月経困難症や子宮内膜症のサインかも
つらい生理痛は早めの受診を
桃崎レディースクリニック
(福岡市南区/大橋駅)
最終更新日:2026/03/31
- 保険診療
「生理痛くらい、みんな我慢しているもの」そう思い込み、毎月の痛みをやり過ごしている女性は少なくない。しかし、その痛みが月経困難症や子宮内膜症のサインである可能性があることをどれだけの人が知っているだろうか。これらの病気は、放置すると不妊や卵巣がんのリスクにもつながりかねないという。福岡市南区で産科・婦人科専門クリニックとして地域の女性たちの健康を長年支えてきた「桃崎レディースクリニック」では、若い世代への啓発に力を入れている。院長の桃嵜正啓先生は、久留米大学医学部を卒業後、複数の病院で産婦人科を専門として研鑽を積んできたベテラン医師。「まずはお話を聞かせてください。受診=診察ではありません」と温かく語りかける桃嵜先生に、月経困難症との向き合い方や、受診の際に心に留めておきたい点などを聞いた。
(取材日2026年3月6日)
目次
生理痛を放置せず、早めの受診と治療で女性の健やかな未来を守ろう
- Qつらい生理痛を我慢し続けることは良くないのですか?
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A
▲一人で抱え込まず、気軽に受診してほしいと話す桃嵜院長
生理痛で悩んでいる方の多くに、子宮内膜症が潜んでいる可能性があります。生理痛がひどい方の7〜8割に内膜症が隠れているともいわれており、放置すると不妊症や卵巣がんのリスクにつながることがわかっています。以前は鎮痛薬を処方するだけの時代もありましたが、それでは根本的な治療にはなりません。市販の鎮痛薬を毎月飲み続けることで、内膜症が見えにくいまま悪化していくこともあるんです。内膜症は初期には画像に映りにくく、「異常なし」が必ずしも安全とは限りません。学校や仕事を休むほどの生理痛は、もはや一般的な生理痛の範囲ではないとお考えください。生活に支障を来すレベルであれば、迷わず受診してほしいです。
- Q月経困難症を放置すると何が起こるのでしょうか?
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A
▲スタッフ一丸となって、相談しやすい環境づくりに注力している
月経困難症を放置した場合に最も心配されるのが、子宮内膜症への進行です。子宮内膜症が悪化すると不妊症につながる恐れがあり、40歳を過ぎると卵巣がんの原因ともなります。また進行すると、生理以外のときにも骨盤痛・腰痛・排便痛・性交痛といった症状が現れます。こうした「生理の時期以外にも続く痛み」が増えてきたら、子宮内膜症が存在するサインかもしれません。「まだ若いから大丈夫」という思い込みは危険で、20代前半でも重篤な内膜症で手術が必要になるケースもあり、放置した時間が将来の妊娠や生活の質に大きく影響するのです。内膜症がなくても、治療で生理痛の改善をめざせば、健やかな毎日を取り戻せる可能性があります。
- Q子宮内膜症とは恐ろしい病気なのでしょうか?
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A
▲月経痛を我慢していたことが不妊の一因になる可能性も
子宮内膜症の怖いところは、目に見えないところで静かに進行する点に尽きます。エコーで映るレベルになっているということは、すでに中等度以上に進行しているサイン。初期にエコー検査で調べても「異常なし」と言われることがありますが、それは症状が「ない」のではなく「見えていない」だけかもしれません。4段階のステージがあり、進行すると腸や膀胱と癒着を起こし、腸の切除が必要になるケースもあります。不妊との関係も深く、卵管や卵巣への影響で受精・着床が妨げられることもあります。「今は妊娠を考えていない」という方でも、将来の可能性を守るために、まずこの病気の存在を知っておいてほしいと思います。
- Qどのようなタイミングで婦人科に受診すべきなのでしょうか?
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A
▲心理的な負担や不安に配慮した診療スタイル
「少しでも違和感があれば、まず来てください」というのが私からのお願いです。「生理が以前より重くなった」「出血量が増えた」「生理以外でも骨盤や腰が痛む」こうした変化があれば早めに受診を。婦人科に抵抗を感じる方も多いと思いますが、「受診=診察」ではありません。お話しするだけでも大丈夫です。また、診察を行う際も内診台はカーテンで仕切られており、医師と直接顔を合わせることはありませんし、逆にカーテンを開けて安心される方もいます。15歳未満の方はお母さんと一緒にお越しいただいて構いません。また当院では女性の患者さんが安心して受診できるよう、男性の院内へのお付き添いは基本的にご遠慮いただいています。
- Q月経困難症・子宮内膜症になった際の治療方法を教えてください。
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A
▲患者の要望に合わせた診療を行う
まず問診票をもとにお話を伺い、可能な方にはエコー検査を行った上で治療方針をご説明します。性交渉経験のない方もおなかのエコー検査や問診だけで対応できる場合があります。治療はホルモン療法を行います。低用量ピルやジエノゲストの服用、あとはミレーナと呼ばれる子宮の中に入れる治療器具などが選択肢となりますが、漢方薬を組み合わせることもあります。早期に治療を始めるほど体への負担が少なく、将来の妊娠の可能性を守ることにもつながります。進行してからの発見では、大きな病院での手術が必要になることも。だからこそ、つらいと感じたら迷わず受診してください。あなたの未来を守るためにも早期発見・早期治療が重要です。

