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奥沢 正昭 院長の独自取材記事

おくざわクリニック

(神戸市西区/大蔵谷駅)

最終更新日:2020/04/01

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JR神戸線の朝霧駅から山側へ車で約10分の距離に広がる住宅地、伊川谷有瀬町にある「おくざわクリニック」。バス利用の場合は、生田停留所から徒歩4分ほどだ。ここで20年近く地域医療に尽力してきた先代院長から後を託された奥沢正昭院長は、大学病院・基幹病院においてセンター長や外科部長も務めてきたキャリア25年のベテランドクターである。内科・消化器内科を標榜する同クリニックだが、外科の診療経験を持つ奥沢院長により、やけどやちょっとした外傷・打撲などの外科的処置も可能で「地域のかかりつけ医」としての役割を担う。病気を重篤化させないことをめざし、早期発見・治療につなげるための各種検査に力を入れる奥沢院長。その熱い思いを聞いた。
(取材日2019年8月29日)

先代と地域住民の信頼に応えられるクリニックをめざす

まず、こちらを継承された理由を教えてください。

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一つは私が独立を考え始めた頃と、先代の院長が引退にあたり後継者を募集されていた時期がちょうど合っていたことですが、一番の理由は先代院長の患者さんを思う気持ちに感銘を受けたからです。開業から17年、先代院長がずっと診てこられた患者さんには、生活習慣病のように継続してコントロールが必要な疾患を抱える高齢の方が多くいらっしゃいます。ここがなくなると、交通手段を考えたときにも利便性の良いところが近くには少ないため、定期的な受診が難しくなり、コントロールがおろそかになって状態を悪くされるのではと、とても心配されていました。ですから患者さんの健康サポートのために後継者を見つけるという強い使命感が伝わってきたのです。

「おくざわクリニック」となって約1年。患者さんの反応はいかがですか?

「優しそうな先生で良かった」と言っていただけてほっとしています。ただ生活習慣病に関しては、節制されていない経過が見受けられますと、ちょっと厳しめに生活改善の必要性をお伝えすることもあります。すると「そこは前の先生のほうが優しかった」と言われることも(笑)。反対に「きっちり指摘されると気合いが入ります」という方もいらっしゃいます。患者層としては60~90歳代のシニア世代の方が8割近いですね。現役の中高年世代では会社の健康診断後の2次検査でおみえになる方が多いでしょうか。あと近くの大学の方や、2階にある小児科を卒業した中学・高校生も通って来られますよ。

すっかり地域になじんでおられる印象を受けます。

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ありがたいことに、朝早くから来られるおなじみの方も結構いらっしゃいますね。ただ開業間もない頃は、よく驚かされたのですよ。午前9時からの診療に際して、入り口の自動ドアの電源をまだ入れていない段階で、誰もいないはずの待合室から物音が聞こえてきて、見に行くと電気もついていない真っ暗な中に人が座っているのです。まさか自動ドアを手で開けて待っておられるとは想像もつかず(笑)。クリニックの勝手については、皆さんのほうがよくご存じだったわけですね。また、前院から引き続き勤めてくれている看護師も2人いて、これまでの患者さんのことを教えてもらえるので助かっています。それにスタッフ全員が「どんなときも患者さんに親切に接する」ことをモットーに、良い雰囲気であるよう努めてくれていますので、いつも感謝しています。

診断から手術、術後管理まで一貫した診療経験を糧に

先生はなぜ医師になろうと思われたのですか?

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実家は3代にわたり眼科医師の家系で、そうした環境の中で自然と医療に関心を持っていたのですが、高校生の時に祖父が直腸がんで亡くなり、人を救える人になりたくて大阪医科大学へ進みました。在学中に島根県で日本初の生体肝移植が行われたことに触発されて外科を専門とし、多忙な研修医時代を経て、消化器外科全般の診断及び治療をしてきました。ご指導いただいた教授の方針は、手術だけに限らず診断から術後の管理まで一貫して診られる外科医師を育てることでしたので、診断学についても研鑽を積むことができました。

