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小坂 喜太郎 院長の独自取材記事

コサカ小児科・糖尿病内科医院

(亀岡市/亀岡駅)

最終更新日:2023/06/09

小坂喜太郎院長 コサカ小児科・糖尿病内科医院 main

嵯峨野線亀岡駅から徒歩6分。ビルの2階に「コサカ小児科・糖尿病内科医院」はある。院長を務める小坂喜太郎先生は、日本糖尿病学会糖尿病専門医であり、ほかにも多分野の専門性を高めてきた経験豊富な医師だ。大学病院で、糖尿病や内分泌疾患を専門とした研究・治療にあたってきた経験を生かし、乳幼児から高齢者まで幅広い層の患者と向き合っている。患者思いで、温かく包容力のある口調が印象的な小坂院長に、専門分野である糖尿病治療についてや診療にかける思いを語ってもらった。

(2022年05月23日)

糖尿病や内分泌疾患と向き合う患者の、力になるために

まずは、先生のご経歴について聞かせてください。

小坂喜太郎院長 コサカ小児科・糖尿病内科医院1

私は1990年に京都府立医科大学を卒業後、同大学附属病院の小児科に入局しました。その5年後には同大学の大学院に進学。小児の1型糖尿病や内分泌疾患を専門とした臨床・研究に励みました。大学院修了後は2年間アメリカへ留学し、代謝性疾患の研究に明け暮れる日々に。現地の学術的な集まりにも多く参加しましたので、よりグローバルな考え方が身についたのではないでしょうか。帰国後は大学院で10年間教職に就いたのですが、この時期に糖尿病内科全般の知識を深め、糖尿病専門医の資格を取得しています。当時は並行して、肥満の外来も行っていたのですが、ここで食事療法や運動療法について知識を深めることができたのは、今の診療にもプラスになっています。その後、済生会京都府病院の小児科部長などを経て2019年に開業しました。今も大学で小児内分泌の外来を担当していますので、そこでの臨床経験は当院の患者さんにも還元していきたいですね。

こちらのクリニックの診療内容についても教えてください。

私が専門としている糖尿病や内分泌疾患の治療をメインに据えて、小児科や一般内科の診療にも対応しています。糖尿病に関してはもともと小児が専門で、今も京都中部総合医療センターから患者さんをご紹介いただきますが、教職時代に糖尿病専門医の資格を取りましたので、今はお子さんに限らず大人の方の診療にも対応しています。実際に来られる患者さんもお子さんから80代の高齢者まで幅広いのですが、やはり大人の方が多いですね。中でも特定健診で異常が見られたという方や、糖尿病と診断された後、地元に帰ってきて通院をされている方が多い印象です。

先生が糖尿病や内分泌疾患に着目されたきっかけは、どんなことですか?

小坂喜太郎院長 コサカ小児科・糖尿病内科医院2

研修医時代に、糖尿病や内分泌疾患のお子さんを診る機会があったんです。そんな中、1型糖尿病の子どもたちが集まり数日生活をともにする、小児糖尿病サマーキャンプに参加したのが一つのきっかけになったと思います。そこでは、子どもたちが自分でインスリンを打てるようになったり、顔つきまでも変わっていったりする様子を目の当たりにしました。まだ小さな子どもたちが、一生懸命に自分の疾患と向き合う姿を見た時に、「自分も何か手助けをしたい」と感じたんです。それと同時に、日本ではまだ糖尿病をカミングアウトしにくいという人も多いようですが、病気について当たり前のように語り合える社会になれば、もっと病気と共生しやすくなるのではと考えるようにもなりました。ちなみに、糖尿病の治療は今どんどん進歩していますので、インスリンポンプや血糖自己測定などを使えば、かなりコントロールが図れる時代になってきたと思います。

患者の性格や、気持ちに寄り添う糖尿病治療を提供

糖尿病治療における、先生の診療スタイルについて教えてください。

小坂喜太郎院長 コサカ小児科・糖尿病内科医院3

当院では、健診で異常が見つかったのを機に来られる方が多いのですが、検査結果のデータからその方に適した治療計画を立てることが重要です。その上で、食事療法や運動療法で対処できるようなら、まずは薬に頼らず食事指導・運動指導を中心とした治療をご提案します。とはいえ、長年続けてきた生活習慣を変えるのは難しいことですし、最初から大きな目標を掲げても長続きしません。患者さんのご性格やご要望もきちんと加味して、無理のない範囲で目標を立てながら、患者さんと一緒に頑張っていく姿勢を大切にしています。そしてうまく改善できたら、しっかりと認めて差し上げることも大切です。そうすれば、次のステップへ進む意欲も生まれるはずですから。一方で、症状が重い方には薬物療法も取り入れていきます。最近は糖尿病の薬も良くなっていますので、治療薬を適切に使って病状をコントロールし、合併症を引き起こさないよう管理していきたいですね。

糖尿病治療の中で、先生がめざしていらっしゃることは何ですか?

