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藤野 武彦 理事長の独自取材記事

BOOCSクリニック福岡

(福岡市博多区/中洲川端駅)

最終更新日:2021/10/12

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福岡市博多区土居町バス停徒歩1分、明治通りに面した「BOOCS(ブックス)クリニック福岡」は2003年に開業。藤野武彦理事長は、九州大学名誉教授でもあり、長年、臨床と並行しながら健康科学の研究にも従事してきた。独自の「脳疲労」概念を提唱し、肥満症、糖尿病、心臓病、うつ病、不眠症など、現代人に多いとされるさまざまな病に幅広く対応してきた。脳疲労解消法であるBOOCS法は、心と体を健康にすることを目的としているため、病院に行くほどでもないけれど何となく日常生活がきつい、内科なのか心療内科なのかわからないなどの悩みを抱える患者も気軽に行けるクリニックをめざしている。診療の取り組みや今後の展望について、藤野武彦理事長に話を聞いた。

(取材日2020年6月22日)

なんとなく感じる体や心の不調にアプローチ

クリニック名の「BOOCS」は、藤野理事長が研究し発信されてきた理論だそうですね。

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私の専門は心臓ですが、心臓病治療において肥満解消はとても大事なポイントです。なぜなら体重が重いと心臓に負担をかけるからです。九大病院で診察していた当時、体重を落とす必要がある患者さんは肥満の専門家にお願いしていました。しかし食事制限の実行が難しく、患者さんが長続きせずにうまく痩せることができませんでした。そこで患者さんを守るために自らその原因を追究する必要に迫られたのです。そしてストレスにより「脳疲労」が起こり、その結果、五感異常が生じ、過食や運動不足が起こっている可能性に気づいたのです。「脳疲労」を解消する方法をBOOCS(Brain-Oriented Oneself-Care Systemの略:脳をめざした自己ケアシステム)と命名しました。今から30年前のことです。BOOCS法によるアプローチで多くの方をダイエットに導きました。

どのような患者さんが来られているのでしょうか。

当院は脳疲労の外来、総合診療の外来、糖尿病の外来、循環器の外来、心療内科、ダイエットの外来、過敏性腸症候群の外来、パーキンソン病の外来、睡眠の外来、物忘れの外来、禁煙の外来を行っています。したがって患者さんも肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などのメタボリック症候群の方やうつ病や不眠症、睡眠時無呼吸症候群などさまざまな目的で来院されています。近年は「脳疲労」として受診される方も増えており、体がだるい、考えがまとまらないなど、はっきりしない症状の方も含まれます。なんとなく生活の質が良くない、でもどこにかかれば良いかわからない、こんなことで医療機関にかかって良いのだろうか、そういう方もまずは一度クリニックに来ていただくのが一番だと思っています。実は自分の状態に気づかれるだけで症状が軽減につながる方も多くいらっしゃいます。

「脳疲労」について詳しく教えていただけますか?

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筋肉疲労をイメージしてもらうとわかりやすいでしょう。運動すると筋肉が疲労するように、脳を働かせれば脳も疲れます。脳に処理能力を超える過剰な情報、つまりストレスが加わると脳が疲労して五感が鈍くなると考えています。例えば五感の中で一番わかりやすいのが味覚です。味覚が狂うと、必要以上に塩辛いものや甘いものが食べたくなります。今まで一人前食べて満足していた脳が二人前食べないと満足しないようになり過剰にカロリーを摂取してしまい、その結果メタボリック症候群につながりやすくなります。「脳疲労」は生活習慣病だけでなく、心の病も引き起こすと考えられます。これらを解消するために提唱しているのがBOOCS法なのです。ストレス状態の時には自分のしたくないことを無理して「頑張らなきゃ」と自分を追い込まないことが「脳疲労」にならないためにも重要です。

