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吉田 裕彦 院長の独自取材記事

吉田クリニック

(八尾市/高安駅)

最終更新日:2021/10/12

吉田裕彦院長 吉田クリニック main

近鉄大阪線の高安駅から徒歩3分の場所にある「吉田クリニック」は、1999年に開業。内科・消化器内科・リハビリテーション科を標榜している。常に自然体で患者に接する吉田裕彦(よしだ・やすひこ)院長は、同クリニック内での診療可否を見極め、“患者さんの不安を取り除く”ことを自らの仕事と言い、病診連携に注力。症状に応じて行う大学病院、総合病院等への紹介は、患者が納得できるよう希望を最大限考慮し、対応することをモットーとしている。患者のニーズに応え続ける吉田院長に、病診連携の取り組み、患者に接する際の心がけ、訪問診療や介護サービス、地域医療に対する開業医の役割など幅広く話を聞いた。

(取材日2018年5月15日)

地域のかかりつけ医として、病診連携の窓口に

専門は消化器内科と伺いました。

吉田裕彦院長 吉田クリニック1

慢性疾患のある高齢患者さんを中心に、冬ならインフルエンザ、初夏は感染性胃腸炎など、季節性の疾患の患者さんが来てくださいます。特別にこの疾患に力を入れているというものはなくて、私が当クリニック内で診ることができる高血圧や糖尿病、高脂血症などの慢性疾患と、クリニック内では対応しきれない疾患を見極め、紹介することが大切な仕事。患者さんの話をよく聞き、症状に応じて大学病院や総合病院を紹介して治療の道筋をつくっていくことが重要だと考えています。例えば糖尿病であってもコントロール不良でしたら、一度病院を紹介し、適切にコントロールができるようになったら、また当クリニックで治療にあたるという流れも多いですね。

総合病院等との病診連携に力を入れていれてらっしゃるのですね。

なるべく患者さんのご希望に沿えるように、ニーズに合わせて紹介しています。私がこの病院のこの先生がいいと紹介しても、患者さんが納得していなければ結局、通院せず治療が進まないなどの問題が起こります。「ここの病院にかかりたい」など患者さんの話をよく聞き受け入れた上で、最善の道筋を示せるようにしています。当クリニックでも胃カメラは用意しているのですが、最近は鎮静剤を点滴しながら、あまり意識がない状態で受けられる胃カメラを希望される方が多いんです。当クリニックは喉の局所麻酔のみですので、より楽に検査を受けたい方には対応可能な病院をご紹介しています。患者さんが望む診療の道筋を立て、納得してもらえることが最重要だと考えています。

最近、患者が増えてきた疾患などはありますか。

吉田裕彦院長 吉田クリニック2

糖尿病は健康診断での拾い上げがしっかりできているので、予備軍を含めて患者数が増えている印象があります。心療内科領域の患者さんも、増加傾向にあると考えています。最近は認知症の疑いの患者さんも多いため、患者さんと話をしていて認知症の疑いを感じた場合は、近くの認知症疾患医療センターでさまざまなテストやMRI検査で診断をつけてもらうことも可能です。もちろんこの場合には患者ご本人にお話をしてもなかなか受診してくれませんから、ご家族の方にお伝えすることが必要です。この診断をもとに、また当クリニックで経過をみながら、何かあれば再度、認知症疾患医療センターで診断を受けていただいて、またそれをもとに私が引き受けるといった形です。

会話と説明を大切に。患者と正面から向き合う

患者さんに接する際に心がけていることはありますか。

吉田裕彦院長 吉田クリニック3

話をよく聞くということ、そしてきちんと説明することですね。昔、患者さんが不安そうな表情で帰られるところを目にしてから、「なぜ気づかなかったのか」と強く後悔しました。それから、きちんと説明することが大事だと肝に銘じています。そういったことの積み重ねが今の診療スタイルになっていると思います。開業時、クリニックの設計に関してこだわりはなかったのですが、診察室だけは患者さんと正面を向いて話せるように対面式にしました。