トータルな診療を行われるのですね。

医師となったからには、その患者さんの一連の経過をすべて診て力になりたいのです。例えば手術後に、がんが再発する可能性もありますし、同じ胃がんの手術であっても進行具合、年齢、体質などにより予後が違ってきますので、手術だけを担当していたのでは見えてこないことがあるわけです。責任を持って術後も継続して診療していくことが医師として成長する糧にもなっていたと思います。また、私は最初の赴任先から抗がん剤治療にも携わり、化学療法センター長も務めてきたのですが、この分野の進化には目を見張ります。しかし、どれだけ医療が発展を遂げても予防に勝るものはありませんから、当クリニックでも早期発見のための内視鏡検査に力を入れています。

内視鏡センター長を務められた経験もお持ちと伺いました。

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「胃が痛む」という主訴の方は逆流性食道炎が比較的多い印象で、潰瘍がある方は頻度として見てそれほどおられませんが、腸の動きがおかしいといった症状やストレス性のものは結構あります。胃にかなりの痛みがあっても検査では潰瘍が見当たらない場合、お話を伺うと子育てや会社の人間関係などのストレスが関連するものと考えられるケースもあります。これは検査をした上で潰瘍がないと判明したからこそ、推測できるわけですね。あと、若い方に多い過敏性腸症候群は、大腸や小腸そのものには原因がないにもかかわらず、下痢や便秘などの便通異常・腹痛・腹部膨満感といった腹部症状が慢性的に続く症候群で、やはりストレスが大きく関係しています。

若い方が内視鏡検査を受けられることも多いのですね。

恐怖心などがある方には、上部・下部ともに麻酔を使った検査を行っています。このエリアは内視鏡といえば麻酔を使わない痛い検査と思っている人が多いようですが、当院では鎮静剤を用いたできるだけ痛みの少ない検査を行うことでより負担の少ない検査を提供しております。検査へのハードルが下がったことで、地域の患者さんの意識も高まり、毎年検査を受けに来てくれる方も増えています。鎮静剤に抵抗がある方には使わずに検査を行いますので、まずはご相談ください。

一歩踏み込んだ検査・予防が功を奏する診療を行いたい

特に心がけておられることを教えてください。

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些細なことと思ってお話しになっていないことがないか気になりますので、診療の最後には「他に何かお困りのことはないですか」とお声をかけています。そのほうが話しやすく感じられるようで、息子さんやご主人など家族の健康について相談される方もおられます。また、両親が急に入院されたことで血圧が高くなっておられたのかなとストレス要因がわかってくることも。そうした家族との関係や生活背景を知ることで、気がかりな症状や潜んでいる病気の糸口が見えてくることもありますので、安心して相談できる存在として地域に浸透していきたいですね。

ところで休日はどのようにお過ごしですか?

10年来の趣味は釣りで、家族ともよく一緒に楽しんでいます。妻の実家である石川県の輪島市にみんなで釣りに行った時は、かかったアジをそのままにしていたんですよ。すると、そのアジが餌となり、いわゆる「飲ませ釣り」で、30cmの大物となるカサゴを釣り上げました。これからの季節、秋は淡路島でのアオリイカ釣りがいいですね。子どもは娘1人、息子2人で、長女は看護師の妻の影響からか、今年看護師をめざして進学しました。同じ医療分野に進んでくれたことで、夫婦ともに何とも言えないうれしさを感じています。

伝えたいメッセージや今後の展望について聞かせてください。

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病気は薬や医師が治すのではなく、私たち医師はあくまでも治っていくのを手助けする立場に過ぎません。なので患者さん自身の病気への自覚と向き合い方が重要です。感覚的に「状態が良い」「調子が良い」と感じたから、継続が必要な薬を自己判断で飲まなくなるのは健康から遠ざかる行為といえますし、反対に仕事が忙しく薬だけ欲しいという方には、薬の体への影響や作用の仕方を診させていただく必要性をお伝えしています。勤務医時代に手術を通して病気が進行した状態の臓器を診てきたからこそ、その手前で止めなくてはと強く感じています。それがめざせるのは患者さんが最初に足を運ぶ開業クリニックならではですので、万が一の可能性を考えた検査を行うことも出てきます。ここから重篤な患者さんを出さないためにも、予防が生きる診療を心がけて地域のお役に立ちたいと思っています。

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