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吉光 辰男 院長の独自取材記事

よしみつこどもクリニック

(広島市安佐南区/古市橋駅)

最終更新日:2022/08/29

吉光辰男院長 よしみつこどもクリニック main

ファミリー層が多い広島市安佐南区で、吉光辰男院長が2001年に開業した「よしみつこどもクリニック」。JR可部線の古市橋駅や大町駅から徒歩約9分程、山陽自動車道広島ICから車で約7分、広島県道38号線沿いの、上層階は集合住宅になっているビルのテナントで、他にも複数のクリニックが入居している。近隣の学校の学校医も務めるなど、地域の子どもたちの健康を見守ってきた吉光院長。取材時には、おだやかな笑顔で質問に答えてくれた。「診療時間が長くて趣味を持つ暇もなかった」と、まさに小児科医療ひと筋の吉光院長だが、「年齢を重ねた今、集大成として還元しなくては」と、さらなる地域貢献へ意欲を見せていた。

(取材日2022年7月5日)

増える子どもの肥満には生活改善を提案

小児科の医師を志したのは、なぜですか。

吉光辰男院長 よしみつこどもクリニック1

高校生の頃に将来どんな仕事に就きたいか悩んだとき、どのような生き方がいいだろうと、いろいろな選択肢を考えました。そして、例えば精密機械を扱うような仕事よりも、ゆったりと幅広く考えられる仕事がいいなと思い、考えた末の結論が医師だったんです。ですから、医学生になって専門分野を選択する際も、特定の臓器や特定の疾患を極める道よりも、幅広く診察できる小児科に魅力を感じました。もちろん、子どもが好きだったのもあります。

開業までの道のりを教えてください。

広島大学医学部を卒業し、母校の付属病院の小児科に入局しました。広島大学医学部附属病院、中電病院やJA広島総合病院など、市内の総合病院の小児科で臨床経験を積みました。大きな病院ですと、重篤な病気の患者さんも多いため、患者さんとのうれしい思い出ももちろんありますが、残念ながら亡くなってしまった患者さんほど心に残るものです。最初に大学の付属病院で、がんで亡くなった小学生の女の子のことは忘れられません。そういう思いをばねに、病気を克服した子どもの笑顔を見たいという思いでまい進してきました。博士号を取得した後、中電病院で小児科部長を務め、2001年に当院を開業しました。

開業から20年以上になりますが、いかがですか。

吉光辰男院長 よしみつこどもクリニック2

この場所に開業したのは人口の多さも大きな理由ですが、当時は今ほどクリニックは多くありませんでした。今はだいぶ小児科のクリニックも増えましたね。当院の診療時間が8時からなのは、この地域のクリニックの診療時間に合わせたからなんですが、今は9時開業のクリニックが多いです。でも、当院は変わらず8時から診療しています。仕事に行く前に子どもを連れて来たり、学校に行く前に受診できるので、早い時間から診察していると便利に感じる患者さんもいると思うんです。また、地域の学校の学校医をしたり、学校の健康診断も担当する中で、子どもの健康状態の変化も感じます。例えば、肥満の子どもは増加傾向にあり、血液検査してみるとコレステロールの数値が高かったり、糖尿病など生活習慣病が見つかることも昔より多くなっています。当院では肥満の患者さんには、適切な食事など生活改善のアドバイスを行います。

体全体を注意深く、長い目で診る

診療内容を教えてください。

吉光辰男院長 よしみつこどもクリニック3

発熱、嘔吐、咳、発疹など、子どもによく見られる一般的な症状からアレルギー性疾患、低身長や肥満、夜尿症の相談など、幅広く子どもの病気やお悩みに対応します。血液検査は行っていますが、より精密な検査や入院が必要となる場合は、近隣の信頼できる医療機関を紹介します。木曜と土曜を除く14時~15時は予防接種と健康診断の時間帯になっています。予防接種は定期接種と任意接種が可能です。また、生後1ヵ月から乳児健診を実施しています。4ヵ月、1歳6ヵ月、3歳の健診は保健センターで行いますが、その他の健診はクリニックでも受けられます。当院では、ご希望に応じて随時、健診を行っており、月齢・年齢に合った発達、心音のチェックなどが行えます。広島市では、1歳になるまで無料券が2回使用できるので、活用していただきたいですね。

