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竹川 潔 院長の独自取材記事

竹川内科クリニック

(東大阪市/八戸ノ里駅)

最終更新日:2020/04/01

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「竹川内科クリニック」は近鉄奈良線八戸ノ里駅からは徒歩2分、駅前ビルの5階にある。患者のメンタルに重きを置いた診療を心がける竹川潔院長は、メンタル面でも患者に寄り添い治療を行う日本糖尿病学会糖尿病専門医だ。一人の患者に対してメリハリをつけ、褒めることでモチベーションを保つこともあれば厳しい指導が治療継続の原動力になることもあると話す。一人ひとりにじっくり向き合う姿勢はスタッフにも浸透し、2003年の開業当初から柱としてきたチーム医療の基盤にもなっている。「来院される患者さんから合併症を出さない、既にある場合はここで止める」という熱い想いがたぎる竹川院長に、プライベートから今後の展望まで話を聞くことができた。
(取材日2018年5月15日)

理念を共有するチームで取り組むからこそ患者に届く

この地で開業された理由を教えてください。

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大阪大学第4内科医局からいくつかの病院へ勤務した後、現在の市立東大阪市民医療センターで約10年診療にあたりました。そこから近いこの場所を選んだのは、引き続き患者さんをフォローできるようにです。糖尿病は長いお付き合いになりますから、医師との相性や信頼関係が大切で、私は担当医として患者さんの病状だけでなく性格・背景に至るまでよく存じ上げておりました。築いてきた関係、一緒に取り組んできた治療を継続していくためには、患者さんの通いやすい、これまでと変わらない地に医院を構えることが一番でした。開業に至ったのは、大きな病院では難しい、きめ細かに行き届く診療を、連携のとれたチーム医療で実現したかったからです。

その当時チーム医療を行う医院はまだ少なかったのではないですか?

確かにそうですね。チーム医療と盛んにいわれるようになったのは、ここ数年のことだと思います。私は総合病院時代に糖尿病の診療科・看護師・管理栄養士をまとめる内科部長として、チームを形づくっていました。その経験から専門的な知識を持つコメディカルスタッフたちと取り組む体制を不可欠に感じていました。当院では看護師や管理栄養士も糖尿病療養について専門的に学んでいますので、診療の前後に食事療法などの相談を受けていただけます。生活改善が鍵となる慢性疾患ですから、患者さんがモチベーションを維持できるようにチーム一丸となってサポートします。医師もスタッフも同じ価値観であることが感じられると患者さんは安心されます。そうして生まれる信頼関係は血糖コントロールの改善として表れてきます。医師が一方的に上から押しつけるような、強要する診療では得られないことだと思います。

「治験室」も2室備えられていますね。

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この10年で以前より改良された糖尿病の治療薬が開発されてきました。その新薬のための取り組みである治験を重視して協力させていただいています。そして個室は3室設け、食事相談の他にもフットケアに注力しています。糖尿病三大合併症の一つ、糖尿病神経障害では食事療法はもちろんのこと、ちょっとしたケガから起こる壊疽(えそ)を見逃さないための足のチェックが欠かせませんからね。開業以来幾度となくリフォームを重ねた結果、プライバシーに配慮してそれぞれを個室にした今のレイアウトになりました。糖尿病治療は生活全般に関わっていますし、男性医師に言いにくいことでも看護師には話せたりしますのでね。

東大阪という地域規模で糖尿病治療のレベルアップを

最近、特に注力されていることは?

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地域全体で糖尿病の診療レベルを上げていくことです。現在日本の糖尿病患者は1千万人強といわれますが、国内の日本糖尿病学会認定糖尿病専門医は十分な人数がいるとはいえません。糖尿病患者のほとんどは、専門医ではない医師のもとで治療を受けているわけです。特に東大阪では糖尿病患者数に対して専門医が少なく、そうした現状からこのことに危機感をお持ちの先生方と協力し研究会・勉強会における講師をお引き受けして、最新の情報や治療法、複雑な症例への対処法も含め非専門医の方々へレクチャーを行っています。たとえ専門医でなくても、新たな知見に基づく水準の高い診療を行っていただければ、合併症を防いで進行を止めることにつながっていくと思います。こういった活動を通して地域規模でのレベルアップに尽力しております。また、合併症においてはさらに各専門機関との協力体制が必要ですから、地域での病診・診診連携をしっかり整えています。

まさに地域医療への貢献ですね。診療ではどんなことを心がけていますか?

