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伊藤 高史 院長の独自取材記事

いとう内科循環器科

(我孫子市/我孫子駅)

最終更新日:2021/10/12

伊藤高史院長 いとう内科循環器科 main

JR常磐線我孫子駅北口ロータリーに面したビルの3階にあるのが「医療法人社団樹和会 いとう内科循環器科」だ。ここは2002年に東京慈恵会医科大学心臓血管外科教授や東京慈恵会医科大学附属柏病院副院長などを務めた堀越茂樹先生が開業したクリニックだったが、2012年からは、同大学出身の伊藤高史先生が継承する形で院長に就任。2014年からは名称も変更している。伊藤先生は、循環器を専門としており、特に心臓カテーテル治療の研究、臨床の経験実績を持つ。出身の大学病院の近くで開業したいと考えていた頃に、丁度堀越先生からクリニック継承の話があり、この好機をぜひ生かしたいと静岡から単身赴任し、院長に就任したという。そんな伊藤院長に診療の特徴や循環器内科医療にかける思いを聞いた。

(取材日2016年5月24日)

恩師の先代の志を継いで地域に根差した内科医療を提供

先代のクリニックを継承したと伺っておりますが、その経緯を教えてください。

伊藤高史院長 いとう内科循環器科1

このクリニックは私の恩師でもある東京慈恵会医科大学の堀越茂樹先生が、2002年に開業しました。以来、循環器疾患を中心に診てこられましたが、10年くらいで誰かに譲りたいとお考えだったようです。私自身、そろそろ開業を考えていた時期で、開業する際は出身の大学病院の近くで開業したいという思いがありました。というのもクリニックでの診療は病診連携が重要なので、大学病院とクリニック、お互い顔の見える関係で病診連携を図りたいと考えていたからです。当時は、静岡県にある三島中央病院循環器内科に勤めていましたが、月2回は、以前長く勤めていた東京慈恵会医科大学附属柏病院での診療も継続しておりました。ここは柏病院もすぐ近くですし、私の考えていた条件に合致しましたので、クリニックを継承させていただき、2012年から院長を務めております。

そもそも医師をめざされたのはどんなきっかけだったのですか。

私の父は皮膚科医をしており、父の影響が大きいようです。幼稚園の頃、「将来は何になりたい?」と父に聞かれた時、私は「パパになりたい」と答えたそうです。で、その時、父は「パパではない、医者になるんだ」と返したと、後から母に聞きました(笑)。また、父が勤めていた病院に連れて行かれて、「カーテンの向こうで少し待ってろ」などと言われて、2~3時間、カーテン越しに父の診察の様子を見聞きしていたことも数回ありました。父にしてみれば、医師の仕事を見せたかったのかもしれませんね。小学校4年の頃には、将来は医師になると周りに話していました。すっかり父に誘導されたのかもしれませんね(笑)。

ふだん心がけていることはどんなことですか。

伊藤高史院長 いとう内科循環器科2

患者さんにわかりやすくお話して、ご自身の体の状態や病気についてよく理解してもらうよう努めています。患者さんが、私の話を理解しているかどうかは、顔を見れば大体わかります。「はい」とうなずいていても、本当は「?」ということも多いんですね。そんな場合は、言い方を変えたり、噛み砕いてお話したりしています。ご自身の病態について、なぜそうなったのか、その病態が続けば今後どんなことが起こりうるか、将来のために今何をしたらよいか、それらについてご自身に気付いていただいて、しっかり自己管理しながら治療に向き合っていただきたいのです。内科の治療は、将来何も起こらない、何も起こさせない、というのが基本です。患者さんご自身に病気についてご理解いただくことが、長く治療を継続させるためにも大切だと考えています。生活習慣の改善を指導する際も、なるべく具体的にイメージできるよう、丁寧にお話ししています。

