高血圧症を放置しないで
クリニックで始める早期管理の重要性
松本内科クリニック
(堺市堺区/浅香山駅)
最終更新日:2026/02/26
- 保険診療
年齢を重ねると気になり始める「高血圧症」。しかし、健康診断で数値を指摘されていても「特に困っていることや症状はないから」と放置してしまっている人もいるのではないか。実際に日本は、先進国の中でも十分な高血圧症の治療を受けている人が特に少ないのだとか。大阪公立大学の医局で循環器内科を学びながら「松本内科クリニック」での診療にも携わる松本浩太朗先生は「20年後30年後に後悔しても、血管の状態は元に戻りません」と警鐘を鳴らす。先々を見越し、高血圧症と長く付き合っていく必要があるため、同院では「続けられる治療」を実践。クリニックを訪れた際の「やる気のある自分」ではなく「弱い時の自分」と相談しながら、生活改善の目標を立てることを重視している。今回は同院で取り組む高血圧症の治療について教えてもらった。
(取材日2026年2月10日)
目次
20年後30年後に後悔しないために、「続けられる治療」を重視して「弱い時の自分」と相談を
- Q高血圧とは、どのような状態を指すのでしょうか?
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A
▲自分の数値を把握しておくことが大切だと話す松本先生
一般的に診察室での測定値が130/80mmHg以上、家庭での測定値が125/75mmHg以上の状態を「高血圧」と言います。大きな特徴は、自覚症状がほとんどないまま進行することです。数値が高くても本人が気づくことは難しく、健康診断などで初めて指摘されるケースが多く見られます。主な原因は加齢のほか、塩分の取りすぎや喫煙、運動不足などの生活習慣が深く関わっています。放置すると本人が気づかないうちに血管に負担をかけ続けるため、将来の健康を脅かす要因となります。まずは自分の数値を細かく把握することが、健康管理の第一歩となります。
- Q受診するべきタイミングを教えてください。
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A
▲早めに受診し一度医師に相談を
一つのきっかけとしてわかりやすいのは、健康診断で数値の異常を指摘されたときです。体のつらさや違和感がなくても、基準値を超えているのであれば、一度医師に相談することをお勧めします。高血圧は症状が出てからでは遅く、数値で異常が出ている間に受診することが将来のリスクを減らす鍵となります。受診したからといって、すぐに薬を飲むことになるとは限りません。まずは家庭での血圧測定の習慣化や、食事・運動の改善指導から始めることも多いため、「大きな病気を防ぐための健康確認」という前向きな気持ちで、早めにクリニックを受診してください。
- Q高血圧を放置すると、どんなリスクがあるのですか?
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A
▲ダメージの蓄積により人工透析が必要になる可能性も
高血圧を放置すると、10年20年といった長い年月をかけて深刻な合併症を引き起こします。慢性的に高い圧力がかかることで血管が硬くなる動脈硬化が進み、脳梗塞や心筋梗塞、不整脈、心不全といった命に関わる病気のリスクが急増します。また、腎臓にダメージが蓄積され、将来的に人工透析が必要になる可能性もあります。これらの病気は一度発症すると、まひや心機能低下など後遺症を伴うことが多く、生活の質を著しく下げてしまいます。今は無症状でも、将来の自分を守るために放置せず管理することが不可欠です。
- Q予防のために普段の生活でできることはありますか?
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A
▲食事・運動・禁煙などの生活習慣の改善が大切
塩分の摂取制限を心がけることから始めましょう。特に日本人は塩分摂取が多い傾向にあるため、まずは1日6g未満の摂取を目安に減塩を意識してください。次に大切なのが有酸素運動です。ウォーキングなど、軽く息が上がる程度の運動を1回30分以上、週に3〜5日行うことが推奨されます。さらに、血管を傷つける大きな要因であるタバコを控えることも非常に重要です。動脈硬化の進行スピードを緩やかにし、将来的な重大疾患の発症リスクを下げるためにも、これら食事・運動・禁煙といった生活習慣の改善など、できる範囲から少しずつ取り組むことが大切です。
- Qこちらで取り組んでいる高血圧症の治療について教えてください。
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A
▲続けられる治療でプレッシャーを感じすぎない提案を
当院では、単に数値を下げるためだけの治療でなく「続けられる治療」を重視しています。特に「やる気がある時の自分ではなく、弱い時の自分と相談して決める」という考え方を大切にし、無理のない食事や運動の目標設定をサポートします。また、ホルモン異常などの他の疾患が隠れていないかのスクリーニング検査も行い、必要に応じて大学病院とも連携します。家庭での血圧測定や塩分チェックシートを活用し、まずは1ヵ月間生活習慣を見直すことから始めるなど、患者さんに寄り添った、段階的でプレッシャーを感じすぎないアプローチを心がけています。