低身長や夜尿症の患者に対しては、どのような治療やアドバイスをするのでしょう。

低身長には、成長ホルモン分泌の不全、先天性の体質、甲状腺や染色体の異常など、さまざまな原因が考えられます。ホルモン治療の場合、専門の医療機関にご紹介します。夜尿症は、5歳を過ぎて月1回以上の頻度でおねしょをする場合をいいます。子どもは尿意を感じても目が覚めにくかったり、膀胱の機能が未熟でたくさんの尿をためておけないことが、主な原因です。やってはいけないのは、おねしょを防ぐために、夜中に子どもを起こしてトイレに連れて行くこと。寝ぼけた状態で膀胱に尿がたまりきっていないうちに無理に排尿させると、「これだけたまれば排尿する」という条件反射が起きて、かえっておねしょしやすくなってしまうんですよ。当院では、お薬も用いながら徐々に改善させていくように働きかけていきます。

診察する上で心がけていることを教えてください。

吉光辰男院長 よしみつこどもクリニック4

広い視野を持ち、柔軟に対応することです。風邪には抗生物質、熱が出たら解熱剤、下痢には下痢止め、というように、出た症状に対してお薬を出してコントロールしていくのではなく、その症状の裏側に潜んでいる原因など、子どもの体全体を注意深く、長い目で診ていくことが大切なんです。例えば、アレルギーに対する対処や治療法はさまざまで、子どもの場合、成長とともに体質が変わることもありますので、症状を多角的に把握しながら、その時々で適切な対応を心がけています。また、症状に応じて、西洋のお薬だけでなく漢方薬を組み合わせて治療することもあります。

患者と家族に安心してもらうために

子どもが安心して受診できるために工夫していることはありますか。

吉光辰男院長 よしみつこどもクリニック5

病院が怖くて泣いてしまう子もいますが、大声で泣かれると聴診器の音も聞きづらかったり、診察に時間もかかってしまいますよね。一緒に遊ぶくらいの気持ちで接して、リラックスしてもらえるように心がけています。それから、院内には子どもが喜びそうな絵や飾りつけをして、待合室にいる間も楽しい気持ちになってもらえるようにしています。看護師たちが絵を描いたり、折り紙などで手作りしてくれるので、ありがたいですね。また、安全面へも配慮しています。例えば、子どもは大人には気づかないような場所に這って潜り込んでしまうこともありますので、子どもの目線になってみて、危険がないように整理整頓や掃除を徹底するなど、事故がないように注意しています。

小児科では、付き添いの家族への気配りも大切ですよね。

ご家族の不安を取り除き、リラックスして話していただけることが大切です。例えば、初めてのお子さんを乳児健診に連れて来られたお母さんは、湿疹や鼻詰まり、ミルクの吐き戻しの量など、小さなことでも心配しがちです。それは育児不安の表れだったりするので、聞き流さずに対応することで、安心につながると思うのです。また、言葉を話せない赤ちゃんはもちろん、子どもが自分の症状や困り事をうまく口に出せないときに、子どもに代わって医師に伝えるはご家族なので、その言葉から重要なサインを聞き逃さないように注意を払う必要もあります。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

吉光辰男院長 よしみつこどもクリニック6

まずは、信頼できるかかりつけ医を持っていただきたいと言いたいですね。ときどき、よそのクリニックにかかったけれど納得できずに、当院を受診する、というケースがあります。もちろんセカンドオピニオンを求めることが必要な場合もありますが、ただ不安な思いから複数の医療機関を訪ね歩くよりも、信頼できるクリニックを見つけて、かかりつけにすることをお勧めします。お子さんの体質や既往歴なども把握している先生のほうが、安心して任せられるでしょうから。私も、じっくりと患者さんに向き合い、その成長を見守り、成長するお手伝いをしたい、そんな思いで診察しています。それから、健診はお子さんの成長状態や健康状態をチェックする良い機会なので、積極的に受診してください。健診を通じて、ご自分に合う小児科の先生が見つかるかもしれませんよ。

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