清水 恵美子 院長の独自取材記事
さくら歯科医院
(目黒区/都立大学駅)
最終更新日:2024/11/12

東急東横線・都立大学駅から歩いておよそ12分の住宅街。自由通りに面する場所にある「さくら歯科医院」は、目黒区八雲や自由が丘の地域に住む人々に親しまれているクリニックだ。清水恵美子院長をはじめ、スタッフはすべて女性。きめ細かなコミュニケーションで、患者との信頼関係構築に注力。患者が前向きな気持ちでクリニックに通えるように、矯正歯科やホワイトニング、クリーニングなど美しく清潔な口元をめざす施術も各種行っている。「歯を長持ちさせるためにはお口をトータルに診る診療が大切」と話す清水院長に、同院の特徴や歯科医師としてのポリシーを語ってもらった。
(取材日2024年10月2日)
審美的かつ機能的な治療にこだわる
患者さんのニーズに合わせて歯科矯正の対応範囲を広げるそうですね。

まだまだ勉強中ではありますが、日頃からできる限り勉強会や講習会に参加して自分の技術を磨くようにしています。今後は2025年の1月をめどにマウスピース型装置を用いた矯正を始める予定です。当院はこれまでワイヤー矯正をメインにしていたのですが、近年はマウスピース型装置を用いた矯正に興味を示される患者さんが増えたこともあり、ご期待に応えられるような環境を用意することにしました。前歯だけの矯正など抜歯が不要なケースは私が行いますが、歯の移動距離が大きい複雑な症例はこれまでと同じく矯正のスペシャリストの先生と連携して対応します。近年は40代以降の患者さんがご希望されることが多いですね。歯並びをきれいにするという審美的なメリットはもちろん、近年は「噛み合わせを改善して自分の歯を長持ちさせたい」という目的意識を持って歯科矯正を始める方が増えている印象です。
ホワイトニングに力を入れているのも患者さんの希望が多いからですか?
そうですね。以前からホワイトニングは女性の患者さんに人気のメニューでしたが、今は性別や年代を問わずご希望される方が増えています。オフィスホワイトニングは専用の個室でくつろぎながら施術を受けていただけるので、美容院に行く感覚で気軽にご利用いただきたいですね。当院は患者さんのニーズに合わせて歯や口元の美しさに焦点を当てたメニューを積極的に取り入れていますが、それは「歯科クリニック=楽しい場所」という認識を持っていただきたいからです。楽しみながら定期的にメンテナンスに通う習慣をつくっていただけたら虫歯や歯周病などトラブルの早期発見にもつながりますので。
クリーニングなどを行う予防歯科も人気だと聞きました。

当院は歯科医師だけではなく歯科衛生士も歯科用ルーペを使用していることが特徴です。そのため予防歯科に関しても精度の高いケアをご提供できます。保険診療では歯周病の検査や治療を目的としたクリーニングや歯磨き指導を行います。着色汚れの除去を追求したい患者さんに向けて、直径1μm未満の泡、ウルトラファインバブルが含まれた水を使用したメニューや、舌の汚れをきれいにするためのメニューも用意しております。メンテナンスやクリーニングを1年に数回受けるだけで虫歯や歯周病を防ぐ可能性が高まります。虫歯や歯周病になってからクリニックに通うよりも治療コストが下がりますし、時間の観点からも患者さんの負担を抑えられることがメリットです。
信頼関係を築く対話で、患者と一緒に治療に取り組む
治療における先生のポリシーを教えてください。

