林 広典 院長の独自取材記事
そらレディースクリニック
(福岡市東区/和白駅)
最終更新日:2024/07/19

エントランスにはグランドピアノが置かれ、高級ホテルのようなラグジュアリーな空間が広がる「そらレディースクリニック」。24時間365日体制で無痛分娩に対応しているクリニックだ。林広典院長の他に約30人の医師が在籍し、幅広い産科・婦人科診療で女性の健康を支えている。出産という人生の一大イベントを楽しんでもらうべく、病室は海外の国々をイメージしたコンセプトルームで、素材や味つけにこだわった食事やお祝いスイーツとして提供されるアフタヌーンティーセット、産後ケアサービスなど、“おもてなし”の精神にあふれた環境を整えている。「分娩は母子の安全を保つことが第一。一つの選択肢として無痛分娩を知ってもらいたいですね」と語る林広典院長に、クリニックの診療体制や患者ファーストへのこだわりについて詳しく話を聞いた。
(取材日2023年12月27日)
患者がリラックスして出産に臨める環境づくりを
クリニックのコンセプトを教えていただけますか?

レディースクリニックは女性の一生をサポートする立場にあります。患者さんと喜びも悲しみも分かち合い、支えていくことこそが、当院の使命です。人生は良いことがあれば悪いこともありますが、うれしいときも悲しいときも、見上げれば空があります。そんな存在でありたいと考え、「そらレディースクリニック」というクリニック名にしました。特に妊娠中や産後はホルモンバランスの影響で不安定になることもありますから、患者さんの気持ちに寄り添った治療とケアが必要です。一流ホテルのような“おもてなしの精神”を大切に、言葉遣いやお声がけする際の表情など、患者さん一人ひとりに合わせた接遇をスタッフ一同心がけています。
たいへんきれいな建物で驚きました。患者さんが快適に過ごせる環境づくりにこだわったそうですね。
訪れた患者さんには安らぎのひとときを過ごしていただきたいので、院内のインテリアや設備には細部まで気を配りました。待合室にはノンカフェインコーヒーや紅茶を楽しめるドリンクバーや無料WiFiを設置しているほか、絵本やおもちゃを備えた広いキッズスペース、妊娠や出産に関するエッセイ本や漫画を150冊以上そろえたライブラリーがあります。待ち時間や入院生活を少しでも楽しく過ごしていただきたいですね。
入院用のお部屋も充実していますね。

はい。産まれてきた赤ちゃんが最初に過ごすお部屋ですので、美しく色鮮やかなインテリアがふさわしいと考えました。世界各国をテーマに海外旅行に来たような非日常感を演出しています。各部屋には脱衣所つきのシャワールームやトイレ、ソファーベッド、無料WiFi環境などを整備し、快適さにもこだわりました。出産はご家族にとっても特別なイベントですよね。上のお子さんがいるご家族にはオプションとして、クイーンサイズのソファベッドを備えたファミリールームや、映画や絵本、ゲームを楽しめるプロジェクターの付いた特別室などをご案内することも可能ですので、産まれたばかりの赤ちゃんとのかけがえのない時間を快適に過ごしていただければと思います。
母子の安全を第一に無痛分娩に24時間体制で対応
こちらのクリニックでは、無痛分娩に力を入れていると伺いました。

