内藤 成敞 先生、内藤 彰彦 院長の独自取材記事
内藤クリニック
(尼崎市/塚口駅)
最終更新日:2023/09/07
阪急神戸本線の塚口駅から徒歩10分、静かな住宅地にある「内藤クリニック」。2004年に内藤成敞(なりあき)先生が開院。2016年6月からは、息子の内藤彰彦(あきひこ)先生が院長、成敞先生は名誉院長となり、親子で診察を続ける。精度にこだわった胃・大腸の内視鏡検査で、消化器系疾患の早期発見に力を入れる同院だが、消化器以外にも、痔の治療から乳腺検査、睡眠時無呼吸症候群、禁煙治療まで、幅広い診療内容を持つところも特徴だ。そんな2人に診療のモットーや今後の展望について語ってもらった。
(取材日2023年7月7日)
先進の内視鏡を用い精度の高い検査・診断をめざす
クリニックについて教えてください。
【彰彦院長】当院は消化器内科をメインに、一般内科、小外科手術、痔の治療、乳腺検査、禁煙治療などを行っています。「おなかの調子が悪い」「胸焼けがする」「胃が痛い」「便秘がち」などの、消化器の不調で来院される患者さんが多く、エコーやエックス線検査はもちろん、胃・大腸内視鏡を用いて、より精密な検査を行う体制も整えています。消化器系の主訴としては、下痢や嘔吐がある胃腸風邪が多いですね。一方、胸焼けや胃が重いといった症状が続く場合は、内視鏡検査を受けられることをお勧めしますが、内視鏡検査に抵抗のある方は、自費検査になりますが先にピロリ菌の検査をすることも可能です。ピロリ菌の感染により、胃炎、胃がんを引き起こすことが知られていますが、当院ではピロリ菌検査や除菌も行っています。
内視鏡検査は少し苦しいイメージがあります。
【彰彦院長】当院の胃内視鏡検査は、レーザー光源を搭載した新世代の内視鏡システムです。2つのレーザー光を組み合わせ、見逃されやすい早期がんもより見つけやすくなっています。鼻から挿入できる細径カメラのため、経鼻式の場合では喉を通る際の反射は少ないのですが、嘔吐反射の強い方やご希望される方には、眠ったような状態で検査を受けていただくために鎮静剤を使用することが可能です。また規模の大きい病院では診察をする医師と検査を行う医師が違う場合がありますが、当院では私が責任を持って診察と検査を行いますし、検査予約が取りやすく待ち時間が短いのもクリニックならでは。普段から通院している方であれば、慣れた環境で検査できるのではないでしょうか。
大腸内視鏡にも注力しているそうですね。
【彰彦院長】大腸内視鏡はこれまでの経験もあって私が得意とする診療ですので、当院では私が担当しています。欧米型の食生活の影響により日本では、大腸がんが急速に増加しています。大腸がんの早期発見のためには内視鏡検査が有用です。大腸ポリープであれば、その場で切除できます。また健康診断の便潜血検査で引っかかっても、意外と放置している人が多いですが、陽性になった場合には必ず検査を受けることをお勧めします。
幅広い知識と技術で患者を助ける
成敞先生は勤務医時代、多くの手術を手がけられたとか。
【成敞先生】多くの手術をしてきましたが、私は、自分は手術がうまいと思ったことは一度もありません。反対にいつも反省してばかりでした。手術をうまくやるとか、そういう意識はまったくなく、「患者さんが元気で退院できれば、それが一番」という気持ちで、一心に執刀してきたつもりです。医師にとって手術は、あくまで仕事です。趣味のような感覚で行っては、命を預けてくださる患者さんに対して失礼です。人の生命に関わる医師の仕事は、趣味の範囲に入れてはいけません。人の体の中は、内臓の形、大きさ、血管の位置など、すべてが微妙に違います。一つとして同じ様相を呈してはおりません。ですから、術前には解剖書をもう一度見直し、誠心誠意、集中して執刀する、ということにこだわってこれまでやってきました。
お二人が医師の仕事を選んだ理由を教えてください。
【成敞先生】人のためになる仕事をしたいと強く思っており、医師以外の仕事は頭にありませんでした。消化器外科を選んだのは、食道、胃、肝臓、膵臓、大腸、肛門と範囲が広く、その分患者さんも多いからです。手術で治療する、という治療の結果が出るのが早いところにも魅力を感じていました。外科の医師なのでゆっくりした診療が肌に合わないこともあり、患者さんに診察や検査の結果をできるだけ早くお伝えしています。特に消化器疾患で手術や入院の必要な患者さんには、来院されて1週間から10日以内に結論を出して適切な医療機関を紹介するように努めています。
