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久保田 昌信 院長の独自取材記事

くぼた整形外科

(四條畷市/四条畷駅)

最終更新日:2023/02/22

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大阪市と奈良市の間にあり、それぞれの町のベッドタウンでもある大阪府四条畷市。県境・市境を越え多くの人が行き交う町の駅前で診療を続けているのが、「くぼた整形外科」だ。院長の久保田昌信先生は、広島県出身。島根や京都、大阪の病院で整形外科の医師として研鑽を積み、2003年に同院を開業。若者の外傷から高齢者の痛みまで幅広く診察、治療をしてきた。先進の医療技術やリハビリテーションを視野に入れつつ、今この場所の患者に求められる診療を続けていきたいという久保田院長。広島弁が残る静かな語り口と温かな人柄が感じられるドクターだ。今回は久保田院長に、同院で行っている診療のことや想いについて話をしてもらった。

(取材日2020年1月21日)

物理療法の設備を充実。慢性疾患と根気よく付き合う

駅から3分ほどの場所ですが、どんな患者さんが多いのでしょうか。

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四条畷は高齢者が多い、下町みたいな雰囲気の土地だと思っていたのですが、駅前はにぎやかで、近くに学校がいくつかあるんですよ。午前中こそ高齢の患者さんが多いものの、午後になると学生や若い方が増えてきます。幼稚園、保育園から高校生まで幅広く、授業中や部活でけがをして、学校から直接来院することも多いです。若い方が多い日は、学校の医務室のような雰囲気になりますね。学生で一番多いのはボールでの突き指、手首の骨折、高校生くらいになると運動も本格的になるので、靭帯損傷などの関節外傷で手術が必要になるケースもあります。大人の患者さんでは、年齢に関わらず腰や膝の痛みで来院される方が多いですね。勤め人の方なら肩こりや首の痛み、60代以降では骨粗しょう症や変形性膝関節症、坐骨神経痛、リウマチで通われている方もいます。

クリニックの特徴を教えてください。

正直なところ当院には特殊な機械があるわけでもなく、全身麻酔下の大きな手術ができる施設もありません。私のような町の開業医にできることは限られていますので、自分の守備範囲をよくわかって、自分でできることには最善を尽くして、当院で対応できない場合は患者さんが最良の治療を受けられるよう次の医療機関へ導いてあげることが自分の責任だと思っています。ご夫婦、親子で通われている方も多く、開業からずっと通われている方もいますし、通いやすさが特徴といえるかもしれませんね。

四条畷は先生の地元なのでしょうか?

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実家は広島で、大学は島根なんです。京都府京田辺市の病院で働いていた頃、40半ばになり勤務医を続けるか開業するか迷っていました。ちょうどその頃、知人からここでの開業を勧められました。京田辺からも意外と通いやすいし、駅からも近く患者さんにも便利と考えて、開業することに決めました。

他院を紹介して送り出した後も患者の相談に耳を傾ける

患者主体の医療のために「3つの心がけ」を掲げられていますね。

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1つ目に、医療の仕事は医師もスタッフもついつい一方的になりがちなので、患者さんの訴えをよく聞いて、理解されているかを確認しながらわかりやすい言葉を選んで説明することを心がけています。2つ目に、患者さんとよく話し合い、納得された上で治療に進むようにしています。そして、診察や検査の結果さらに詳しい検査あるいは手術が必要な場合は、他の専門的な医療機関に紹介します。また他科の疾患が疑われる場合も責任をもって紹介します。3つ目は当院で治療されている患者さんに限らず、他院で治療を受けていた患者さんが、主治医以外の他の医師の意見を希望された時、セカンドオピニオンをお勧めしていることです。医療機関を紹介した結果、相性が良くないとか説明に納得いかない点があれば、当院に戻って来ていただけたら再度他の医療機関を紹介することもできます。

