初期症状が少ない歯周病
早期発見・治療で健康な口腔環境を維持

歯周病は40歳を過ぎたら一度はチェックを。ステージや口腔環境に合わせた治療で健康な歯の維持をめざす

Q歯周病は自分で気づける病気なのでしょうか？

A

▲丁寧に対応してくれる受付スタッフ。初診で来院する際も安心

歯周病は初期症状が少なく自分で気づくことが難しい病気です。歯茎からの出血やほかにも歯茎がぶよぶよした感じになったり、膿が出たり、腫れたり、あるいは口臭が出てくることで気づくことがありますが、これは歯周病が少し進行してしまった状態です。症状の改善を図るには、出血した段階で歯科を受診することが肝心です。あとは歯がしみるという症状もあるのですが、知覚過敏のケースも考えられるので一概に歯周病だと決めつけることはできません。とはいえ歯周病で歯茎が下がっていることが原因の可能性もありますので、こういった症状が少しでもあれば一度専門家に診てもらったほうが良いでしょう。

Q初期・中期・重度などのステージがあるそうですね。

A

▲日差しが差し込む診察室。ベースとなる治療をきちんと行う

初期は歯周ポケットの深さが4〜5ミリ程度で、検査時に3〜4箇所出血する程度で自覚症状はほとんどありません。その程度であれば歯磨きの仕方を練習したり、歯石を除去したりする処置だけで症状の改善を図ることが可能ですが、それが進行し中等度になると、歯周ポケットの深さは6ミリ超、出血部位が増え、骨も少しずつ溶けていきます。そして骨が2分の1程度溶けてしまった状態が重度の歯周病となります。そのまま放っておくと歯がグラグラし始め、最終的に歯が脱落します。特に40歳くらいは歯周病重症化のピークなので注意が必要です。できるだけ小さな侵襲で解決するためにも、初期・中等度のステージで発見し治療することが重要です。

Q仮に重症化した場合、どのような治療になるのでしょうか？

A

▲価値ある自分の歯を残すためにも、歯科医院に足を運んでほしい

重度になった歯周病の治療方法はさまざまです。昔からある外科治療をはじめ、現在盛んに行われている歯周組織再生療法、そして骨がなくなり歯がぐらついている場合にはかぶせ物で固定したり、抜歯をしてインプラント治療や義歯を入れることを検討したりします。歯周治療では歯周病のリスクを抑えると同時に噛み合わせを確保しなければなりませんから。ただし皆さん同じ口腔環境ではないので、一人ひとりに応じた治療が欠かせませんし、さまざまな治療の選択肢の中から最適なものを選んでいく必要があります。70歳、80歳と将来の歯の健康を考えるにあたって、歯周病治療は重要なファクター。時間がかかってもしっかり治療してください。

Qインプラント治療にも力を入れられていると聞きました。

A

▲個室のオペ室。滅菌などの衛生面も抜かりがない

歯の脱落や抜歯となった際、噛み合わせ機能を回復するための治療としてインプラントは非常に有用な治療方法です。現在、インプラント治療は予知性が高く、定期的なメインテナンスを行えば、しっかり噛める状態を維持することが期待できるでしょう。しかしながら適切なメインテナンスをしていないとインプラント周囲炎となり、最終的には脱落してしまう可能性もあります。また、優れたインプラントであっても、天然歯のような感覚機構は得られませんし、新陳代謝がないためにほかの歯とずれが生じるなどの課題はあります。歯科治療には「永遠」や「万能」という言葉はありませんので、長期にわたりメインテナンスで健康を維持する努力が大切です。

Qいずれにしても口腔環境を整えることが重要なのですね。

A

▲口腔環境を整えるために、サポートしてくれる歯科助手たち

そのとおりです。口の中の状況は日々刻々と変わっており、毎日食事などで汚れもついていきます。それに歯並びなどは一見動いていないように見えていたとしても、実際には大きく動いています。何も問題がないと思っていたところ、調べてみると歯周病があったということは多々ありますし、そういった変化に対応するためにも定期的に微調整をしていく必要があります。定期的にメインテナンスに通うことは非常に重要です。定期的にメインテナンスを受けているか否かによって、5年後、10年後に歯を失う本数が大きく異なってしまうことがわかっています。日頃から自分の口腔内に興味を持って歯科を受診することを心がけてみていかがでしょうか。