注力されている診療はありますか。

“地域のかかりつけ医”ですから、特別に力を入れているというものはありません。私は一般開業医として、自分ができること、できないことを仕分けて、できることは当クリニックで、できないことはその道筋をつけていくのが仕事だと考えています。近年は舌下免疫療法や禁煙治療、爪水虫などさまざまな治療も可能ですし、日本東洋医学会認定の漢方専門医の資格を取ったのも、すべて患者さんのニーズに応えるために始めたもの。舌下免疫療法は当クリニックの看護師にアレルギーがあり試しに取り入れてみたことをきっかけに続けており、爪水虫治療は罹患した方のために始めたんです。そうした患者さんのニーズがあって初めて取り組んでいるものばかりなんですよ。

訪問診療、介護サービスも行われていると伺いました。

吉田裕彦院長 吉田クリニック4

以前は何軒かの施設にも伺っていましたが、現在は患者さんのご自宅に伺う訪問診療のみです。これまで当クリニックにかかってくださっていた患者さんを中心に、週1回程度、訪問診療に時間をあてています。介護サービスは、開業から5年間くらいたった頃から、そのニーズを感じ始めたんです。ケアマネジャーがいて訪問介護があって、デイサービスがあればいいなということで、高安駅の反対側にその施設を立ち上げました。施設立ち上げ前までは当クリニック内でデイケアサービスを提供していたのですが、現在そのスペースはリハビリテーション室としています。整形外科ではないので理学療法士はいませんし、本格的なリハビリ施設というわけではなく、慢性的な腰痛などの電気治療ができるスペースです。

ケアマネジャーとも連携、地域医療への取組みも積極的

地域医療への取り組みを教えてください。

吉田裕彦院長 吉田クリニック5

また認知症疾患医療センターとの連携もそうですが、当医療法人の介護サービス以外のケアマネジャーさんとも連携して患者さんの情報を共有しています。また開業2~3年目くらいから学校医もやらせていただき、現在も小学校から高校まで担当しています。お隣にある小児クリニックの先生とは校医でご一緒させていただいたり、私は医師会の仕事もしておりますが、最近は学校医を受けてくれる先生が減っているので、そこは少し危惧しているところです。

今後の展望を教えてください。

医師である娘たちが当クリニックを継いでくれる気持ちがあるので、一緒にできるようになったら、もう少し診療に力を入れられるといいなと思っています。そのためには娘の希望どおり、紙のカルテを廃止して電子カルテにしないといけません。私にできるかな(笑)? 今は日々の診療のほかにも医師会の仕事、商店街の仕事などさまざまなことをしているので、診療だけをやりたい気持ちが強くなってきているんです。あと現在は患者さんがやってきて、私がわからないことなど困った時や患者さんのニーズに応じて勉強するような状態。自分で選択した知識を上積みできているわけではないけれど、無理はしないでこれまでどおり自然体でやっていければ。それがモットーですね。

読者へのメッセージをお願いいたします。

吉田裕彦院長 吉田クリニック6

自分に合った、信頼できるかかりつけ医をぜひ見つけてほしいですね。日本は幸いなことに医療制度が整っていますので、自分のかかりたいクリニックに行くことができます。しっかり話を聞いて患者さんの希望に沿う医師がいいという人も、「こうしなければならない」と強く治療方針を提示してくれる医師がいいという人もいる。こればかりは感性ですので、ご自身に合う人を探してみてはいかがでしょうか。私は幅広く対応していますから、気になることがあったらまずは何でも相談しに来てほしいですね。そして来院して、自分に合うなと思ったら継続して来てくれればうれしいです。できる範囲のことはここで対応し、できないことであれば治療の道筋をつくるべく、責任を持って適切な病院を紹介させていただきます。

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