病院や医師との相性って、確かにありますね。

そうですね。情報がまったくない段階だと、患者さんは「とりあえず、いい医療を受けたいから」と、専門性や相性など何もわからないまま「大学病院に行きたい」と希望されることがしばしばあります。日本の医療は誰でも同じ条件で受けられるのが良い点ですが、軽症例も含めた希望者すべてが大学病院を受診すると、朝から何時間も待って、診察時間が数分ということになります。大学病院がすべていいわけでなく、通いやすくじっくり話ができる町のクリニックがよい場合も少なくありません。そこを見極めて、患者さんにとって最適な医療機関を紹介できるよう心がけています。紹介した後も、症状が落ち着いてきて患者さんの希望があれば、当院で継続して治療を受けることも可能です。

病診連携のために気をつけていることはありますか。

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患者さんを紹介する、あるいは紹介してもらうためには、連携する病院の医師を含めたスタッフの方たちとの信頼関係が大切だと思います。信頼していただけるよう密に連絡を取ることと、丁寧な情報提供をすること、適切なタイミングで紹介することを心がけています。また連携のためには自分の医療知識をアップデートすることも必要だと思います。開業した後は先端の医療や話題に触れる機会が減りますので、講習会には努めて参加し、最新の知識を得られるようにしています。例えば、リウマチの患者さんで生物学的製剤の投与が必要な患者さんは、内科的なフォローアップが必要なためリウマチ専門の外来に紹介しますが、症状が安定すれば当院に戻られることがあります、このような場合も薬の情報や知識をアップデートしていかなければ対応できません。

説明と納得を大切に患者の意欲を支えていきたい

医師の仕事を志したのは、いつ頃ですか?

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最初に意識したのは、小学生の頃です。母が30代で子宮頸がんになったのですが、見つけてくださったのは内科のかかりつけの先生でした。その後、大学病院で手術を行い放射線治療も受けました。若かったのでがんの進行は早かったのですが、早期に発見できたため80代の今も再発なく元気に暮らしています。また兄も小児ぜんそくで入退院を繰り返していましたので、私も子どもの頃から医療に接することが多く、白衣の先生たちに憧れを抱きました。専門を整形外科に決めたのは大学卒業時です。当時は現在のようないろいろな科で臨床研修できるスーパーローテート方式ではなく、ほとんどが卒後すぐに専門の科を決め研修を行っていました。外科系と決めていたのですが、大学時代は硬式テニスをしていたこともあり、スポーツ外傷を扱う整形外科に興味を持ちました。当時は正直、自分に合っているかどうか不安でしたが、今は整形外科を選んで良かったと思っています。

印象に残っているご経験があれば教えてください。

研修医時代に働いていた大学病院では、研修医でも主治医として患者さんを担当します。主治医になるとまだ20代半ばの新米の医者でも骨腫瘍などの重症例で末期の患者さんにも対応しなければいけないこともありました。もちろん指導医とともに受け持つわけですが、患者さんだけでなくご家族も含めてその人の人生に関わっていかなければなりません。頭ではわかっていたけれど、やはりこの仕事は責任が重大だなと改めて感じたものです。その後、5年目に京都北部の関連病院に医長として赴任しました。大学病院のように専門を狭く絞ることもできず、まだ経験も浅いにも関わらずさまざまな症例に対応しなければなりませんでした。大変でしたが、開業してさまざまな主訴の患者さんに接することになった現在は、そういった経験が生かされているなと感じています。

読者へメッセージをお願いします。

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腰痛、肩凝り、関節痛やリウマチ、骨粗しょう症の予防などの外傷以外の疾患の治療は、長引くものが多く、生涯にわたって管理が必要な疾患もあります。時にモチベーションの維持が難しくなり、通院をおっくうに感じることがあるかもしれません。しかし、例えば骨粗しょう症による高齢者の骨折は、寝たきりのきっかけになりその後の寿命にも関わってきます。皆さまが治療や予防の必要性を理解し、納得して続けていただけるよう丁寧に説明しますので、根気よく通ってほしいですね。四条畷のかかりつけの整形外科として、気軽にご利用いただければと思います。

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