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楠原 隆義 院長の独自取材記事

楠原クリニック

(奈良市/近鉄奈良駅)

最終更新日:2022/06/21

楠原隆義院長 楠原クリニック main

近鉄奈良駅から徒歩6分、JR奈良駅から徒歩10分という大通りに面した場所に「楠原クリニック」はある。遠くからでも目を引く明るいれんが色の外観、院内は白と紫を基調とした色使いで落ち着いた印象だ。2001年の開業以来、町のホームドクターとして地域に住む人たちの健康を見守ってきた同院は、循環器内科・内科を診療の主軸とし、不整脈や心不全の治療をはじめ糖尿病や生活習慣病の治療・予防に注力するほか、花粉症や骨粗しょう症、感染症、禁煙治療など幅広い疾患、症状に対応。心臓血管外科の医師として多くの手術を手がけてきた楠原隆義院長が、急性期治療で培ったスキルや知識を糧に慢性期疾患の治療や管理、予防をはじめとしたプライマリケアに力を注ぐ。同院の特徴や診療方針、地域医療にかける思いを楠原院長に聞いた。

(取材日2022年3月28日)

心臓血管外科の専門スキルを循環器疾患の予防・治療に

この地域の特徴と、患者層についてお聞きします。

楠原隆義院長 楠原クリニック1

この辺り一帯はマンションも多いですが、クリニックの周りは昔からある一戸建ての家も多く、受診される患者さんは近隣にお住まいの方が中心です。ご近所さんのような感覚ですから、2001年に父が開業してから今日まで、地域の方々とは親しみを持ってお付き合いさせていただいていて、来てくださっている患者さんは気持ちの温かい方が多いなという印象です。年齢層は若い人から高齢者までわりと幅広いですよ。初診で来られる方は、若い世代が多く、昔から来てくださっている患者さんは年配の方が中心です。

患者さんの主訴で多いものは何ですか? また、力を入れている疾患はありますか?

内科と循環器内科のクリニックですので、循環器でいうと胸痛(きょうつう)や動悸の症状が最も多い主訴ですね。一方、内科では風邪や発熱、頭痛、咳、体重の減少、立ちくらみ、吐き気、貧血、花粉症などにも幅広く対応していますが、力を入れているのはやはり生活習慣病です。健康診断で何らかの異常が出たり、生活習慣病を指摘されたりして受診する人も多いため、そういった患者さんを対象に検査や、生活習慣の見直しとアドバイスを行っています。健康診断や人間ドックの結果で問題のあった方は、放置せずできるだけ早く受診していただきたいですね。

先生の専門分野は何ですか?

楠原隆義院長 楠原クリニック2

もともとの専門分野は、心臓血管外科です。京都大学医学部を卒業後、天理よろづ相談所病院や三井記念病院の心臓血管外科で、急性期の循環器疾患の手術を数多く手がけ、循環器医療の前線で技術を研鑽してきました。しかし、父が開業したこのクリニックを引き継ぐと決めてからは、内科の総合診療も経験しました。内科・循環器内科をメインとした当院の診療は、私がそれまでいた心臓血管外科とは正反対、まったく異なる医療ですので、まずは市立奈良病院でプライマリケアについて一通り学んだ後、2018年から当院での診療を開始。しばらくは市立奈良病院にも非常勤医として籍を置いていましたが、2020年に院長となり現在に至ります。

心臓血管外科での知識や経験は、今の診療にも生かされているのでしょうか。

そうですね。循環器疾患全般に対応することができます。循環器とは、心臓のポンプ機能で血管を介して血液を全身に循環させる機能を持つ器官で、高血圧症、心不全、不整脈、心筋梗塞、動脈瘤などが代表的な疾患となり、状態によっては緊急の対応が必要となります。当院では、手術などの大きな病院で行う治療には対応できませんが、奈良県内のさまざまな基幹病院と提携しており、迅速な連携が可能です。また、そもそも心臓血管外科出身の開業医というのはそんなに多いわけではありませんから、検査・診断はもちろん、心臓血管手術を受けた患者さんの術後管理や経過観察について専門性を持って対応できる点も強みです。

患者が求める医療を把握、丁寧な説明で情報開示

日々の診療で心がけていることは何でしょう。

楠原隆義院長 楠原クリニック3

患者さんに理解してもらえるよう、わかりやすい説明をすることと、患者さんが期待する診療を提供することを常に心がけています。せっかく受診してくださったのですから、なんとか満足して帰ってもらいたい。そのためには、患者さんがどんな目的で受診されたのか、例えば、不調の原因を知りたいのか、検査を受けたいのか、医師にアドバイスをもらって安心したいのか、患者さんそれぞれのニーズをまずしっかり把握しなくてはなりません。あと、かかりつけ医の役割について、まだまだ認識しておられない方が多いので、かかりつけ医の上手な活用法や、かかりつけ医による健康管理がいかに大事かを理解していただけるような診療を心がけています。

かかりつけ医の役割とは、どういったものですか?

