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片岡 保朗 院長の独自取材記事

東有岡クリニック

(伊丹市/伊丹駅)

最終更新日:2022/09/14

片岡保朗院長 東有岡クリニック main

JR福知山線・伊丹駅東口より線路沿いに歩いて約3分の場所に「東有岡クリニック」はある。院長の片岡保朗先生は血液内科や消化器内科で経験を積み、日本内科学会総合内科専門医や日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医の資格を持つドクター。「もっと患者さんに寄り添った診療を行いたい」と、大学病院や明和病院などで研鑽を積み、2014年に開業した。優しい語り口で、丁寧な診療とわかりやすい説明を心がけ、「かかりつけ医としてどんな症状も気軽に相談してほしい」という片岡院長に、これまでの経験や診療への思いについてたっぷりと語ってもらった。

(取材日2020年1月30日)

どんな症状でも患者に寄り添う診療を

先生が内科の医師を志されたきっかけを教えてください。

片岡保朗院長 東有岡クリニック1

外科医師の父の背中を見て育ったので、最初は外科の医師をめざしていました。兵庫医科大学へ入学後、医療の勉強会を行うサークル活動に参加していたのですが、医療ボランティアで血液内科を訪問した時に、私と年齢が近い白血病患者さんやそのご家族の思いにふれ、治療法の研究やご家族のケアの大切さを感じて、それから内科に興味を持つようになりました。卒業試験の日に阪神・淡路大震災が起こり、父と災害医療ボランティアへ参加した時には、やはり外科にしようかと迷ったこともあったのですが、内科の先生からの誘いを受けて、血液内科へ入局。その後、大学院では骨髄移植などの研究を行いました。

勤務医としても長年ご経験を積まれたそうですね。

大学院修了後は、明和病院の消化器内科で、食欲不振や胸やけ、便秘や下痢などの日常的な問題解決から、食道、胃、大腸など良性腫瘍や悪性腫瘍の内視鏡治療などを数多く行いました。肝胆膵悪性腫瘍の場合は、他科と協力し化学療法など集学的な治療も行いました。私は血液内科を経験していたので、発熱の原因がわからない患者さんを担当することもありました。本来、白血病は血液データで診断がつきやすいのですが、中にはいろいろな検査をしてもなかなか原因がわからない患者さんもいて、微妙な白血球の変化が気になって再検査を行うと白血病と判明したことも。このように重病の初期段階から治療を開始できた患者さんもいらっしゃいました。

開業された経緯をお聞かせください。

片岡保朗院長 東有岡クリニック2

研修医の頃に、兵庫県立淡路病院(現・兵庫県立淡路医療センター)で半年間勤務したことがあったのですが、当直の際に小児科から救命救急までさまざまな診療を経験し「特別な病気だけではなく、どのような症状の患者さんも診療できるようにならなければ」と思ったことが、いつか開業しようと思った原点かもしれません。勤務医として10年ほどたった頃から、「患者さんに寄り添う医療を提供するために地域医療に貢献したい」と思うようになり、縁あって町名を冠した「東有岡クリニック」を2014年9月に引き継ぎ、開院しました。

診療で心がけていることは何ですか?

どのような症状でも丁寧な診療とわかりやすい説明を心がけています。風邪をはじめとする一般的な症状の中に隠れている重大な病気を見つけることも内科の役割だと思っています。そして、自分が患者さんの状態だったら、患者さんの家族ならどうするかを考えた診療や提案を行うようにしています。

重症につながる病気を見逃さない診療を追求

先生は「総合的な内科診療」を実践されているそうですが、それはどのようなものでしょうか。

片岡保朗院長 東有岡クリニック3

最近の医師は臓器や疾患専門に細分化しているので、どこを受診していいかわからない患者さんも増えていると思います。診断がつかない体重減少や食欲不振、不明熱、意識消失など全身的な問題や複数の病気を併せ持つ患者さんなど、「診ない病気はない」をモットーに総合的な内科診療を実践しています。特に、高齢の方は何となく調子が悪い場合でも脳梗塞などの重病が隠れている場合がありますから、重症の兆候を見逃さないためにも各種検査や適切な初期治療を行い、私が診療できないものについても責任を持って専門診療科へ紹介しています。

血液検査や内視鏡検査、超音波検査などで早期の診断や治療に力を入れているそうですね。

胃内視鏡と大腸内視鏡による検査で消化器系のがんの早期発見・早期治療に努め、大腸がんの発見や大腸ポリープの切除も行っています。患者さんの痛みや不快感が少ないように、経鼻内視鏡や鎮静下での内視鏡検査を行い、精神的にも身体的にも負担が少ない検査や治療を心がけています。また、早く診断して安心してもらえるよう炎症反応を診断するための血液検査や超音波検査も院内で行えるよう検査設備を整えています。病気を早期に発見し、重症化を未然に防ぐことは、医師としてやりがいを感じる部分でもあります。

どのような患者が来院されますか?

片岡保朗院長 東有岡クリニック4

赤ちゃんから高齢の方まで幅広いですね。生活習慣病の指導も行い、定期的に受診されている方もおられますし、抗がん剤治療や、B型肝炎、C型肝炎の治療の方もおられます。初期救急を行い高次医療機関へつなげられるような体制づくりも心がけています。また、企業の健診や特定健診などもしています。お母さんとお子さんなど若い世代のご家族の来院も増えています。赤ちゃんの予防接種も多いですね。接種回数は半年間で15回以上あり、推奨時期が定められているので、忘れないように予約をお勧めしています。期限が過ぎると自費になってしまいますし、赤ちゃんの免疫効果の減少が見込まれ、罹患した場合は重症化しやすいのできちんと受けていただければと思います。また、この地域の小児科は水曜休診が多いのでお子さんの急病で困らないように、現在、水曜の午後は小児科の医師に来てもらっています。

ホームドクターとして気軽に相談してほしい

外来診療に加え、訪問診療にも取り組まれているそうですね。

片岡保朗院長 東有岡クリニック5

午前と午後の診療時間の間に患者さんのお宅に伺っています。訪問診療では患者さんのケアはもちろんですが、ご家族の不安を和らげてあげたいと思っています。ご家族も高齢の方が増えており、さまざまな支援があることをご存じない場合が多く、精神的にも体力的にも抱え込んでしまっているので、ケアマネジャーや訪問看護師と連携して適切な支援に関する情報提供を行っています。患者さんのご家族が「こうすれば良かった」と後悔するとすべてが後悔になってしまうので、そうならないためにしっかりと話をお聞きして治療法を提案するように心がけています。例えば、患者さんが食べられなくなったら点滴がいいのか、胃ろうがいいのかご家族は悩まれると思うので、患者さんの状況によって私ならどうするかを伝えています。治療について迷われたときはなんでも相談してもらえればと思います。

院内処方を継続されていく方針とお聞きしました。

医薬分業が言われていますが、「院内処方を続けてほしい」と多くの患者さんからお声をいただいたことがありました。そういった理由もあり、わざわざ処方箋を薬局にお持ちいただかなくてもいいように、今後もできる限り続けていこうと思っています。

読者へのメッセージをお願いします。

片岡保朗院長 東有岡クリニック6

地域のホームドクターとして、内科全般の診療から看取りまで行っています。必要に応じて責任を持って高次医療機関を紹介し、連携しながら、総合的に患者さんを診ていきます。何となくだるい、調子が悪いなど、「こんなこと聞いていいのかな」「診てもらうほどではないかも」というような不調など少しでも不安があれば、重症を見逃さないためにも気軽に相談していただければと思います。

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