大学病院の循環器内科外来と同程度の診療機能

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

伊藤高史院長 いとう内科循環器科3

風邪や発熱などといった一般的な内科疾患に加えて、循環器疾患については専門的な診療を行っている点です。また、地域のかかりつけ医として、何か体調不良が起きた時や心配ごとがある場合など、気軽に受診できるクリニックでありたいと考えています。循環器疾患に関しては、大学病院の循環器の外来と同等の検査機能を持っています。心臓の超音波検査や超音波による頸動脈の動脈硬化度検査、バイシクルエルゴメーターを使った負荷心電図検査などがあり、特に心臓に負担がかかると分泌されるホルモン、NT-proBNPをその場で迅速に測れる点は当クリニックの大きな特徴です。一般的なクリニックですと外部に血液検査分析を依頼するので時間がかかりますが、ここではほんの少しの血液量で15分程度で数値を知ることができます。結果については、チャート図をお見せしながら、心臓がどのような状態にあるかわかりやすくお話ししています。

簡易的な心臓の検査も行っているそうですが、どんな検査なのですか。

階段を上がった時に胸が苦しくなったり息切れしたりして、心臓に不安を感じている方も多いと思います。そんな方々に、気軽に心臓の状態を検査できるメニューをご用意しています。検査内容は、血圧、体重測定、心音聴診、下肢のむくみチェック、胸部レントゲン、心電図検査、心臓ホルモンNT-proBNP検査で、かかる時間は30分程度です。この検査は、ご自身の体の状態にまず気付いていただくことが大きな目的です。検査結果によっては、詳細な検査や治療が必要な場合もあります。逆に、階段を上がった時に胸が苦しくなっても、検査によって何も原因が見つからなければ、それは単に心肺機能の低下によるものと判断できます。ですから何か心臓に不安を感じることがある場合は、まずこの検査を受けていただければと思います。

地域連携はどのような体制になっていますか。

伊藤高史院長 いとう内科循環器科4

東京慈恵会医科大学附属柏病院や柏市立柏病院、日本医科大学千葉北総病院と病診連携をとっています。また、CTやMRIの検査が必要になった際は、東京慈恵会医科大学附属柏病院を紹介しており、放射線科でそれらの検査だけを行い、データを送ってもらい、こちらで検査結果について説明するというシステムをとっています。合理的な連携体制で、患者さんも大学病院で長い間待つこともなく迅速に検査を受けられます。

重篤な事態に陥らないためには一次予防が重要

これまでで何か心に残ったエピソードはございますか。

伊藤高史院長 いとう内科循環器科5

大学病院の勤務医時代、当直のある夜、胸痛を訴える患者さんが来られたので、検査を行ったのですが、検査データには何も出なかったのです。それで帰宅してもらったのですが、その後、心筋梗塞を発症されました。ご本人は、胸痛を「地獄に引き込まれるみたいだ」と表現されていらして、たいへん苦しかったのだと思います。その時、検査データだけに頼ってはいけない、自身の直観や患者さんの訴え方なども非常に重要であると改めて思いました。もう一つ心に残っていることは、東京慈恵会医科大学附属病院時代に診ていた患者さんが、いつ私がこちらへ帰ってくるのかと、折に触れてインターネットで検索していたそうです。それでここで開業したことをお知りになって、わざわざ来院してくださったこともあり、とてもうれしく思いました。

ところでお休みの日はどのようにお過ごしですか。

子どもが2人おりますので、休日は家族と一緒に過ごすことがほとんどです。実は上の子どもが今年から中学で、中学進学に合わせて家族で東京に戻ろうというのが当初の計画でした。ですが、このクリニックの継承・開業の話をいただいたので、先に私だけこちらに来て、約3年半単身赴任でした。ですから、今は家族と一緒に過ごすのがとても楽しいです。趣味はカメラで、風景写真をよく撮っています。静岡の三島にいた頃は、夜明けの富士山を撮影するため、真夜中に撮影ポイントに行って、ほかのカメラマンと一緒に日の出を待つことも多かったですね。

では最後に今後の展望をお願いいたします。

伊藤高史院長 いとう内科循環器科6

これからますます高齢化が進むと思います。この我孫子周辺にお住まいの方々も高齢化してきています。そんな中、医療費削減が言われていますが、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病態になってしまいますと、医療費もそれだけかかることになります。重篤な病気にならないための一次予防をどのようにしていくか、それが町医者としての大きな役割だと思っています。心臓疾患や糖尿病などの生活習慣病が気になる方はもちろん、ちょっとした体調不良を感じた方など、どうぞお気軽に受診していただければと思います。

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