹介しています。さらに、当院は出身医師の多い横浜市立大学や、大学で不妊治療をともに学んだ信頼するドクターがいる大和市立病院とも連携を図っています。無精子症の場合には、病院で採取していただいた精子を凍結保存し、当院で顕微授精をしたり、子宮外妊娠など手術が必要な場合は病院にお願いしたりすることができますね。このように、地域の医療機関と協力し合うことで、よりスムーズに質の高い医療を提供できるのではないかと思います。

誠意ある情報提供を心がけ、夫婦の希望に寄り添う

患者さんはどういう方が多いのですか?

近藤芳仁院長 海老名レディースクリニック3

近隣にお住まいの方が多いですが、厚木、綾瀬、大和、相模原など県央の方や西湘地区、静岡県東部からも見えますね。年代的には当院に限らず、40代の方が増えているのではないでしょうか。キャリアを築かれるまでは仕事に打ち込み、40代くらいになって仕事が安定し、経済的な余裕も生まれてからお子さんを望まれる女性も少なくありません。受診して初めて、高齢出産の難しさを実感したという方も。だからこそ、不妊治療においては経済的な支援だけでなく、仕事と治療を両立できるような心理的・物理的支援の必要性も感じています。何よりも、出産に適した時期があることを社会全体でもっとアナウンスすべきではないでしょうか。以前、海老名市の市民公開講座で不妊・不育症をテーマにお話させていただきましたが、引き続き行政と協力しながら地域の方への情報提供に努めていけたらいいですね。

不妊治療を進める上で大切していることはありますか?

不妊治療は他の医療と比べても、特に正確な情報提供や密なコミュニケーションが必要とされる分野です。「こんなはずじゃなかった」と思われるようなことは絶対にあってはならないですね。だからこそ丁寧な説明を心がけ、初診ではどういった検査や治療を行うのかという全般的なお話をしています。体外受精を検討されている方には、当グループで作成したDVDをお渡しし、基本的な知識を得ていただいてから診療時に詳しくご説明するようにしています。その際、厳しい現実を含めてお話しますので、それを踏まえてお二人で決めていただきたいと思っています。気をつけているのは、治療実績において良い結果につながった患者さんの年齢を強調するなど、過度な期待をあおらないこと。正確で誠意のある情報提供を心がけています。

年齢ごとにフローチャートを使って治療のステップを説明されていると伺いました。

近藤芳仁院長 海老名レディースクリニック4

できるだけ無駄な時間を費やさずに済むよう推奨できる進め方をご説明しています。年齢と不妊期間によって、タイミング療法、人工授精、排卵誘発を経て、顕微授精も含めた体外受精を何回、どのくらいの期間試すのかという目安ですね。なかなか次のステップアップに踏み出せない方がいる一方で、最近は保険適用の範囲が拡大されたことで、早くから体外受精に進みたいという若い方も増えています。早くに治療を始めたほうがいいのはもちろんですが、それぞれに適したタイミングがあるのも事実。私たちは専門家の立場からアドバイスをさせていただきますので、それを踏まえてご夫婦で最終的に決めていただきたいと思います。体外受精の説明を受けたから必ずステップアップしないといけないわけではありませんので、お二人の将来を考えるきっかけにしていただけたら。そのためにも、ご夫婦の声に耳を傾け、希望に寄り添うことを忘れないようにしたいですね。

患者の喜ぶ顔を見るのが何よりのやりがい

お忙しいと思いますが、どのように息抜きをされていますか?

近藤芳仁院長 海老名レディースクリニック5

以前は、朝4時くらいからジョギングしていました。血圧や尿酸値を気にして始めたのですが、実際に体重も減りましたし、気持ちいいですね。昔なじみのロックを聴きながら走るんです。自転車も好きで、多摩川沿いを246号あたりからずっと上がって、羽村や青梅くらいまで30~40km走っていましたね。旅行で印象的だったのは屋久島です。1日かけて屋久杉を見に行くのですが、大気が浄化されている感じは本州では味わえないものです。年齢を重ね、最近は運動や旅行の機会が減ってしまったのが残念ですね。普段緻密な仕事をしているだけに、それを大自然で開放しているのかもしれません。でも、都会も仕事も大好きなんですよ(笑)。

なぜ医師を志されたのでしょうか?

身内に医師が多かったので自然と医学部に進みました。最初は一般外科や脳外科、整形外科を希望していましたが、産婦人科を開業していた叔父のクリニックを見学した時に立ち会ったお産が感動的で、この道に進むことを決めました。大学ではお産を見る機会がなかったので、衝撃的な経験だったんです。それに、私が研修医だった80年代は、体外受精の研究が飛躍的に進むなど、この分野の黎明期でもあったんですよ。今のような治療機器も薬剤もありませんでしたが、ワクワクしながら日々学んでいたことを思い出します。

そうして、不妊治療に長く携わられるようになったのですね。

近藤芳仁院長 海老名レディースクリニック6

信州大学を卒業後は、横浜市立大学の産婦人科に所属して研鑽を積みました。医局の雰囲気がとても良くて、他大学出身者でも分け隔てなく一緒のローテーションで学ぶことができるオープンな環境でしたね。その後は、地域の中核病院である横浜南共済病院や横浜市立大学附属市民総合医療センターに勤務し、そこで出会った当グループの理事長に誘われ、今の自分があります。体制の整った環境で不妊治療に携わることができ、自分は幸せ者だと思いますね。患者さんの喜んだ顔を見ることが何よりのやりがいですし、この仕事の意義深さを強く感じる瞬間です。

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