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加藤 武史 院長の独自取材記事

かとう整形外科

(岡崎市/東岡崎駅)

最終更新日:2023/04/05

加藤武史院長 かとう整形外科 main

関節リウマチをはじめ整形外科全般の診療を行う「かとう整形外科」。日本リウマチ学会リウマチ専門医の加藤武史院長は、継続した治療で症状をコントロールし、リウマチ患者が支障なく日常生活を送れるようサポートしている。同院が開業した当時は、リウマチ治療が大きく進歩した時期でもあり、加藤院長は「初期段階で注射薬や服薬での治療を始められれば、リウマチ疾患のない方と遜色ない生活を送ることも望めます」と語る。診療を通して医師や看護師と意見を交わし、症状の改善に効果的とされる治療法が登場すれば積極的に取り入れるという加藤院長に、同院の特徴や診療にかける思いを聞いた。

(取材日2023年1月4日)

関節リウマチをはじめ整形外科疾患全般を専門的に診療

とても大きなクリニックですね。特徴を教えていただけますか?

加藤武史院長 かとう整形外科1

一番の特徴は、整形外科の中でもさまざまな専門分野の診療に対応できる体制を整えていることですね。私が専門とするリウマチ疾患をはじめ、脊椎疾患やスポーツ障害、手の外科などの診療に応じています。もちろん、捻挫など日常的なケガの診療も行っていますから、日常使いもでき、専門的なことも相談できるクリニックといえるでしょう。リハビリテーションにも力を入れていて、治療後の回復、お年寄りの健康維持・増進をサポートしています。また、診察で機器類を柔軟に活用しているのも特徴です。例えば診察時によく行うのが、エコー検査です。筋肉や軟部組織の状態や、動かしたときの患部の所見なども把握できるので、診療方針が立てやすいんです。最近だと、生理食塩水を主とする薬液を患部に注射して症状の改善を図る治療でもエコーが活躍しています。

どのような患者さんが受診されますか?

やはり一番多いのがリウマチの患者さんで、全体の約3割を占めています。リウマチは関節が腫れたり、骨が変形したりしてしまう病気です。昔は治らない病気といわれていましたが、当院を開業した頃に新しい注射薬と飲み薬が登場したことで治療が劇的に変わり、月1回程度の診察と薬物療法の継続で、症状のコントロールをめざせるようになりました。初期段階で治療を始められれば、リウマチ疾患のない方と比べても遜色ない生活を送ることが望めるようになっています。ですので、たとえリウマチと診断されても絶望しないでほしいですね。もちろん、リウマチ以外の相談も多いです。最近増えているのが骨粗しょう症の患者さんです。日本人は、欧米人に比べて骨密度が低いといわれていますので、気になる方は一度調べてみるといいと思います。

患者さんのさまざまな訴えに対応するために工夫されていることはありますか?

加藤武史院長 かとう整形外科2

2回目以降の診療は予約制にしています。少ない待ち時間で専門の先生にしっかり診てもらえる体制にしたいと考えました。一方、初診はいつ来ていただいても診療に応じています。初診は私が担当し、問診・検査の結果を踏まえて診断して、必要に応じて専門の医師に割り振ります。ただ、どうしても初診患者さんの待ち時間が長くなりがちだったため、初診体制を見直すことに。看護師があらかじめ問診票の内容確認を行ったり、クラークに電子カルテの記録をしてもらったり、人員を増やして効率化を図りました。おかげで、私自身診療に集中しやすくなりましたね。最近だと、朝8時30分から9時までを「朝処置枠」と設定しました。この枠の中で、お薬の処方やちょっとした傷の処置などに応じて通常診療に余裕を持たせています。

人との出会い、体験をきっかけに切り開いた専門家の道

医師を志した背景、整形外科を専門とされたきっかけは何だったのでしょうか?

加藤武史院長 かとう整形外科3

高校時代、精神科の医師が書いた本を読んで、医師を志すようになりました。なので、大学に入学した時点では精神科の医師になろうと思っていたんです。ただ、実習で思い描いていたイメージとの違いに気がつきました。そんなとき、ラクビーの練習中に膝の前十字靱帯を断裂してしまったんです。手術で名古屋大学の整形外科の先生にお世話になったことで、一時は整形外科、中でもスポーツ整形外科の道に進もうと考えていました。転機となったのが赴任先の長野赤十字病院での恩師との出会いでした。恩師はリウマチを専門としていて、一緒に働いてきたことで「自分もリウマチ専門の医師になろう」と思うようになったんです。その先生に出会わなければ、リウマチ専門の医師にはならなかったでしょう。

開業はいつ頃から考えていたのでしょうか?

