藤田 博 院長の独自取材記事
明日美ひふ科クリニック
(八千代市/村上駅)
最終更新日:2024/12/03

2022年8月に継承開業された「明日美ひふ科クリニック」は、村上駅より徒歩1分。同クリニックがあるビルは駅出口の隣で、交通アクセスが抜群だ。皮膚科と美容皮膚科を標榜し、アトピー性皮膚炎などの保険診療から、しみなどの悩みに寄り添うための自由診療にも対応している。皮膚科の豊富な診療経験を持つ藤田博院長は、実践的な薬の外用指導や他の医療機関との連携を重視し、地域住民の皮膚トラブル改善に努めている。患者の症状を詳しく観察し、悩みに耳を傾けて治療を進めているという藤田院長に、診療方針や患者と接する上で大切にしていることなどについて聞いた。
(取材日2024年10月18日)
実践的な薬の外用指導で症状改善をめざす
継承開業するまでのご経歴を教えてください。

岐阜大学医学部卒業後に金沢大学の大学院へと進み、大学院修了後は病院やクリニックで、皮膚科や泌尿器科の診療経験を積んできました。その後、皮膚科と泌尿器科を標榜する他のクリニックでの院長も経験しました。皮膚科は、症状を観察して診断する技術力を大きく問われる奥深さがあり、これまでの経験を生かして、ゆくゆくは開業したいと考えていました。そして、ご縁があった村上の「山本皮フ科」を継承し、当クリニックを開業したのです。村上は医療機関の数が少なかっため、地域の方に貢献したいと考えて決断しました。
どのような疾患の患者さんが受診されていますか?
当クリニックは、皮膚科の保険診療による治療が主軸です。アトピー性皮膚炎、水虫(足白癬)、やけど、白斑、脂漏性皮膚炎など皮膚疾患全般の患者さんが受診されています。小児から高齢の方までと受診者の年齢層も幅広いです。脱毛やしみなどの悩みへは、美容皮膚科の自由診療もご提案しています。患者さんの「お肌をきれいにしたい」という希望に対して保険診療のみでは対応できない部分も多いため、自由診療によるケアも選択できる環境を整えているのです。すべての症状に関して綿密なカウンセリングを行い、患者さんが納得される治療を心がけています。
薬の外用指導を重視されていると伺いました。

はい。皮膚症状の改善をめざすためには、薬を適切に塗ることが非常に重要だと考えています。医師が薬を処方するだけで塗り方を指導しないと、患者さんは適切な塗り方がわからず困ってしまい、有用性も十分に発揮されないからです。そのため、診察時にはしっかりと時間を取って、患者さんの病状や薬の種類に合わせた、薬の塗り方をお伝えしています。例えば水虫の患者さんなら、指の間を広げて薬を塗り、さらに足の裏・アキレス腱付近まで広範囲に塗る様子を、実際に見ていただくのです。そして患者さんが自宅で実践しやすいように、使用する薬量の目安や回数などを具体的に伝えています。お伝えした方法で塗っていただいた上で、症状の改善が見込めれば薬の強さや回数を減らしたり、見込めなければ薬の変更や追加をしたりするなど、より良い治療につながります。
患者の症状が良くなることを第一に
力を入れている診療について教えてください。

アトピー性皮膚炎に対する治療として、比較的新しい注射薬のデュピルマブ製剤を導入しています。デュピルマブ製剤は、ステロイド外用剤やタクロリムス水和物外用剤などの抗炎症外用剤による効果が十分に見込めず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及んでいる患者さんに対し、使用が検討される薬です。治療のスケジュールは患者さんによって異なりますが、一般的には2週間に1回の皮下注射を1年程度継続します。その後、症状に応じて治療の終了や継続を判断します。デュピルマブ製剤は患者さんによる自己注射が可能で、通院の負担が少ない点がメリットです。治療開始時には、最初の数回は患者さんに来院していただいて注射を行い、自己注射の方法をしっかりと指導した上で、ご自身でも安心して実施できるようにしています。
診療方針で大切にしていることを教えてください。
患者さんには、治療の目標とする状態や通院期間の見通しについて、可能な限りお伝えするよう心がけています。皮膚疾患は、治ったかどうかが風邪のようにははっきりとはわからないため、漫然と治療を続けてしまいやすいのが特徴です。「この状態をめざして治療しましょう」と、医師が目標や治療を終了するタイミングを明示することで、患者さんが通院し続ける負担の軽減につなげています。また、通院期間の目安がわかるようにすることで、患者さんの「通院がいつまで続くのか」という不安感も和らぐのではないでしょうか。治療の目標や期間がはっきりしていると、患者さんも治療に取り組みやすく、通院の中断も防ぐことができると思います。
他医療機関との連携も重視していると伺いました。

患者さんの病状により、当クリニックよりも他の医療機関での治療が適切だと判断したら、提携先の医療機関へ迅速に紹介するようにしています。私は、患者さんの症状が良くなることを第一に考えているので、より良い医療機関や治療が選べるように支援したいと考えているためです。もちろん、当クリニックでできる治療は可能な限り対応します。ご紹介する際には、患者さんの病状に応じて、私から提携先の医療機関をいくつかご提示します。そして、患者さんにとって通院しやすい場所であることや、その他のご希望を伺って、医療機関を選べるように配慮していますね。
地域の患者にとってハードルの低いクリニックに
患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

患者さんの背景に合った言葉遣いや接し方をするようにしています。例えば、高齢で一人暮らしの方であれば、皮膚以外に体調の変化がないかも伺うようにして、健康状態の維持に気を配っています。また、病状や治療の説明をする時には、なるべく専門用語を使わないようにして、患者さんにとってわかりやすい説明をするようにしていますね。治療を開始する際には、口頭での説明だけでなく、図や写真により病気や薬についてわかりやすく書かれた冊子も活用しています。また、患者さんの皮膚症状を詳しく観察するとともに、どのようなことに悩まれているのかを、よく伺うことも大切です。医師から一方的に治療を提案するのではなく、十分な説明をして患者さんのお悩みやご希望に寄り添って、治療を進めていく姿勢でいます。
地域の方にとってどのようなクリニックでありたいですか?
皮膚の赤み・かゆみ・痛みなど気になる症状があったら気軽に相談してもらえる、患者さんにとってハードルの低いクリニックでありたいです。「このようなことで受診しても良いの?」と疑問に思う症状であっても、まずはご相談いただければ、治療が必要な状態かを診察いたします。また、保険診療を中心にしつつ、自由診療も選択できるスタイルは続けて、患者さんのご希望に応えていきたいです。今後は、クリニックのホームページに掲載する記事や講演会などを通して、皮膚疾患や治療に関する地域での啓発活動にも取り組んでいければと考えています。
最後に地域の方へのメッセージをお願いします。

皮膚トラブルは誰にでも起こる可能性があり、症状が見えるだけに、悩まれている方が多いのではないでしょうか。例えばあせもや虫刺され、乾燥によるかゆみなど、皮膚症状全般についてお気軽にご相談いただければと思います。当クリニックは、電話またはウェブでの当日予約制です。予約外の患者さんが受診しにくくなったり、患者さんの待ち時間が長くなってしまったりするため、受診時の定期予約枠はあえて設けていません。患者さんがご都合の良い日に受診しやすい環境を整えていますので、お困りの症状がある際にはぜひご来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみのケア/8800円~、脱毛/1万1000円~