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阿南 治 院長の独自取材記事

阿南歯科

(藤沢市/六会日大前駅)

最終更新日:2021/10/12

阿南治院長 阿南歯科 main

小田急線六会日大前駅前のロータリー正面というとても便利な場所にある「阿南歯科」は、25年にわたって地域住民の歯の健康を守り続けている。同じロータリーに面した場所から3年前に移転し、昨年増床した院内は、1階が和モダンの落ち着いた雰囲気の一方、2階はヨーロッパのリゾートを思わせるような開放的な明るい雰囲気で心を和ませてくれる。この場所で、患者に安心して末永く通ってほしいとの思いを込めて、「100年間輝き続ける歯科医院」をコンセプトに歯科医療に取り組んでいるのが阿南治院長。若いスタッフが多く、医院の明るく家族的な雰囲気は、阿南院長の父親的で気さくな人柄が影響しているのだろう。「患者さんが、歯を気にしないで生活できることがベスト」と語る阿南院長に、医院のことや歯科診療への思いを聞いた。

(取材日2015年12月28日)

歯科医院らしくないデザインでキッズスペースも備えるこだわりの院内

素敵なデザインの院内ですね。

阿南治院長 阿南歯科1

やはり患者さんは、歯医者に来るのが怖かったり不安がありますよね。だからできるだけ歯科医院らしくしないほうが良いだろうというのがあります。1階は和モダンの落ち着いた感じにして、2階は昨年増床したのですが、逆にキッズスペースも備えた明るい感じにしました。これは、うちのスタッフが毎年ハロウィンのイベントをやってくれていて、お子さんたちが来てきてくれるのですが、それだけじゃもったいないから職業体験のテーマパークみたいにしようということで実際にやってみたところ、お子さんたちがすごく興味を持ってくれたんです。それで、普段からお子さんも楽しめるようにということでキッズスペースをつくって、お母さんの治療を待っているお子さんが退屈しないようにしました。オレンジ色を使っているのは、うちのテーマカラーでもあるからです。

設備も充実していると聞きました。

はい。主なものでは、CTとマイクロスコープ、それと滅菌器ですね。CTは、インプラント治療や根管治療には必要です。人体は三次元ですから、3Dで見ないと正確なことはわかりませんから。それに根管内というのは直径が1ミリくらいなので肉眼で見ることは不可能ですし、実際に見てみないと汚れが残っているのかわかりませんからマイクロスコープも必要です。滅菌器についても、質の高い治療を提供するには、しっかりとした滅菌効果のある装置を使わなくてはなりません。基本的には、自分や自分の家族がどのような治療を受けたいのかというのを想定して考えています。

どのような訴えの患者が多いのですか?

阿南治院長 阿南歯科2

歯痛とか歯周病が多いのですが、最近は根管治療の問い合わせが多くなっています。他の歯科医院で、どうしても歯を抜かなくてはならないと言われたんだけど、うちのホームページを見て、なんとかなるんじゃないかと思って来たという方が増えています。根管治療は自由診療でやっているのですが、今、私が実際に初診で診られるのは2〜3ヵ月待ちです。これだけ根管治療を必要としている人がいるというのは、私自身ちょっとした驚きなんです。もちろん、当院なら100%抜かなくても大丈夫なんてことはありませんが、カウンセリングをして、患者さんとしっかりと話をして、リスクもしっかりと説明して、理解いただいてから治療に入るようにしていますし、患者さんの希望に沿えるようにベストをつくします。

患者の物語に耳を傾ける治療

カウンセリングを重視しているそうですね。

阿南治院長 阿南歯科3

EBM(エビデンス・ベースド・メディシン)という言葉はよく使われますが、もう一つNBM(ナラティブ・ベースド・メディシン)という言葉があります。つまり患者さんには、それぞれの物語があるということですね。その患者さんが、なぜこんなに歯がボロボロになるまで歯医者に来なかったのかには、理由があるのです。例えば小さい頃に痛い思いをして、歯医者に行くのが怖くなったとか。そういうことを、精神的なケアをせずにただ歯だけを治療しても、いずれまた同じことになってしまうんですね。ですからまずカウンセラーがカウンセリングをして、単に症状を尋ねるのではなく、患者さんが何を求めているのか、本当は何をしてほしいのか。歯を治療して、どのような生活を送りたいのかなどを聞くようにしています。