まずは、今持っている病気の管理、次に日常生活で出てくる障害の対応、そして最後が予防医療。この3つを中心としたプライマリケアこそが、かかりつけ医の役割で、中でも特に重要とされているのが予防医療です。症状があるものに対しては、クリニックで治療が行えるものもあれば、手術が必要な場合などその状態に応じて、総合病院や大学病院など専門的な医療機関で治療を行いますが、治療の前の段階、病気を未然に防いだり、早期のうちに発見したりするのは、町のかかりつけ医の役割です。ですから普段の診療でも、しっかり患者さんの話を聞いて病気の兆候を見逃さず、がん検診など見逃しや抜けのない精度の高い検査を行うように努めています。

こちらではどのような検査に対応していますか?

楠原隆義院長 楠原クリニック4

循環器疾患、内科全般の各種検査に対応しており、心臓、腹部全般、甲状腺、頸動脈を調べる超音波検査装置、24時間記録可能なホルター心電計、動脈硬化の程度、下肢血流の評価が同時に行える血圧脈波検査装置による検査、糖尿病の指標であるHbA1cや、感染症などの炎症の程度を表すCRPを調べる迅速検査装置、エックス線撮影装置、尿蛋白や尿潜血などを測定する尿分析装置、呼吸機能を検査するスパイロメーターなどを備えています。また、当院では、高い精度を維持できるよう検査技師が検査を担当しており、病院と同等の検査が行える環境を整えています。幅広い検査に対応するとともに、できるだけ患者さんに積極的に受けてもらえるようなお声かけ、情報提供を行うこともかかりつけ医の重要な務めだと思っています。

地域の身近なかかりつけ医として頼れる存在に

ところで、先生が医師を志したきっかけは何だったのでしょう。

楠原隆義院長 楠原クリニック5

父が医師だった、というのはやはり大きな理由でしょうね。しかもうちの家系は曽祖父の代から男はみんな医師か歯科医師になっているんです。そういう環境で育ったので、なるべくしてなったといいますか、医師になるのは当たり前、自然な流れでした。親戚じゅうがそんな感じですから、医師になったからといって重用されるようなことはありませんでしたね(笑)。自分の後を子どもに継がせるかどうかは、まだわかりません。息子はまだ3歳ですし。医師になりたいと言ったらその時は応援するとは思いますが、もし別の道に進みたいと言っても、別に反対はしないかもしれませんね。

先生ご自身、健康面で気をつけていることはありますか? 休日の過ごし方についても教えてください。

体重を減らしたいとは思っています。特に何かスポーツをしているわけではありませんが、体重が増えないように、こまめに体重計に乗るようにはしていますね。休みの日は、普通に映画を見たり、音楽を聴いたりするくらいでしょうか。あとは、だいたい息子と一緒に過ごしていることが多いですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

楠原隆義院長 楠原クリニック6

近年の新型コロナウイルスの流行も踏まえ、当院は時代のニーズや世の中の変化に合わせた診療の提供に努めています。喫緊の課題としては、現在、常に予約がいっぱいの状況なので、診療の質を落とさず、時間どおりにスムーズに診療を進めていける受診体制を整備すると同時に、急患の患者さんも受け入れていけるよう診療の効率化を図っていきたいです。読者の皆さんにお伝えしたいのは、どんな症状でもまずは気軽に相談してくださいということ。そして、かかりつけ医を持つことの大切さです。病気にかかった時だけでなく、ちょっとした体の不安を相談できる場所、必要に応じて適切な医療機関を紹介する地域医療の窓口、それが「かかりつけ医」です。当院は循環器分野での専門性を強みとしながらも、内科全般を幅広く診療しています。生活習慣病の予防をはじめ健康管理を任せられる身近なかかりつけ医としてぜひご利用ください。

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