当院では24時間365日、無痛分娩に対応しています。当院で無痛分娩を希望される患者さんは年々増えており、出産予定の患者さんの6割に上ります。とはいえ、当院では無痛分娩を無理に推し進めているわけではありません。母子の安全が保たれるのであればどういった分娩方法でも構わないと考えています。ただ、安心・安全な経膣分娩をめざす方法の一つとして、無痛分娩という選択肢があることを知っていただきたいのです。無痛分娩は、陣痛の痛みの緩和を図り、心と体の負担軽減をめざすことで、お産が進みやすくなるのがメリットです。麻酔による副反応がゼロではないのがデメリットですが、隣接する総合病院と連携を取り、万が一の時にも迅速かつ適切に対処できる体制を整えています。重要なのは妊婦さんに無痛分娩について正しく理解していただくことです。その上で納得して選択していただけるような環境づくりに取り組んでいます。
無痛分娩は具体的にどのような処置をするのでしょうか?
麻酔を使って分娩中の痛みの緩和を図りながら、自然分娩を手助けします。無痛分娩で広く普及しているのは「硬膜外麻酔」といって背中側に細いチューブを通し、そこから麻酔薬を投与するものです。当院はそれに加え「脊椎くも膜下麻酔」を併用しています。脊髄くも膜下麻酔は硬膜外麻酔よりも神経に近い場所に麻酔薬を投与するため、より早い麻酔効果が期待でき、分娩の状況に応じて臨機応変な対応ができるのが特徴です。下半身麻酔のようなイメージで、妊婦さんの意識ははっきりしていますのでご安心ください。当院では麻酔を扱える医師が24時間常駐していますので、患者さんの陣痛の状況に合わせ、適切なタイミングで麻酔を使うことが可能です。ご希望があれば陣痛が始まった後で普通分娩から無痛分娩に切り替えることもできますよ。
手厚い対応ができるのは、スタッフ体制が充実しているからこそですね。

そうですね。お産に時間は関係ありませんから、いつでも患者さんのニーズに最大限応え、かつ安心・安全な出産をめざしサポートするためには、マンパワーが不可欠です。当院は私を含め、産婦人科、麻酔科、小児科合わせて約30人の医師が在籍しています。助産師や看護師などのスタッフも充実させながら、チーム医療で患者さんに寄り添った手厚い治療やケアをめざしています。初産の方や婦人科の悩みを抱える思春期の患者さんは男性医師に抵抗があるかもしれません。当院は女性医師も在籍していますので、ご相談いただければ可能な限りご要望にお応えします。
安心・安全な医療を基盤に患者ファーストを追究
診療の際、心がけていることをお聞かせください。

安心・安全かつ質の高い医療の提供をめざすのは大前提で、「患者さんファースト」という姿勢を常に心がけています。診療の際のお声がけや、スタッフによる接遇はもちろんのこと、産前・産後のサポートや心のケアも重視しています。出産前から産後まで、心身ともに健やかに過ごせるよう、エクササイズ教室やヒーリングルームなども充実させました。院内にあるピアノステージでは定期的にコンサートを行うなど、入院・来院する患者さんに楽しんでいただける工夫をしています。また退院後も、子育てに向き合う中で悩んだり不安を感じたりした時に頼っていただける存在でありたいという思いから、定期的にワークショップを開催し、産後のお母さん同士の交流の場も設けています。産前・産後のご体調など気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
患者ファーストのおもてなしは至るところで感じられます。入院中の食事も工夫されているそうですね。
出産を終えた患者さんにとって食事の時間は楽しみの一つだと思います。患者さんに喜んでいただけるよう、ホテルでの勤務経験を持つシェフが、味つけや素材、盛りつけにこだわった和洋中さまざまなメニューを提供しています。産後に必要な栄養や母乳の質を良くする食材への配慮はもちろん、クリスマスやハロウィーンなど季節にちなんだメニューなど工夫を凝らし、3時のおやつではパティシエが毎日腕を振るったスイーツをお出ししています。また、出産後はクリニックからペアのお祝いディナーをプレゼントさせていただいています。上のお子さんがいらっしゃるご家族にはお子さまランチもご用意できます。180度を窓に囲まれたパノラマビューレストランで、おいしい食事を味わいながら、ご家族との思い出に残るひとときを楽しんでいただけたらうれしいですね。
それでは最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

母子ともに安全な分娩をめざすことをベースに、当院での出産を楽しかったと感じていただけるよう、すべての患者さんが理想とするバースプランをかなえたいとスタッフ一同尽力しています。日々の診療においても、皆さんのご要望をかなえるため、電子カルテやウェブ予約システムを導入したりと、クリニックの環境・体制を整えてきましたが、これからも常にアップデートを続けていくつもりです。今後は不妊治療を含めて診療の幅を広げ、女性の悩みをトータルサポートできるクリニックをめざしたいですね。クリニックでは、いつでも院内見学を受けつけておりますので、まずはお電話やメールでお気軽にお問い合わせください。スタッフ一同、皆さんのご来院を心よりお待ちしております。