とにかく患者さんの話に耳を傾けることです。まずは患者さんの思いを知って、どうしていけばいいかを探る。世間話がお好きな方も多いので、混み合っているときは時間が許す限りしっかり話を聞いた上で診療にかからせていただきます。医師になって33年、培ってきた技でしょうか(笑)。また、食事や生活改善による療法が必須であっても一方的な「あれだめ、これだめ」は糖尿病治療においてマイナスです。スタッフともども、意識の上でも「指導」ではなく「相談」と捉え、上から目線ではなく同じ目線であることを心がけています。

糖尿病予備軍も多いと聞きますが、そうした方も含め伝えたいメッセージはありますか?

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1千万人強という糖尿病患者の半数近くは、ご自身がそうであると知らない、あるいは知っていても受診していないといわれています。なぜなら初期の段階では痛くもかゆくもないからです。そこが非常に厄介なところで、自覚症状を持つ痛みがないことから早期発見できても放置したり、治療を中断したりという方も多いわけです。そしてある日突然、眼底出血で視力が落ちてから医療機関を訪れる方も珍しくありません。糖尿病が高血圧、脂質異常などとともにサイレントキラーといわれる所以ですね。ですから、まずは予防・早期発見のために30代からは健診を受けてほしい。特に糖尿病を抱えるご家族をお持ちの方は早めの健診が必要です。遺伝的素因が強い疾患でもありますから。そして糖尿病とわかったら治療を始める。継続して血糖をコントロールしていれば、決して怖い病気ではないのです。放置されることが一番怖いのだと、認識していただきたいですね。

健康な人と同じ健康寿命をめざし全力を尽くす

医師をめざしたきっかけを教えてください。

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祖父母の病気を見ていて、知識があればもう少し何かしてあげられるのにと思うようになったのが中学生の頃。高校生になると脳卒中や心筋梗塞などの大本になる病気が糖尿病・高血圧症・高脂血症などで、それらは予防できるものだとわかってくる。そんな中で予防医学に関心を持つようになり医師をめざしました。医師になりたての頃は救命救急・特殊救急に関わりたい気持ちが芽生えたり、外科も考えたりしましたが、血を見ると気分が悪くなってしまって(笑)。やはり、きっかけとなった予防医学・加齢医学の分野から糖尿病内科を専門としました。そのための精神医学もしっかり学んできましたから。

リフレッシュはされていますか?

車が好きなので毎日の運転がリフレッシュになっているようです。宝塚の自宅からここまでは結構距離があり、ちょっとしたドライブ気分を味わえるのです。リラックスには音楽を聴くのがいいですね。あと、大学時代にしていた弓道を、また始めたい気持ちがずっとあります。弓道八節という八つのポイントがありまして、いかに止めるか、そして精神を無にするかが核となるのですが、やっているときは本当に無になれるんですよね。当時、西日本医科学生総合体育大会の弓道部門、600人ほどの個人戦で3位入賞したことは、今も私の唯一の自慢なのですよ。

今後の展望を聞かせてください。

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糖尿病の主役である患者さんがモチベーションを上げて維持できるように、チーム一同全力でサポートします。医療機器が進化した今はインスリン注射もペン型やポンプで手軽になりました。血糖自己測定器も小さく軽量化され、患者さんが悲壮感を抱えずに日々の治療やチェックを行えます。中でも一番の新鋭機器は、患者さんがリアルタイムで連続的な血糖変動を見られるFGM(フラッシュグルコースモニタリング)でしょうか。就寝中を含む継続した数値がわかりますし、1ヵ月分のデータを表にして考察し、新たな治療プランを組み立てられます。そして4月からは禁煙治療の外来も立ち上げました。糖尿病であるのに喫煙を続けるのは自殺行為と言わざるを得ませんからね。当院では予防を第一に、究極は健康な方と同じ健康寿命に持っていくこととして実現のために力を尽くします。

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