医院のコンセプトを教えてください。

「100年間、輝き続ける歯科医院でありたい」というのが当院のコンセプトです。100年続けるためにはどうすれば良いのか。良い医療、良い歯医者って何だろうってよく考えるんです。いろいろあると思うのですが、私はできるだけ多くの人を、歯科医療を通じて幸せにしてあげることだと思うんです。そうするためには規模を大きくするか、長く続けるしかないのですが、私はこの医院を長く続けることで、患者さんが歯のことで困った時に、いつでもここに来れば治療をうけられるようにする。そして、できるだけたくさんの患者さんの治療をしたいと思っているんです。それに長くやれば、それだけ多くのスタッフと出会えたり、後進の育成もできたり、みんなで良い人生を送る、幸せな人生を送れる。そういうことを一緒に学ぶ場所にしたいんです。その一区切りが100年だと思っています。

歯科医師になられて忘れられないエピソードはありますか?

阿南治院長 阿南歯科4

勤務医の時の話ですが、最初は義歯が専門だったんですね。まだ学校を卒業して数年で、今思えば知識や技術もまだまだでした。ある患者さんがいらして、今の入れ歯の調子が悪いのでつくりかえてほしいということだったんです。その頃にちょうど、つくりかえるよりも今の入れ歯を改造したほうが良いという技術があって、私も聞きかじっていたんですね。それでまずは改造しましょうということで行ったのですが、知識も経験も浅かったので、逆にもっと悪化してしまったんです。それで元に戻してくれって言われたんですけど、元にも戻せない。患者さんは怒って、もういいからってこなくなっちゃって。それがすごいショックで。それからは、全国の名医と呼ばれる先生のところへ行って、必死になって勉強しました。苦い経験ではありますが、歯科医師としての転機になった出来事ですね。

自分だけではなく人が喜んでくれることが楽しい

先生は、なぜ歯科医師になられたのですか?

阿南治院長 阿南歯科5

うちは祖父や父も医師ですし、4代くらいずっと医師の家計なんです。祖父は九州で馬に乗って往診に行っていたと聞いています。村だったので歯も含めてなんでも診ていたらしいですね。その流れで親戚にも医師が多く、医師や歯科医師になるのが当たり前みたいな感じでしたし、あまり抵抗もありませんでした。ただ音楽もやっていたのでミュージシャンにも憧れていたこともありました。友達にプロのミュージシャンがいるので相談してみたりもしましたが、お前は歯科医師の方が良いって説得されて。その彼とは親友で、今でもたまに一緒に演奏したりします。

歯科医師としてご経験を積まれて、どう思われますか?

今はすごく幸せですよ。今でも、もちろん勉強を続けていますし、自分の知識や技術を高めて、それを患者さんに提供できる、還元できることが幸せです。初めは3名だったスタッフが今は22名になって、仲間がたくさんできました。いろいろな人と関わって、仕事の楽しさを共有できる。そして人が育っていって、自分のことだけではなく、人が喜んでくれるということの良さや楽しさが少しずつわかってきました。スタッフにも豊かで楽しい人生を送ってほしいですし、それが患者さんに広がっていけば良いと思っています。

今後の展望とメッセージをお願いします。

阿南治院長 阿南歯科6

来年からは、訪問診療を始めたいと考えています。これまでに私がインプラントをした患者さんもいますが、その人たちが高齢になって通院できなくなったらどうするんだって、ずっと考えていたんです。訪問診療を始めれば、自分が診ていた患者さんが、例えば寝たきりになっても最後まで診ることができるようになります。それと歯科は、怖いとかにおいが嫌とかのイメージがあるかもしれません。うちの場合は、最初はカウンセラーが、患者さんの本当の悩みや希望を聞きますので、その時に思っていることや不安なことを全部言ってください。それに沿って治療計画を立てていきますから、不安に思わずに、一度相談に来ていただければと思います。

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