見た目がきれいなのはもちろん、根本的な問題も解決し長持ちする治療を提供することをめざしています。治療直後はきれいでも、本当にそれが根本的な歯周病や根っこの問題も解決できているのかというとそうでない場合って、実は多いのです。例えば、セラミックを歯科技工士さんに上手に作っていただき、かぶせた時はきれいでも、2、3年後には歯茎の際の部分が黒くなってしまうことがあります。また矯正に関しても、上の前歯の歯並びだけを治したくても、下の歯並びがガタガタのままだと噛み合わせの不具合で長持ちしません。長年診療をしていく上で長持ちさせたいけれどどうしたらいいのかと考えたときに、こういった課題を解決したくて外部で勉強を続けています。そこで学んだより高度な治療を用いることで、審美的かつ機能的な治療の提供をめざしています。
患者さんとのコミュニケーションで心がけていらっしゃることは何ですか?
患者さんと信頼関係を築くための対話は大切にしています。歯科の治療においては歯科医師だけがどんなに頑張っても無意味で、患者さん自身が意識を持って治療に取り組んでいただく必要があります。そのためにはご自身のお口の中の現状と治療に対する深い理解が不可欠。心から納得した上で気持ち良く通い続けていただきたいとの思いから、「今何をしているのか」「なぜこれが必要なのか」といった治療の詳細も、細かくお伝えするように心がけています。根管治療など回数が必要な治療では、「まだやるの?」と受け入れられないこともあり、残念ながら治療を途中離脱される方もいらっしゃいますが、そうしたケースでは私たちサイドの説明不足も一因となっていると思うのです。治療の途中で通院を中断されてしまうと、「今どうなっているのだろう?」と私たちも心配です。必要な治療だから来るという姿勢を引き出すために、伝えるということは本当に大切なのです。
わかりやすく「伝える」ために、何か工夫されていることは?

患者さんによって伝え方を変えているところはあるかもしれません。一概には言えませんが、女性にはイメージを重視した伝え方、男性にはデータを使った伝え方が効果があるように感じています。イメージ重視の伝え方では周囲への見え方や写真映え、口臭解消についてなど、治療後のご自身をよりイメージしやすいようなお声がけです。対してデータ重視の伝え方は、「○%の方がこうなります」といった数字を使った分析やリスク提示ですね。こうしたことをベースに、それぞれの歯科意識や生活背景などに即したお声がけをするようにしています。また、普段から信頼関係を築き、情報提供による歯科意識の向上に取り組むことも大切。何らかの治療が必要となった際に、受け入れていただくための土台になりますから。
歯は宝物。生涯にわたり自分で守る意識を
先生が歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

ドラマチックなエピソードがあるわけではなく、私は母親が歯科技工士で、家の中に顎模型が転がっているような環境で育ちました。学校から帰った後に母親の道具を借りてろうを溶かし、型採りのまね事をして遊んでいたこともありました。子どもの頃から歯科医療を身近に感じていて、なおかつ細かい作業が大好きだったので、進路を決める時期になったら当たり前のように歯科医師になることを選びましたね。実際に歯科の治療は細かい作業の連続ですが、自分の手で直接患者さんの疾患を治す手応えを得やすい分野なので、歯科大学に入ってから一段と歯科医療の世界にのめり込んでいきました。
クリニックを開業されるまでにどんな経験を積んできましたか?
大学を卒業する時点で「将来的に自分のクリニックを開業する」というビジョンがあったので、幅広い経験ができるような働き方をしたいと思っていました。総合病院の口腔外科や補綴をメインに行っている地域のクリニックに籍を置き、かけ持ちで診療にあたっていました。複数の場所で勤務したことで幅広い機器の扱い方が身につき、治療のアプローチに関しても偏ることなく視野が広がった感覚があります。そして大学を卒業して7年後に「さくら歯科医院」を開業しました。地域に根を張って患者さんと長期的な信頼関係を築いていきたかったので、クリニックの場所は慌ただしい駅近ではなく落ち着いた雰囲気の住宅街を選びました。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

読者の皆さんに知っておいていただきたいのは、お口の中にはご自身が思っていらっしゃる以上に問題点があるということです。痛みや不具合がないからと自己判断することなく、専門家と一緒に守る方法を考えていきましょう。一生食べたいものを食べられる状態を保つためには、歯は本当に大切なものなのです。私は歯科医師の一番の役割は「患者さんのデンタルIQを上げる」ことだと考えています。今後も治療の精度を上げるだけでなく、予防や治療の必要性を患者さんにわかりやすく伝え、生涯を通して患者さんの健康に寄り添える存在でありたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/66万~110万円、部分矯正/33万円~66万円、セラミックのかぶせ物/11万円~15万4000円、セラミックの詰め物/5万5000円~、インプラント治療/44万円~、ホワイトニング/1万6500円~