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山下 敦史 院長の独自取材記事

やましたクリニック

(四日市市/川越富洲原駅)

最終更新日:2021/10/12

山下敦史院長 やましたクリニック main

近鉄名古屋線の川越富洲原駅から徒歩約15分。四日市市と川越町の境界である富洲原地区に「やましたクリニック」はある。さまざまな年齢層の患者が訪れる同院は、清潔感のある明るい外観と内装が印象的。院内はバリアフリー設計になっているだけでなく、小さな子ども向けのキッズスペースも備える。院長を務めるのは優しい笑顔で出迎えてくれた山下敦史先生。泌尿器科と皮膚科の診察を行い、夜尿症の相談からニキビ治療まで幅広く注力している。「患者さんのプライバシーを守りながら受診しやすい環境をつくりたい」という思いを抱く山下院長に、医師をめざしたきっかけから今後の展望まで、熱く語ってもらった。

(取材日2019年7月18日)

こだわりの院内で、患者のプライバシーを守った診察を

医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

山下敦史院長 やましたクリニック1

小さな頃から本が好きで、本を読む中で……というのが始まりです。本からいろいろな影響を受けて、別の職業をめざしたこともありましたが、高校生の頃には精神科医師になりたいと思っていました。大学に入って最初の実習で精神科を選択したのですが、当時は実習といっても患者さんが薬を飲んで寝ているのを見るだけだと言われ、がっかりしてしまって。同時に免疫学教室のゼミに所属していたので、そちらでいろいろと学ぶ中で腎移植に興味を持つようになりました。腎移植は大学では外科か泌尿器科が行っていたのですが、当時の信州大学ではそれが泌尿器科だったので、改めて泌尿器科の医師をめざそうと思いました。

院内設備のこだわりを教えてください。

吹き抜けが高く開放感のある、明るい待合室です。病院の中でも泌尿器科は特に暗いイメージを持たれがちなので、プライバシーを守りつつも入りやすいよう工夫しています。患者さんに居心地が良いと思ってもらえるのはありがたいですし、患者さんの病気を早期発見するためにも設備にはこだわっており、尿量測定器や電子内視鏡、エックス線などの検査機器を導入しています。他にもアトピー性皮膚炎などの紫外線治療器などがあり、泌尿器科・皮膚科としての専門性を持たせています。受診時の症状はもちろんですが、検査結果から手術が必要だと思われる場合などは、症状に合わせ提携している医療機関への紹介を行っています。

診察の際に心がけていることはありますか?

山下敦史院長 やましたクリニック2

患者さんのプライバシーを守ることです。スタッフにも患者さんのプライバシーや恥ずかしいと思うことに関しては注意するようしっかりと指導しています。当院では受付の際、他の患者さんの前で「今日は泌尿器科で受診ですか?」と聞くことはありません。患者さんに指で示してもらい、該当する問診票に記入をお願いしています。患者さんが大勢に聞かれたくないようなお話をする際は、看護師などスタッフにも席を外してもらいます。特に若い男性の病気には気を遣っています。

子どもや若者の抱える悩みをさまざまな方法で改善へ

力を入れていることについて教えてください。

山下敦史院長 やましたクリニック3

夜尿症ですね。病気と思っていない人が多いです。症例によっては夜間だけでなく、日中に失敗してにおいが出てしまう人もいます。それで精神的なトラウマを抱えてしまう人もいるくらい夜尿症のダメージは強いのです。ですから病気だと認識してきちんと治療をしてほしいです。夜尿症はお薬を出して終わりということも多いですが、当院ではまずお話を聞いて尿の浸透圧などを計測し、自宅で夜尿症日記をつけてもらいます。小さなお子さんは書けませんから親御さんの協力も必要不可欠です。実際、親子で熱心に取り組んでいる家庭では多くの患者さんが改善につながっています。

投薬以外では夜尿症に対してどのような処置を行うのですか?

