大賀 栄次郎 院長の独自取材記事
大賀内科クリニック
(世田谷区/仙川駅)
最終更新日:2025/01/23

世田谷区上祖師谷の住宅地に位置する「大賀内科クリニック」。バス通りから1本入った坂を上ると看板が見えてくる。同クリニックは、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本内科学会認定総合内科専門医である大賀栄次郎院長が2004年に開業した。クリニック1階が診療室、2階が検査室になっており、「子どもからお年寄りまで幅広く適切な診療を施すこと」をモットーに、内科・呼吸器内科・小児科の診療に対応し、地域住民の健康を支えている。2020年からはオンライン診療をスタートし、「デジタル化が進む中、オンライン診療というスタイルでも地域医療に貢献していきたいですね」と語る大賀院長に、診療の特徴やオンライン診療、今後の展望などについて聞いた。
(取材日2024年9月24日)
父のクリニックを受け継ぎ、2004年に開業
2004年に開業されたのですね。どのような患者さんがいらっしゃいますか?

もともとこのクリニックは、父が60年前くらいに自宅の一部を改装して開業したのです。父は消化器が専門で、当時は「大賀胃腸科内科」という名称でした。私は群馬大学医学部卒業後、東京大学大学院医学系研究科を修了。その後、都立駒込病院、東京大学医学部附属病院に勤務していたのですが、地元に戻って地域医療に貢献したいと思い、2003年から「大賀胃腸科内科」に勤務し父とともに診療していました。2004年に「大賀内科クリニック」に名称を変更した後も、しばらく父と二診体制で診察していたのですが、2019年に父が他界。以後、ドクターは私1人の体制です。患者さんは、赤ちゃんからご高齢の方まで幅広いですね。割合的には、50〜60代の方、80歳以上の方の来院が多く、風邪、気管支喘息、COPD、高血圧、脂質異常症、糖尿病、痛風、睡眠時無呼吸症候群など幅広い疾患に対応しています。
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本内科学会認定総合内科専門医でいらっしゃるのですね。
都立駒込病院に研修医として勤務していた頃、指導してくださった先生が呼吸器専門で、喘息、重度の肺炎、肺出血、急性呼吸不全などさまざまな症例に携わることができ、非常に勉強になりました。その後東京大学医学部附属病院に勤務していた時は、群馬大学の先輩が老年病科にいらっしゃった関係で、呼吸器と老年病の両方を担当していました。老年病とは、加齢に伴い高齢者に多く見られる、医師の診察や介護・看護を必要とする症状や徴候の総称です。疾患をしっかり治すというよりは、患者さんに寄り添いながらQOL(生活の質)を高めていくことを目的とした診療が中心でした。東大病院に勤務していた1994年頃は、日本の高齢化は今ほど進んでいなかったのですが、その後急速に進み、今ではまさに必要とされる医療だと思います。
勤務医時代と比べて、開業後はどのような変化がありましたか?

大学院で呼吸器の研究を行ったり、さまざまな臨床経験を積んだりしてきた知識と経験を生かし、地域の皆さんのお役に立てることにやりがいを感じています。うちのようなクリニックは地域密着で、呼吸器疾患の患者さんはもちろんのこと、風邪をひいたり血圧が高めだったりなど、さまざまな患者さんがいらっしゃいます。一人ひとりの状態に応じて適切な診査・診断を心がけ、総合病院や大学病院に診てもらったほうがいいと判断した患者さんは適宜ご紹介するようにしています。現在は、通常の診療のほか、近くの介護老人保健施設、保育園の嘱託医としても活動しています。まさに地域密着ですね。保育園では0歳の赤ちゃんの健康チェックなども行いますが、接することでこちらが癒やされていますね(笑)。
オンライン診療も活用し、高い利便性をめざす
診療において心がけていることを教えてください。また、クリニックではどのような検査ができるのですか?

患者さんの年齢や症状により異なる部分もありますが、「適量の検査で適切な治療を行う」ということを心がけています。がむしゃらに検査をするのでなく、その人に必要な検査、必要な治療を行うことが大切だと思っています。初診の際は、問診に時間をかけてその方の主訴だけでなく、プラスアルファのお話を引き出すようにしています。定期的に通院していただく慢性疾患の患者さんには、お薬の量も適量の処方を心がけています。検査は、呼吸機能検査、呼気NO濃度測定検査など呼吸器の検査を中心に、エックス線、心電図、24時間ずっと心電図を記録できるホルター心電図、超音波、内視鏡などを取りそろえ、必要に応じて検査を行っています。
オンライン診療も行っておられるのですね。
当クリニックでは、2020年からオンライン診療をスタートしました。オンライン診療とは、スマートフォンやタブレットなどを用いて、予約から診療、決済までをインターネット上で行う方法です。新型コロナウイルス感染症が流行し始めた頃は、新型コロナウイルスに感染した方を多く診ていましたが、その後は慢性的な疾患の方が多くなっていますね。当院では高血圧・高尿酸血症・高脂血症などに対する処方、気管支喘息・COPDの吸入療法、睡眠時無呼吸症候群のCPAP療法の管理、禁煙指導など幅広く対応しています。「他院でこんな薬をもらったけれど、飲んでもよいのか」といった相談に応じたりもできますよ。オンライン診療は今後もさらに、診療の選択肢の一つとして活用されるべきしくみだと思います。
オンライン診療にはどのような利点を感じておられますか?

例えば、高尿酸血症の患者さんは定期的な経過観察や薬の処方をして、継続的に薬を服用しないと将来的に痛風発作が起きてしまったりしますが、自覚症状がない疾患ですから、通院する習慣がつきにくいこともあります。そうした慢性疾患の方の定期的な診療など、自宅からオンラインで受診できるなら利便性は高くなりますよね。特に働き盛りの方などは貴重な休日を潰してクリニックまで通うのも大変だと思います。予約料などもかかりませんので、お気軽にご利用、お問い合わせください。
地域に密着しながら患者のニーズに応えていく
医師をめざしたきっかけを教えてください。

先ほども申し上げましたが、父が自宅の一部で開業していましたこともあり、医師という職業は、小さい頃から身近でした。幼少期、父が診療している姿を見た記憶はないのですが、患者さんが当クリニックにたくさん足を運んでくださる光景を目の当たりにして、「医師というのはたくさんの人に頼りにされるいい仕事なのだな」と思いました。私は次男だったこともあり、父から「将来は医師になりなさい」と言われたことは一度もないのですが、気づいたら医学部をめざしていたという感じです。
理系一筋だったのですか? また、お忙しい日々の中、プライベートはどのようにお過ごしですか?
学生時代は、日本の人気小説家の作品を読んだり映画をつくったりなどが好きだったんです。高校時代は、8mm映画の自主制作もしていました。とりとめのない内容で人に見せられるようなものではないですが(笑)、クリエイティブな作業が好きでしたね。現在は、診療や嘱託医の仕事が忙しく、本を読んだりする時間もなかなかつくれないのですが、休日は、映画館に足を運んで好きな映画を見るなどしてリフレッシュしています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

これまでどおり、地域に密着した診療を継続しつつ、オンライン診療にも力を入れ、「継続的に薬を処方する場合はオンライン診療、検査がある場合は来院いただく」など、目的に応じて使い分けていただけるような体制をつくっていきたいと思います。お薬は、これまでは院内処方だったのですが、今後は近くの薬局での処方になります。住宅地の一角、わかりやすい場所にあるクリニックです。お越しいただいた患者さんと丁寧に向き合っていきたいと思います。気になることがありましたら、お気軽に足をお運びください。