頑張る働く世代と学生に伝えたい
早期受診が肝心な心の病気
こんどうメンタルクリニック
(名古屋市千種区/覚王山駅)
最終更新日:2023/10/16


- 保険診療
うつ病や双極性障害(躁うつ病)といった心の疾患は、全国的にも増えているといわれており、もはや他人事ではない。しかし、「メンタルクリニックには行きにくい」「どんな症状なら受診したほうが良いのかわからない」という人も少なくないだろう。実は、心の疾患には薬の服用で結果が見込めるものや、早めに受診すれば薬に頼らずに済むものも少なくないという。「こんどうメンタルクリニック」の近藤康史院長は、頑張りすぎてしまう働く世代や学生たちにも、メンタルクリニックを受診すると期待できるメリットがあると語る。そんな近藤院長に精神科を受診するタイミングや受診することで望めるメリットから、どのような悩みで来院している人が多いのか、症状や疾患の傾向について詳しく教えてもらった。
(取材日2023年10月4日)
目次
心の病気を重症化する前に食い止めたい。メンタルクリニックを受診する基準と期待されるメリットを知ろう
- Q患者さんはどのようなきっかけで受診されるのでしょうか?
-
A
▲名古屋市千種区にある「こんどうメンタルクリニック」
受診のきっかけは人それぞれですが、働く世代で多いのは「仕事がつらくて休みたい」「家族や職場の人に勧められた」「ストレスチェックで引っかかった」などですね。学生さんですと、自発的に来る方やスクールカウンセラーに促されて来る方、中高生の場合は親御さんの意志で来る方が多いですね。受診のタイミングは難しいですが、悩みがあればなるべく早く来てもらうのが良いでしょう。「この程度で受診して良いの?」と思う方もいるかもしれませんが、それが地域のクリニックの役割ですし、逆に受診せずに放置するリスクもありますからね。
- Q悩みを放置するとどのような影響やリスクがありますか?
-
A
▲早期の段階で通うことで期待できるメリットは大きい
最も危惧するべきリスクは、症状の重症化です。受診せずに悩みを放置すると、症状が重症化することがあります。軽症のうちであれば、経過観察や簡単な環境調整で対処できる場合もあります。無理をして我慢をすればするほど、症状の重篤化、後遺症などさまざまなリスクが高まります。例えば、過労が原因で症状がでている方などは、早い段階で休職や仕事の調整ができれば、薬を使わなくても早期の症状改善が期待できると考えています。
- Qクリニックでの診療の流れや治療について教えてください。
-
A
▲忙しい人も通いやすいよう配慮がされている
初診の方には、まず問診票を書いてもらいます。問診票では主訴や症状が始まった時期や、生活歴などをお聞きしています。その後、30分程度お時間をいただいて、環境の調整方法や服薬治療についてお話しします。私の役目は悩みの交通整理ですね。あと、家族間の葛藤や、人間関係で悩みがある方など、まとまった時間の面接が必要な方には、カウンセリングもお勧めしています。カウンセリングでは、臨床心理士がしっかりお話を伺います。19時まで診察していますし、初診の方はウェブ予約も可能ですので、忙しい働く世代の方でも受診しやすいと思いますよ。
- Q頑張っている働き世代に伝えたいことはありますか?
-
A
▲働く世代の人を支える役割を担っている
当クリニックでも患者さんの多くが働く世代です。悩んでいる症状は幅広く、会社に行こうとすると吐き気がする、腹痛がする、食欲不振、不眠などがありますが、一番多いのが過労による疲れです。過労が原因で症状がでている方は、早めに受診して適切に体を休めてもらえば、重症化を防ぐことにもつながります。初診だけや経過観察で済むケースも多いので、早めの受診をお願いしたいです。忙しくて病院へ行く時間がなかなか取れない方も少なくないと思いますが、重症化するとお仕事への影響が長引く恐れもあるので、ご自身の体も大切にしてほしいですね。
- Q学生の患者さんも多いとお伺いしました。
-
A
▲さまざまな悩みに寄り添った診療を行う
地域柄、大学生の患者さんも多いですね。「気分が落ち込む」「学校に行きにくい」「人前で極度に緊張する」という方から、「大学生活が忙しすぎてつらい」という方までさまざまです。大学生くらいになると、自分のことをわかり始めてくるので、インターネットで調べて「自分はこの疾患ではないか?」と感じて来る方もいます。学生さんの場合は、受診がご自身を理解するきっかけになって、仕事選びや進路の参考にもなるかもしれませんね。あと、強迫性障害や社交不安障害などの不安障害の症状を自覚する方もいらっしゃいます。不安障害は症状緩和を図るためのお薬もありますし、受診自体が悩みの解決に役立つこともあると思います。