寝る時にセンサーのついたパッドを装着する方法を用います。尿でパッドが濡れるとセンサーが感知してアラームが鳴る仕組みです。アラームが鳴ったら親御さんがお子さんを起こす、そうすると尿がたまると目が覚めるような条件づけが期待できるようになります。アラームが鳴る時間がどんどん遅くなり、朝まで鳴らなくなったら完了ということですね。このセンサーは今まで有線だったので使いにくかったのですが、現在は無線になり、更にリースできるようになりました。買い取る必要がなくなったので利用者も増えてきています。パッドに関してはしっかりと説明を行った上で、患者さんにリースのパンフレットを渡しています。

ニキビ治療にも積極的に取り組んでいるそうですね。

ニキビは病気としての認知度が非常に低いです。しかし一生涯痕が残る可能性があることや治療できる病気であること、市販の化粧品などを使用するとかえって危険な場合もあることなどが案外知られていません。そこで看護師とともに勉強会などに参加し、正しい治療法などを提示できるようにしています。希望される患者さんには、看護師から食べ物などの生活指導やせっけんの泡立て方、洗顔の方法、薬の塗り方まで指導しています。

ニキビ治療を行うのはどのような思いからでしょうか?

山下敦史院長 やましたクリニック4

若い頃に残ってしまったものは一生の問題になってきますから、ニキビについて啓発しなければと思い、ニキビ治療に取り組んでいこうと思いました。この地域でニキビについて取り組んでいる医師が少なかったのも理由の1つです。お友達が当院の指導や治療を受けたから自分も、という感じで来院される学生さんが徐々に増えてきましたね。現在ニキビ治療目的で来院する方の6割~7割程が、ニキビ改善のための指導を希望されていますよ。

地域医療に貢献したいという思いから、四日市で開業

四日市で開業したのはなぜですか?

山下敦史院長 やましたクリニック5

僕は医師になった時から、地域に密着した医療を行いたいと思っていました。医局時代には三重県中を動いて回ったのですが、開業するにあたって、これから高齢者が増加し、なおかつこれから先も人口が減少しにくく、人助けができる場所はどこかと考えて3地域くらいに絞り、最終的に最も需要があると考えた四日市に決めました。泌尿器科は前立腺肥大や膀胱がん、膀胱炎など比較的高齢者に多い病気を扱うので高齢の方に需要があるかと思っていましたが、開院当初は皮膚科を受診する小さいお子さんのほうが多かったです。現在は半々くらいか、泌尿器科のほうが多いかもしれません。

四日市の中でも川越富洲原はどんな地域ですか?

四日市と隣の川越が混在しているところで、準工業地帯で少しずつ住宅も増えてきています。開業して15年たちましたが、やっと「やましたクリニック」というのがこの地域に定着してきたような気がしています。時々、小学生の頃から診ていた患者さんがお子さんを連れてきて、「今度はこの子を診てほしい」ということもあるのがとてもうれしいですね。また、外出しているのを目撃されて「先生見たよ」とか「先生走っていたでしょう」と言われるのもうれしいです。悪いことはできないですね(笑)。

ご自身の健康のためにされていることはありますか?

はい、7年前に体重が増えたのをきっかけにランニングを始め、体重を落として維持しています。フルマラソンも時々参加しますよ。最近トレイルランニングを始めて、八ヶ岳まで行って走ることもあります。月に2~4回くらいは多度山に行って走っています。多度山の山頂からは名古屋のビル群や木曽三川がきれいに見えるんですよ。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

山下敦史院長 やましたクリニック6

尿や皮膚の悩みは、恥ずかしがらない・怖がらないということが一番大切だと思いますから、少しでも気になることがあればまずは相談に来てほしいです。診察を受けると意外に「これだけで済むんだ」と思われる患者さんも多いです。膀胱炎1つを取っても、診察台に上がることはほとんどありませんし、痛いことも怖いこともしません。もちろん当院でできることとできないことがありますが、できないことに関してはしかるべき医療機関をご紹介しています。プライバシーもしっかり守っていますので、安心して受診してください。僕自身はもういい年ですが、衰えていかないようにまだまだ勉強し、試行錯誤しながら常に新しい知識を取り入れていきたいと思っています。

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