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高橋 岳夫 院長の独自取材記事

たかはし内科

(津市/津新町駅)

最終更新日:2019/08/30

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近鉄名古屋線の津新町駅から北へ徒歩で約10分。広い通りに面した一角に「たかはし内科」がある。近くに津城跡があり、古くから城下町として栄えた地域だ。院長を務めるのは、2004年に同院を開業した高橋岳夫先生。開業前は県下各地の病院で長年にわたり診療を手がけてきた、循環器内科のエキスパートだ。同院での診療とともに、津地区医師会の理事としても地域医療の発展に貢献を続けている高橋院長に、医師をめざしたきっかけから診療の内容などを中心に話を聞いた。
(取材日2019年5月9日)

循環器内科を専門に、心臓カテーテル治療の経験も

まず医師をめざしたきっかけからお聞かせください。

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本当は哲学者になりたかったんです(笑)。でも戦争を経験し苦学して医師となった父親に「哲学者では食べていけないぞ」と言われて、反抗期にあった自分でもそれに対しては押し切れませんでした。父親から「医師になれ」と言われたことはありませんでしたが、まず医師になり、生活ができるようになってからやりたいことをすれば良いかと思いました。医学部を出てから文学者になったような人もいますからね。高校までは静岡で育ったんですが、両親が三重県出身だったこともあり、三重大学医学部に進学しました。

循環器内科を専門に選ばれた理由を教えてください。

最初は胸部外科に進みたいと思っていました。学生時代野球部だったこともあって、外科のように一つのチームで共同作業をするのが好きだったんですね。大学の先輩も胸部外科の先生が多く、仲良くしてもらっていましたが、いろいろ考えた上で循環器内科を選びました。循環器というのは、心臓をはじめとした、人間が生きるための最後の砦というような面があります。現在生活習慣病として問題になっている高血圧、高脂血症、糖尿病なども循環器に関わる病気です。それだけ重要な科目ですから、やりがいもあるだろうと思いました。大学卒業後は、三重県内のさまざまな病院で勤務医として働き、県内ではわりと早い時期から、心臓のカテーテル治療を習得しました。

開業までの経緯を教えていただけますか?

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父親もずっと勤務医だったこともあって、開業したいという気持ちはあまり強くありませんでしたが、周囲の状況が決断させました。この場所は、もともとは金融機関の支店で、以前から開業するには良い場所だと思っていました。それが支店の統廃合で空くことになったという話を聞いて、声をかけてみたところ、うまく話が進んで、2004年の5月に開業しました。建物自体もクラシックな雰囲気があって嫌いじゃなかったので、改修して使っています。患者さんは近所の方が中心ですが、津市内には循環器内科を専門にしている開業医が少ないこともあるため、ちょっと離れたところから来てくれる方もいらっしゃいます。患者さん同士のクチコミでいらっしゃる方も多いですね。

緊急時の判断力と頼りにできる人間関係も重要

印象に残っている患者さんのエピソードはありますか?

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開業した頃ですが、1ヵ月ほど体調が悪く息苦しいという30代の患者さんが来られました。調べてみたら心臓の中に粘液腫という腫瘍ができていることがわかりました。それが心臓の弁に引っかかって循環が悪くなり、息苦しくなっていたんですね。腫瘍から遊離した血栓が脳の血管に詰まると脳梗塞を起こすこともあるため、緊急に手術する必要がありました。急を要するので後輩である胸部外科の大学教授に連絡したところ、どんな状態かすぐ理解してくれて、翌日手術しました。循環器科では、そういった緊急性に対処できる判断力も欠かせません。そういったことを身につけさせてくれた医局にも感謝していますし、いざというときに頼りにできる人間関係も重要ですね。

大学や勤務医時代に培った人脈を大事にされているのですね。

そうですね。そういった局面はいくつもありましたが、あるとき、糖尿病で通っていた患者さんが「先生のところに行く日ですが、具合が悪いので今日はやめておきます」と電話をくれたことがありました。「そういうときこそ来てください」と答えたところ、家族の方に送ってもらって来院されました。看護師が気を利かせて診察の待ち時間に心電図検査をしたところ、急性心筋梗塞を起こしていたんです。すぐに救急車を呼び、対応できる病院の院長に連絡して患者さんをお送りしました。そのときのスタッフの機転と対応の見事さには感服しました。それに加えてうれしかったのが、その患者さんが電話で連絡してきてくれたことです。それまでの診療関係を通じて親しみのようなものを感じてくれていたから電話をしてくれたんだと思います。そういった信頼関係をつくっていくことも大事ですね。

患者さんとの信頼関係構築も意識されているのですね。

医師がカルテの入力に忙しくて、患者さんのほうをあまり見られないといった話を聞くこともあります。そういった面においても、医師が患者さんに寄り添うことが難しくなってきているのかも知れません。いずれにしても患者さんとのコミュニケーションが第一だと思います。僕自身は、患者さんに合わせた対話を大事に診療を心がけています。

睡眠時無呼吸症候群の診療にも力を入れているとお聞きしました。

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睡眠時無呼吸症候群にかかると、心筋梗塞や狭心症につながりやすいので、循環器内科で扱うことはある意味当然のことだと思っています。精密検査には入院が必要ですが、現在は外来でできる簡易検査があり、当院でも行っています。数値が微妙な場合は、精密な検査をしないとはっきりした結果が出せないこともありますが、診断の糸口としては有意義ですので、心配な方はぜひご相談ください。

一瞬の判断が生死に関わる責任とやりがい

津地区医師会の理事もされていますが、どのような活動をしているんですか?

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医師会の仕事を引き受けたのは、救急医療の連携体制を改善したかったことが理由の一つです。当院の隣のブロックにある津市応急クリニックの立ち上げにも関わり、設計などにも意見を出させていただきました。勤務医の時に、総合病院で循環器科外来の設計を担当したときの経験が役に立ち、救急を取り扱うにあたって動きやすい設計にできたと思っています。医師会ではそれともう一つ、大規模災害時の医師と行政機関の連携体制についても取り組んでいます。

医師としてやりがいを感じるのはどんなときですか?

勤務医時代ですが、ある高コレステロール血症の方がいらっしゃいました。30代で狭心症を発症し、1年に4回も緊急入院するような状態でしたが、心臓カテーテル治療と適切な薬剤の選択により、現在もお元気です。その患者さんは運動選手の育成の仕事をされているのですが、その方が育てた若者が大きなマラソン大会で活躍しているということを耳にした時は、医者冥利に尽きると思いました。先ほどお話しした、電話をくれた患者さんもそうですが、循環器内科では、そのとき自分がいなければ患者さんの人生が大きく変わっていたかもしれないと感じられるケースが少なくありません。それだけ責任も重大ですがやりがいも感じられます。一方では、その場での決断や行動を求めることもあるため、少々短気に感じられるところがあるかもしれません(笑)。

最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

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「人生50年」などとうたわれた時代に比べると、寿命は30年ほど伸びていますが、寿命が伸びても老化は進みます。高齢になっても元気でいられるように、皆さん50代になったらかかりつけ医を持つべきだと思いますね。もう亡くなられましたが、僕の尊敬する恩師の先生が、90歳でも外来で診察をされていました。僕自身も会社員なら定年を超えた年齢ですが、まだ頑張らなくてはいけないなと思います。と同時に、仕事を続けていられるありがたさも感じています。これからも当院での診療や医師会での仕事を通じて、できる限り地域医療に貢献をしていきたいと思っていますので、気になる症状がある方は気軽に相談いただければと思います。

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