内田 治雄 院長の独自取材記事
うちだ歯科医院
(浦安市/浦安駅)
最終更新日:2026/09/29
舞浜駅よりバスで約10分の場所に立つマンションの1階にある「うちだ歯科医院」。2000年の開業以来、内田治雄院長はかかりつけ歯科として地域に密着した歯科医療を提供している。エントランスを入ると、患者の不安な気持ちを和らげるようなオフホワイトの優しい雰囲気の空間が広がる。「開院当初から変わらぬモットーは、アットホームな歯科医院であることです」と、話す内田院長。最近では、治療後の良い状態をより長く維持できるようメンテナンスに注力しているという。また、患者の高齢化に伴い、オーラルフレイルの予防啓発や通院が難しくなった患者への訪問診療を行うなど、地域にとって重要性を増す歯科医療に軸足を移している。そんな内田院長に、診療方針や地域への思いについて聞いた。
(取材日2026年8月27日)
地域の高齢化に伴いオーラルフレイルの予防にも注力
最近はどのような患者さんが多く来られていますか?

開業からもう26年がたち、私もそろそろ還暦を迎えますので、患者さんも同じように年齢を重ねられています。今は、私の年齢から10歳くらい下の方から、20~30歳くらい上の方が中心でしょうか。開業当初はこの地域もお子さんが多かったのですが、やはり高齢化が進んでいますね。それに伴って訪問診療を行うケースも増えています。当院に長く通っていた方から、通院が難しくなって訪問での診療の相談をしてくださるようになっています。飲み込みにくい、むせるなどの症状のご相談も増えていますが、これらは口腔機能が衰えるオーラルフレイルと呼ばれる症状です。当院ではオーラルフレイルに対する取り組みも行っています。
オーラルフレイルについて、もう少し詳しく教えてください。
オーラルフレイルとは、加齢に伴って噛む、飲み込む、話すといった口腔機能が衰えた状態です。食べることは健康の土台となるので、噛む、飲み込むといった機能は人が生きる上で重要です。話すことは社会生活を営む上での要となります。フレイルの状態になってからは回復がなかなか難しく、口腔機能の低下から体全体の機能低下にもつながると考えられていますので、早めに手を打つ必要があります。しかしながら、高齢の方が自らオーラルフレイルに気づいて来院されることは少なく、ご家族や周囲の方が気づいてあげてほしいですね。「お父さん、最近よくむせるな」「食べづらそうだな」といったことがあれば、歯科医院の受診を勧めてあげてください。
オーラルフレイルはどのように診療されるのですか?

当院では、患者さんの口腔機能がどの程度維持できているか、咀嚼機能検査や舌の力を調べる舌圧検査などを行って、客観的に評価します。機能低下が疑われる方には口腔機能を鍛えるための体操の冊子を渡したり、指導もしています。また、私の息子が形成外科の医師なので、嚥下障害に対して医科の視点による考え方を教わっています。歯科医師は口を中心に診ますが、立場が違えばまた違う観点で考えていくことができるのではないでしょうか。
かかりつけ歯科として一生涯にわたって口腔内を見守る
診療方針について教えてください。

まずはかかりけ歯科として、地域の皆さんのお口の健康を長く見守っていくことです。当院の歯科医師は私一人ですので、担当が変わることはありません。患者さんお一人お一人を、長いスパンで私が責任を持って診ています。常に相手の立場に立って真心を尽くす「至誠一貫」、これは母校の建学精神ですが、それを今も大切にしています。治療についてはできるだけ歯を残すことを重視しています。歯は失って初めてその大切さがわかります。80歳になった時点で、健康な歯を20本残せるように、プロフェッショナルとして適切な治療に努めています。
診療の際に、心がけていることはありますか?
まず、患者さんに「お変わりはありませんか?」とお声がけして、患者さんがその時思っていることや感じていることを自由に話していただくようにしています。患者さんは悩みや症状をうまく伝えることが難しいことも多く、抽象的な表現で話されることもあります。そんな時は、より具体的な状況質問もしながら、患者さんが伝えやすいよう補助しています。例えば、歯がしみると訴えるとき、「水を飲んだ時ですか?」「お味噌汁を飲んだ時ですか?」というように、生活に密着した具体例を挙げて会話を進めています。
大切な歯を守るという意味で、予防やメンテナンスに力を入れているそうですね。

治療を終えた後の良い状態を維持していくために、メンテナンスに力を入れています。セルフケアだけですと、口腔内をきれいに保つことは難しいですし、時間がたつと正しい方法を忘れてしまうこともあるでしょう。忙しさにかまけてセルフケアをさぼってしまうかもしれません。定期的に来ていただいて、お口の中をチェックし口腔内をきれいにすることが大切です。メンテナンスは歯科衛生士が担当しますが、最初と最後には必ず私が口腔内を確認しています。やはり患者さんがいらしたら、歯科医師がきちんと口腔内を診ることは重要ですし、歯科医師としての責任だと思います。患者さんにとっても、一つの安心感にもつながるのではないでしょうか。
歯科衛生士さんをはじめ、スタッフさんはベテランぞろいと伺いました。
受付スタッフの1人は開院の1年後から務めていますから、もう25年になりますね。歯科衛生士さんも、20年以上勤務していただいています。お二人とも地元の方ですし、患者さんのことをよく把握してくれています。よく世間話をして、コミュニケーションを取ってくれていますね。患者さんにとっていつも同じスタッフがいることは、安心材料になると思います。私から特に指示をしなくても自主的に動いてくれて、とても助かっています。
多職種スタッフと連携して、地域の社会福祉活動も
訪問診療についても教えてください。

当院には開院当初から20年以上通ってくださっている患者さんもいらっしゃいますが、誰しも年齢を重ねるとともに少しずつ介護が必要な状態に近づいていくものです。通院できなくなった方から「月に1回でもいいので、口腔ケアや検診をしてくれないか」と、ご要望をいただいたこともありました。長いお付き合いだからこそわかることも多くあります。そんな患者さんに、これからも形を変えながら安心を届けられたらうれしく思います。訪問診療では、主にクリーニングやポリッシングを行います。「ごっくんしづらいといったことはありませんか?」など、嚥下や咀嚼についての質問を定期的に行って、患者さんの健康サポートに取り組んでいます
先生は浦安市歯科医師会を通じて、福祉面でも積極的に活動されているそうですね。
患者さんの介護状態、例えば要介護1や要介護2といったことを決める審査を行っています。そこでは、歯科医師が患者さんの飲み込む力や自分で口腔ケアができるかなどの判断をします。医師や看護師、ケアマネジャーや理学療法士、作業療法士など、多職種の方と一緒にトータルで判断します。地域包括ケアと呼ばれるものに、9年ほど活動しています。その経験の中で、介護が必要な状態にならないように健康寿命を長く維持してもらいたいと常々感じています。衰えは自分ではなかなか気がつかないものですから、診療ではその予兆を見逃さないよう心がけています。
最後に、今後の展望とメッセージをお願いします。

今まで築き上げたことの維持とともに、さらにプラスの方向へ進められるよう努力いたします。高齢により通院が難しくなった方には、こちらからお伺いして口腔ケアなどを行います。歯科の訪問診療は内科の訪問診療ほどは知られていないようですが、ベッド横で治療やケアを行えるポータブルユニットもありますので、心配せずにご相談ください。また、オーラルケアは認知症予防にもつながると考えられています。オーラルケアの啓発や認知症の予防、介護予防なども含めて、地域の多職種の方々とも連携しながら自分にできることを責任を持って取り組んでいきたいと思っています。何か心配なことがあれば、いつでも気軽に相談にいらしてください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

