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心臓リハビリテーションについて
内容や実際の流れを解説

なかむらクリニック

(八尾市/高安駅)

最終更新日:2023/11/21

なかむらクリニック 心臓リハビリテーションについて 内容や実際の流れを解説 なかむらクリニック 心臓リハビリテーションについて 内容や実際の流れを解説
  • 保険診療

心臓や血管の病気で失われた心臓機能を、運動療法によって回復へと導く心臓リハビリテーション。現在のところ実施しているクリニックは少ないが、その必要性に着目する医師が次第に増えているという。八尾市内で心臓リハビリテーションを実施している「なかむらクリニック」の中村治夫院長もその一人。心臓疾患の原因となる生活習慣病の予防から、自身の専門とする循環器疾患の治療、病後のリハビリテーションまで、地域密着で一環してサポートしていることが大きな特徴といえるだろう。そんな中村院長の解説とともに、心臓リハビリテーションの一連の流れを詳しくレポートした。

(取材日2020年10月16日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q心臓リハビリテーションは普段の運動とは何が違うのでしょうか?
A

昔から「心臓が悪い人は危ないから運動しないほうがいい」といわれ、それで運動を避け、ますます心臓が弱っていくという悪循環がありました。ただ、どの程度まで動いていいかがわからなければ、リスクがあるという話もうなずけます。そこで登場したのが、専門スタッフがつきっきりで心電図や心拍数などをチェックしながら行う心臓リハビリテーションです。運動中の心臓の負荷の様子がリアルタイムでわかるため、もう無理だと思っても心臓には余裕があったり、平気だと思っていても思わぬ負荷がかかっていたり、そうした体感上と実際の負荷の違いも一目瞭然。常に安全性を確保しながら、最適かつ効果的な運動がめざせるというわけです。

Qどのようなときに用いられるのですか?
A

心筋梗塞や狭心症後、心臓や血管の手術を受けた方などの病気の再発防止に特に役立ちます。一般的に、心筋梗塞などで心臓機能を一度損なうと心不全を繰り返すケースが目立ちますが、心臓を元の正常な状態に近づけて保つことができれば、入院回数を減らして病後の人生を改善していくことが望めます。また、糖尿病や動脈硬化など生活習慣病を併せ持っていれば、運動療法による付加価値が期待できるでしょう。皆さんの生活が向上し、健康寿命を延ばしていただくこと。それが心臓リハビリテーションの最大の目的です。

Q心臓リハビリテーションにかかる時間について教えてください。
A

当院では1日1時間程度を週1~3回ほどのペースで通っていただきます。その負荷量を覚えておいてもらって、通院ではない日はご自宅で運動していただくようアドバイスします。また、当院では他のリハビリテーションのように各自が好きな時間から始めるのではなく、その時間枠の全員が同時にスタートします。患者さんには治療としての効果だけでなく、患者さん同士で励まし合い、運動を楽しみながら継続する環境づくりを心がけています。予約はあらかじめ曜日や時間を固定して取ることもできますし、毎回の心臓リハビリテーション後に次回予約をお取りすることも可能です。ご自身の生活スタイルに合わせて継続していただければと思います。

検診・治療START!ステップで紹介します

1受付でリハビリテーション希望を伝えて問診票に記入
なかむらクリニック 受付でリハビリテーション希望を伝えて問診票に記入

初診なら、まずは問診票の記入から。心臓疾患に特化したリハビリテーションだけに、それまでの病歴や治療の状況、服用している薬などを確実に伝えること。ちなみに同院では予約がなくても来院は可能。ただし発熱がある場合は、屋外テントの発熱の外来での診療となるので注意が必要だ。受付には消毒剤があり、検温も実施。リハビリテーション中も含めて院内でのマスク着用を必須とするなど、感染症対策への配慮がなされている。

2医師による診察・検査を受ける
なかむらクリニック 医師による診察・検査を受ける

診察では、現在の状況や希望などをしっかりと伝えよう。心臓リハビリテーションは運動だけでなく、生活指導や診察なども含めた包括的な医療行為として捉えることがポイント。最初に心電図やエックス線撮影、血液検査などを受け、患者によってはエコー検査を受ける場合もあるという。また、大抵の患者は基礎疾患を持っているはずなので、薬の処方などを受けるために原則として最低でも月に1回は受診するのが望ましい。

3まずは運動負荷試験から
なかむらクリニック まずは運動負荷試験から

リハビリテーション室に入り、メニューを決めるための運動負荷試験へ。ジムで見かけるような自転車型の運動負荷装置に座ってペダルを漕ぎ、負荷をかけながら心電図や心拍数、血圧などをモニタリング。息苦しい場合は酸素飽和度を測定することもあるという。こうした試験によって得られたデータから適正な負荷量を割り出し、リハビリテーションに適用。毎回様子を見ながら、少しずつ負荷をかけつつ続けていくことになる。

4いよいよリハビリテーションの実施
なかむらクリニック いよいよリハビリテーションの実施

リハビリテーションは、有酸素運動と筋力トレーニングをうまく組み合わせるのが基本となる。有酸素運動には負荷試験と同じマシンを使い、一方の筋力トレーニングではゴムバンドを使用。それぞれ重さの設定など、負荷が変えられるようになっている。トレーニング後は最大負荷量や走行距離、消費カロリーなどの結果がシートに出力される。ちなみに更衣スペースでの着替えは可能だが、慣れてくると運動着で通う人が多いとのこと。

5継続通院・内服調整
なかむらクリニック 継続通院・内服調整

心臓リハビリテーションは継続することが重要。週1、2回を目安に無理をせず、時間をかけて少しずつ改善していくことを心がけよう。その間の基礎疾患の治療も大切なテーマ。同院では定期的な診察とともに、今後の治療方針や通院に関する詳しい説明はもちろん、心臓を保護するための薬など、一般の内科では難しい処方や調整も実施。予防から治療、リハビリテーションまで、包括的に管理できることが大きな特徴となっている。

ドクターからのメッセージ

中村 治夫院長

心臓リハビリテーションをうまく続けるポイントはいくつかありますが、まずは無理のない範囲で、リラックスしながら楽しんで受けていただくことだと思っています。理学療法士や看護師などといろんなお話をしていただくのも一つですし、同じ心臓リハビリテーション仲間同士、励まし合いながら通ってもらうのもいいと思います。そこは地域に密着したクリニックならではのメリットではないでしょうか。心臓リハビリテーションを通して運動能力の向上をめざす中で、生活自体にハリが出てくることもあると思います。この機会に心臓リハビリテーションを知っていただき、少しでも多くの方に希望をつないでいただければと思います。

中村 治夫院長 なかむらクリニック
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