生活の中で「我慢をしない」という3つの原則を追求

先生の理論には大事な3原則があると伺いました。

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どうやったら「脳疲労」が取れるかの研究を進めた結果、3つのシンプルな原則を守ることが重要であることがわかりました。第1は「たとえ健康に良いことでも、嫌であれば決してしない」。この「決して」というところを私は強調したいですね。第2は「たとえ健康に悪いことでも好きでたまらないかやめられないことは、とりあえずそのまま続ける」。やめられる方はやめたら良いのですが、無理しないとやめられないのであれば、それを最初にやるべきではないと考えています。そして、第3は「健康に良くて、しかも自分がとても好きなことを一つでもいいから始める」です。この3つの原則は「禁止・禁止の原理」と「快の原理」という2つの原理から成り立っています。脳が変われば感覚も変わり、生き方も変わってくる、そう考えています。

脳疲労はさまざまな疾患も引き起こすとお考えなのですね。

そのとおりです。さまざまな我慢や制限により新たなストレスが加わると、本来の欲求と求められる行動のギャップが大き過ぎて脳疲労を起こします。そして、脳疲労からうつ病やパニック障害などの心の病も引き起こすおそれがあります。脳疲労により、情報の理解が不十分になることで、作業効率も低下し、その結果、仕事や人間関係がスムーズではなくなり、ずっと気分が落ち込んでいるといったような軽症のうつ状態になることもあるのです。

患者層にも多いとのことでしたが、肥満に悩む人にはどのようなアプローチを行っていますか?

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脳が疲労すると、味覚・聴覚・視覚・嗅覚・触覚の五感が鈍感になりやすくなると考えます。例えば味覚が鈍感になると甘いものをたくさん取らないと満足しなくなったり、脂っこいものがたくさん欲しくなったりして、過食してしまいます。また、食事制限や過度な運動、我慢というストレスが重なることで2~3ヵ月するとそれが爆発して、その反動で以前よりももっとたくさん食べるようになってリバウンドしてしまいます。そこで当院では、最初に食事を制限することを勧めるのではなく、「脳疲労」を解消して五感を正常化することをめざします。私たちの提唱する3つの原則を守ることで、「我慢」という脳の疲労を起こさなければ、リバウンドするリスクも少なくなると考えています。

自分を大切にするための新しい考え方を広めたい

一般的なクリニックのイメージ、そしてドクターのイメージとはずいぶん違う感じがしますね。

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開業した理由から違うかもしれませんね。地域医療のレベルを底上げしたいとか独立したいとかではなく、「この脳の疲労に着目した理論を広めたい」という理由でつくった場所ですから。これまでのように医師が患者さんに指示をして処方して、というかたちではなく、「快」を追求してもらうというやり方です。脳の疲労度をチェックするためにじっくりとお話を聞き、その方に合った内容でアドバイスをする。そうすることで軽度のうつや肥満などは自然な形での解決を促していきます。九州大学の医学部で心臓や血管に関わる病気に関わり、後に健康科学の研究を進めてきた中で提唱してきた理論であり、アプローチ方法です。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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患者さんと同じ目線で病気ではなく患者さんを診ることを心がけています。医師が上から目線で患者さんに接してしまうと、患者さんは萎縮して必要なことを話せなくなり、医師は正しい症状が把握できないので誤診につながりかねません。患者さんはつらくて訴えたいことがあって来院されるので、患者さんの話をじっくり聞き、必要なことをたくさん教えてもらっています。皆さんに伝えたいことは、脳疲労が解消すればほとんどの病気は予防でき、今まで以上に仕事やプライベートにおいてまい進できるということです。自分を大切にして脳疲労を解消させましょう。そして、まずは自分自身において気づくことから始めてください。今の医療は細分化と専門化が進んでいますが、当院では木を見て森も見ていきたいと思います。体や心の不調があるがどこを受診していいかわからない、そういう方にも気軽に来ていただけるようスタッフ一同取り組んでいます。

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