実は、もともと開業はあまり考えていなかったんです。ただ、大学病院などでは、先生が曜日や時間ごとに違うなど、なかなか細かいところまで手が回らないなという感じはしていました。だんだんと「患者さんの細かなニーズに応えるには、自分で開業するしかないかな」と考えるようになり、開業に踏みきったというわけです。生まれも育ちも岡崎なので、開業するなら地元で、と考えました。

印象に残っているエピソードはありますか?

加藤武史院長 かとう整形外科4

以前、若くしてリウマチにかかってしまった女の子がいました。その時の治療は、印象に残っていますね。当時の彼女は高校生で、私が診させてもらった際には手の関節に変形が出ていて、新しい注射薬などを用いて懸命に治療しました。今では彼女、3人の子どもを育てるお母さんなんですよ。治療してきて本当に良かったと思っています。かつては若い子がリウマチになると結婚も妊娠も難しいといわれていましたが、今は違います。薬の副作用で感染症にかかりやすく、普通の人なら風邪で済むところが肺炎になってしまうなど、日常生活で注意を払わなければならない面もありますが、適切に治療すれば人生において何も諦める必要はなく、さらには薬の種類や量を減らしたり、薬を卒業できたりすることもめざせるということを知っていただきたいですね。

気になる症状があればすぐに受診を

医師やスタッフとはどのような関係を築いていらっしゃいますか?

加藤武史院長 かとう整形外科5

毎月各部署で実施する症例検討会に私も参加して、一緒に患者さんの治療方針を立てたり、他の医師とコミュニケーションを取ったりするようにしています。私が一人ひとりの診察に時間をかけすぎていると、看護師からは「早くしてください!」と注意されることもあります(笑)。でも看護師は私が気づかない細かいところに気づいてくれるんです。「足の爪が伸びているから切ってあげてもいいですか?」とかですね。リウマチケアや骨粗しょう症ケアの専門知識を持つ看護師も複数いて、最近だと栄養指導などでも活躍してくれています。また患者さんも、結婚を考えているとか妊娠を考えているなどプライベートなことを、私にはなかなか話しにくくても看護師さんには伝えてくれることがあるんです。看護師から共有された患者さんの声も踏まえて、診療方針を立てていきます。患者さんにとっても、私たち医師にとっても心強い存在です。

地域に根差したクリニックで専門的な診療を行う意義とは何だとお考えですか?

専門家が身近にいることで、適切な治療につなげやすくなり、その人の暮らしに寄り添った治療をよりこまやかに提供できることだと思います。例えば、かつてはあまり見られなかった高齢でリウマチを発症するケースが珍しくなくなってきています。ですのでリハビリを担当する理学療法士にも、リウマチの所見に目を配ってもらうなどアンテナを張ってもらっています。どんな病気も治療の進歩によってかつての「当たり前」が刷新されているからこそ、日常的に利用できるクリニックで病気の兆候をいち早く見つけ、専門家として適切にサポートしていくことが今まで以上に重要になってきていると感じます。

読者の方にメッセージをお願いします。

加藤武史院長 かとう整形外科6

女性はホルモンの関係上、リウマチや骨粗しょう症のリスクが高いといわれています。特に骨粗しょう症のリスクが高くなる40歳頃、出産後の方などは検査を受けてみましょう。リウマチは今はコントロールがめざせる病気です。とはいえ、まず最初の半年が勝負ですので、関節のこわばりや、腫れぼったいなどの症状があったらすぐに病院を受診してください。最近ではリウマチ治療のほかに、スポーツ障害に関する治療、手術、リハビリなどのアプローチの充実も図っています。スポーツに励む人たちの治療やリハビリに貢献できたらと思っています。その他、痛みやしびれといった症状が続いている場合は放置せず、まずは受診してみてください。症状には必ず原因があり、その原因を解明するのが私たち専門家の役割です。治療を続けていてもなかなか改善しない、異常がないといわれたといった場合も、気兼ねなくご相談ください。

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