【彰彦院長】私は、父という医療の職人の背中を見て育ちましたので、自然と同じ道を選んだように思います。医学部生の頃から、消化器外科の医師になろうと考えていました。基本的に体を動かして働くことが好きでしたし、性格にも合っていたので、外科の医師になって良かったと思っています。
彰彦先生は病院でも多くの研鑽を積んでこられたとお聞きしました。
【彰彦院長】奈良県立医科大学を卒業後、同大学の第一外科へ入局しました。そこで消化器、乳腺、一般外科を学び、消化管間葉系腫瘍(GIST)の研究で医学博士号を取得。その後、奈良公園中央病院などの複数の病院に勤務し、高血圧症や糖尿病などの慢性疾患を持つ患者さんの手術前後の管理、がんなどで亡くなる患者さんの緩和医療にも力を注いできました。当直では、頭痛、胸痛、腹痛、外傷など、消化器外科以外のさまざまなジャンルの救急患者さんを診察し、幅広い知識と技術の習得に励みました。手術という治療手技だけでなく、内視鏡、エックス線、エコー検査などを駆使して、病気の診断を行う技術を磨いたのもその頃です。これらのすべての経験が、当院での診療に役立っていると思っています。
お互い医師としてどのような印象をお持ちですか?
【成敞先生】院長は患者さんに優しく、丁寧な説明を心がけていると思います。私は技術屋としての意識が強く、昔気質の外科医師なのであまりしゃべるのがうまくないのです。そういう意味でも院長のほうが、開業医としての適性があると思いますね。
【彰彦院長】名誉院長は医療に対して確固たる信念を持っており、人とは違った視点で物を考える、というところも尊敬しています。開院するまで、兵庫県立塚口病院の消化器外科部長として、手術も手がけてきました。開腹手術の場合、術野を確保するために縦切開することが多いのですが、父は横切開で執刀することがあったようです。そのほうが手術痕が目立ちにくい、というメリットがある反面、手技がやや複雑になるため、手術の難易度は高いともいわれています。
早期発見と早期治療で患者の健康を支える
ほかに彰彦先生が担当されている診療は何がありますか?
【彰彦院長】当院では痔の治療も行っていて、私が担当しています。痔や排便痛、出血などお尻周りの悩みは、なかなか相談できずに悩んでいる患者さんも多いでしょう。出産をきっかけに痔になる女性も多いです。実は直腸がんや肛門がんなどの重篤な病気が隠れている場合もあるので、恥ずかしがらずにご相談いただきたいですね。痔の予防のためには排便習慣を改善することが大事。トイレでは無理に出し切ろうとせず排便時間は5分以内で。便意がある時は我慢せずトイレに行く事が大事です。
ところで、待合室のお写真は成敞先生が撮影されたそうですね。
【成敞先生】そうですね。私は比較的趣味が多く、写真はもちろん、読書、クラシックなどの音楽鑑賞、テニス、ゴルフなどをしています。撮影した写真はクリニックの待合室に展示し、不定期に入れ替えています。ゴルフは下手ですがいまだに月に1回程度、広々としたコースを周ったりします。週に2回テニススクールに通っているので、そこでは仲間もたくさんいるので楽しむことが息抜きになっていますね。
読者へのメッセージと、今後の展望をお聞きします。
【彰彦院長】当院では、発熱症状の患者さんや禁煙治療のための外来を設けるほか、体調にはあまり変わりはないけれども継続して薬が必要な患者さんなど、来院せずにご自宅で診察を受けられるオンライン診療も行っています。忙しくてなかなか通院が難しいという方は、ぜひ利用していただけたらと思います。大学病院など大きな病院との橋渡しも当クリニックの重要な役目でもありますし、必要な検査があれば医療機関と密接に連携して行っていますのでご安心ください。これからも早期発見・早期治療を大切に、皆さんの健康な毎日を支えるクリニックとして努力してまいります。気になる症状があれば気軽に相談してくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とはオンライン診療/1000円~、ピロリ菌検査/3800円