生涯自分の歯で噛む食生活を送るために
年代別 大人の矯正治療
ひさの矯正歯科
(世田谷区/千歳烏山駅)
最終更新日:2021/10/12
- 自由診療
ひと昔前までは子ども向けのイメージがある矯正治療だが、この十数年で大人と子どもの受診比率はほぼ同率になっているといわれている。それは審美目的である大人の矯正をはじめ、50代以降では中年期以降の歯に関するトラブルに関連した矯正治療の必要性が高まっている結果といえるだろう。そんな大人の矯正治療について、千歳烏山の「ひさの矯正歯科」の久野昌隆院長に詳しい話を聞いた。
(取材日2011年1月17日/情報更新日2019年5月29日)
目次
大人が矯正治療を受けるメリットと、治療をスタートする際の注意点とは?
- Q大人の矯正治療。年齢的にはどのように分けられますか?
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A
本来、矯正治療というのは子ども向けの治療がメインでしたが、ここ10〜20年で、大人の矯正治療に対するニーズが高まってきました。骨の成長が止まる時期は個人差がありますが、大人と子どもを分類する際、一般的には18歳以上か18歳未満という分け方をしています。18歳以上といっても幅広いので大ざっぱですが、年代別に20歳代くらいまでの青年期、30代〜40代の壮年期、50代〜64歳くらいまでの中年期、65歳以上の高年期と、4段階に分けられると思います。年代によって求めるものや矯正の目的も違ってくるので、その年代に合った治療を行います。矯正治療は、条件さえ整えば年齢に関係なく治療を始めることは可能です。
- Q世代ごとに矯正の目的が変わってくるのですか?
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A
青年期では口元の印象を変えたいという審美的な目的が主になっています。壮年期から中年期では審美的要求に加えて、噛み合わせや肩凝り、頭頸部の痛みなどを解消したいという方が多くいらっしゃいます。また、歯周病という観点からすれば、壮年期から中年期の方は歯周病にかかる時期が近づいている、あるいはすでに罹患しているということもありますので、矯正治療を行うことで歯並びが整い、歯をしっかり磨けるようになりますから、将来にわたるメンテナンスという点から治療を行うのも良いことだと思います。
- Q矯正治療を始めるにあたり、気をつけるべき点は何ですか?
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A
ケースによっては矯正治療がプラスに働くとは限りません。きちっとした検査、診断ができる矯正専門の歯科医師を受診することが大切です。原則として歯周病で歯茎に炎症がある状態や虫歯を放置したまま治療はスタートできませんので、まずは口の中の基礎疾患の治療を行うのが矯正治療の大前提。そして大人の矯正は、成長段階にあるお子さんの場合と違って、骨や臓器をはじめ、歯茎や顎関節など体がすべて出来上がった状態からスタートします。歯を動かすことで、これまで何もなかったところに骨ができます。大人は成長期の子どもと違い、適応のレベルが低くなっているので、このことをしっかり認識、納得した上で治療を始める必要があります。
- Q治療期間を短くする方法などはありますか?
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A
「インプラントアンカー」が挙げられると思います。これは歯が欠損した部位に一時的に歯科用のネジを骨に固定して、このネジを支点に歯を引っ張る方法です。従来の矯正は、歯と歯を支点に引っ張り合うため両方の歯が動いてしまい、動かしたい歯に直に力がかからないことがありましたが、インプラントアンカーは移動させたい歯だけを動かしやすいというわけです。そのほかの技術革新として、「チタンニッケルワイヤー」というやわらかいワイヤーが登場しました。昔の治療に比べて歯に優しく、治療期間の短縮化も図れますし、痛みも少ないため、子どもと比べて痛みを感じる傾向が強い大人の方には適した方法だと思います。
- Q高年期の人が矯正治療を受けるメリットはどこにありますか?
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A
キーワードは「咬合崩壊」という言葉ですね。高年期になると歯周病の進行や奥歯の抜歯などが原因となって、噛む力はあっても、その力を受け止める側の歯や歯茎の骨がどんどん弱くなっていくということが起こります。そうなると全体的な噛み合わせがつぶれてしまい、咬合崩壊と呼ばれる現象が起こります。咬合崩壊が起きると前歯の負担が増加し、上顎の前歯が前に傾斜して出てきたり、歯間に隙間が現れて噛み合わせが低くなる(深くなる)という症状が出てくるんです。咬合崩壊を防止する、あるいは食い止めて元の状態に回復するために、まずは歯周病の徹底的な治療とコントロールを行った上で、矯正治療を行います。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正(成人)/85万円、歯列矯正(子ども)/45万円、インプラントアンカーを用いた矯正/85万円