やはり合併症になる方をより減らしていきたい、ということですね。一人でも多くの方がQOLを下げずに、糖尿病のない人と同様に生活をしていけるようになることが、私の目標です。一般的には、HbA1cの値が7%を上回ると、神経障害や網膜症、腎症などの合併症リスクが高まるとされており、長引けばやがて失明や透析導入となる可能性も増していきます。糖尿病は自覚症状がほぼないまま進行しますので、健康診断をきちんと受けていただき、ご自身の血糖値など、健康状態を把握していただくことが重要です。また、メタボリックシンドロームが疑われる方には、特定健診を受けていただくこともお勧めします。糖尿病は、高齢者だけでなくお子さんにも発症する病気ですし、30代から合併症が現れる方も少なくありません。年齢問わず注意を払うことが大切です。

糖尿病の治療をしている人が、気をつけるべきことは何ですか?

小坂喜太郎院長 コサカ小児科・糖尿病内科医院4

できるだけ治療を中断しないことです。通院が難しい人の中にはお仕事をされている方もいますので、もちろん無理強いはできません。ですが、糖尿病を放置することで合併症のリスクが高まることも忘れないでいただけたら。特に薬物療法をしていた方が中断すると、治療を再開した際により合併症が現れやすいという報告もあります。一方で、生活習慣を改め、治療を続けることができれば、寛解(一時的に症状などが落ち着いた状態)まで進むことや薬物療法からの脱却が期待できるケースも。なので、当院では状態の良い患者さんは検査の間隔を空けるなど、定期的に通院しやすくなるような対応に努めています。また、中には通院を中断し生活習慣が戻ってしまったことを医師に怒られるのではないかと悩まれ、余計に受診しづらくなってしまう人もいるようです。そうした思いを抱えながらも来院してくださる勇気に、感謝する気持ちを持ち続けたいですね。

より患者のためになる診療を求め、さらなる自己研鑽も

先生は、小児科の診療もされていますよね。

小坂喜太郎院長 コサカ小児科・糖尿病内科医院5

はい。風邪などの内科症状や小児糖尿病、低身長、肥満、思春期早発症などのご相談が多いですね。私は小児科で30年以上診療を続けてきましたので、その経験を生かして親御さんの不安やご希望を察しながら、育児相談や栄養指導も行うようにしています。例えば、運動が嫌いなお子さんや夜寝るのが遅いお子さんに注意を促したり、おやつを食べすぎているお子さんには栄養についてアドバイスをしたりといった形です。また、お子さんの診療をきっかけに、親御さんの慢性疾患のご相談にも積極的に対応したいと考えています。何か思い当たることがあれば、気軽にご相談ください。

患者さんのために、漢方についても学ばれているとか。

もともと関心はあったのですが、新型コロナウイルスの流行を機に少し時間ができたので勉強を始めました。当院の診療にも取り入れ、希望される方に処方しています。漢方は症状をきちんと見極め、患者さん一人ひとりに合ったものを選択することで、より良い治療効果が期待できる点がとても興味深いですね。今では、オンラインでの講演会も増え、ますます学びを深める機会が増えました。これからも、漢方に限らず、自らの学びを患者さんに還元していきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをいただけますか。

小坂喜太郎院長 コサカ小児科・糖尿病内科医院6

京都府は平均寿命が高い地域といわれていますが、健康寿命となると高いとは言いにくい状況です。地域の方が末永く健康で、楽しく過ごせるようお手伝いができたらと思います。そのためには、健診を通して、ご自身の健康状態を把握していただくことが大切です。些細なことでも気になる点があれば、早めに医療機関に診てもらいましょう。また、私は亀岡市医師会で糖尿病の重症化予防の係もしていますので、地域の糖尿病患者さんから透析導入に移行される方を少しでも減らしていけたら。当院では食事指導・運動指導に力を入れていますので、生活習慣の改善にお悩みの方は気軽にご相談ください。

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