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漢方で子どもの不調や体質にアプローチ
豊富な飲ませ方で服薬指導

さかざきこどもクリニック

(大阪市西区/九条駅)

最終更新日:2021/10/12

さかざきこどもクリニック 漢方で子どもの不調や体質にアプローチ 豊富な飲ませ方で服薬指導 さかざきこどもクリニック 漢方で子どもの不調や体質にアプローチ 豊富な飲ませ方で服薬指導
  • 保険診療

「漢方薬」「東洋医学」と聞くと、味や匂いなど、飲みにくいというイメージを抱く人も多いのでは? ましてや「小児漢方」となると、子どもは飲めないのではないかと感じてしまう。大阪市西区にある「さかざきこどもクリニック」では、西洋薬でなかなか効果が出ない場合や、効く薬がない場合に、漢方薬を処方している。また同院では、小児への漢方薬の飲ませ方の工夫に力を入れており、院長である坂崎弘美先生やスタッフ全員で試して服薬を指導。院長は、子どもへの漢方薬の飲ませ方と、処方をチャート形式で紹介する本も出版している。「漢方を知ってから診療の幅が広がった」と話す坂﨑院長に、西洋薬と漢方薬の違いやメリット、飲ませ方の工夫などについて話を聞いた。

(取材日2017年7月27日)

西洋医学と東洋医学を融合し、子どもの体質に合わせて漢方薬を処方

Q漢方処方までの流れ、漢方薬と西洋薬の違いを教えてください。
A
さかざきこどもクリニック ピンクの診察室でしっかり話を聞いてくれる

▲ピンクの診察室でしっかり話を聞いてくれる

まずは西洋医学的に診察や検査を行います。そこで、西洋薬で改善されない場合や効く薬がない場合に漢方薬を処方します。漢方薬は、病名がつかない場合でも、それぞれの症状に対して処方することができるんです。西洋薬は有効成分が1つだけですが、漢方薬は複数の成分を含むことが特徴です。例えば、葛根湯には7つの成分が含まれていますが、風邪だけでなくじんましんや肩こり、結膜炎に効くこともあるんですよ。そのため、漢方薬を飲んだことで他の症状も改善する場合もあります。成分の組み合わせで、さまざまな効果が期待でき、いろいろな症状に対応できるのです。

Q小児漢方の安全性や、服用するメリットを聞かせてください。
A
さかざきこどもクリニック 漢方に関する資料も用いて説明

▲漢方に関する資料も用いて説明

小さい子は病歴が短いので、漢方薬の効き目が現れやすい傾向にあります。どんな薬にも副作用(副反応)は存在しますが、西洋薬に比べて頻度は少ないと言われ、さらに子どもは比較的、副作用が出にくいと感じます。例えば、頻繁に扁桃炎に罹患するお子さんの場合、西洋医学的には感染するたびに抗生剤を処方するだけですが、漢方薬では免疫を上げて体質改善を行うことで、感染しにくくなり、かつ炎症を鎮めることが期待できます。約150種類の漢方薬が保険適用で、薬の組み合わせは無限です。1つの薬が合わなくても、次々と処方を考えることができます。虚弱体質や夜泣きなど、西洋医学ではどうすることもできない疾患にも対応できます。

Qどういう子どもが漢方処方に適していますか。
A
さかざきこどもクリニック 院長は漢方薬が大好きだ

▲院長は漢方薬が大好きだ

西洋医学的には「どこも悪くない」とされる患者さんに適しています。例えば、腹痛や頭痛を訴えていて、検査では悪いところはなく、様子をみましょうとなることがあります。それでもお子さんは本当に痛いと感じています。そういう場合は、おなかの痛み、頭の痛みに対して漢方薬を処方することができるんです。西洋医学には、体を冷やす、乾かす薬が多いんですが、漢方薬には潤す、温めるといった作用のある薬がたくさんあります。渇いた咳をしている子に西洋薬を与えると、痰が出にくくなったりするんですが、漢方薬ですと潤わせることで痰が出やすくなるといったこともあります。

Q苦い漢方薬を、子どもへどうやって飲ませればいいでしょうか。
A
さかざきこどもクリニック 漢方の飲ませ方を母親と一緒に工夫する

▲漢方の飲ませ方を母親と一緒に工夫する

基本的にエキス剤で処方しています。最初に服薬する時点で嫌な思いをすると、次から子どもは飲んでくれなくなるので、飲ませ方は詳しく説明します。シロップやジュース、アイスクリーム、練乳などに混ぜて飲んでもらうことが多いのですが、ハンバーグやカレーライス、味噌汁などに混ぜても構いません。風邪など一般的に漢方薬は食前と言われますが、食後でも食間でも、いつ飲んでもかまいません。最初は、量や飲み方、飲む時間なども、子どもが一番飲みやすいように工夫してもらうことが大切です。どうしてもエキス剤で飲めない場合は、錠剤もありますのでご相談ください。

Q子どもへ漢方を飲ませるのにどんな工夫をしていますか。
A
さかざきこどもクリニック 小児科の医師から反響が高かった本

▲小児科の医師から反響が高かった本

私自身や家族で試したり、院内スタッフと休憩室で実際に作ってみてレシピを作成しています。甘いものや料理に混ぜるだけでなく、漢方薬を混ぜて作ったクッキーや生チョコでも服用できます。また、処方した子の親御さんから、飲ませ方やレシピを教えてもらうことも多いんです。飲ませ方はリーフレットにして渡しますし、待合室にも貼り出しています。たくさんのお子さんに漢方薬を飲んでもらいたいという思いから、お子さんへの漢方薬の飲ませ方を紹介した本も出版しました。最初は何かに混ぜないと飲めないお子さんが多いのですが、そのうち慣れて、ほとんどのお子さんが、漢方薬をそのまま服用できるようになっています。

ドクターからのメッセージ

坂崎 弘美院長

漢方を取り入れて約10年になりますが、それまでは私自身、「漢方薬なんて効かない、子どもが飲めるはずがない」と偏見をもっていました。ところが実際はとても良く効いて、多くのお子さんが飲むことができるんです。漢方薬を処方することによって、診療の幅が広がり、保護者の方とのコミュニケーションも広がりました。また、特にお母さんはいろいろとストレスを抱えている方が多く、そんな場合にも漢方薬が有効です。お母さんが不調だとお子さんも元気になりません。漢方薬で、ご家族全員を元気にしたいと考えています。どんな些細な症状でも構いませんので、遠慮なく何でも気軽にご相談ください。

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