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野村 竜司 院長の独自取材記事

野村クリニック

(海津市/石津駅)

最終更新日:2026/02/27

野村竜司院長 野村クリニック main

養老鉄道養老線・石津駅から徒歩3分、揖斐川が流れる自然豊かな地に「野村クリニック」はある。レンガ調の温かみある外観が印象的な同院は、2000年の開業以来、乳児から100歳を超える高齢者まで、幅広い世代の患者を受け入れてきた。院長の野村竜司先生は、呼吸器の専門家として多くの終末期患者の最期に寄り添ってきた経験を持つ。「迷ったら正直に」をモットーに、患者一人ひとりに真っすぐ向き合う診療を大切にしているという。来院した患者の年齢を問わず、「長く診ていく」という覚悟で診療に臨み、人生に伴走するかかりつけ医として地域に根差した医療を続けている野村院長に、診療への思いや患者との心に残るエピソードを聞いた。

(取材日2026年1月29日)

呼吸器科での経験が育んだ「迷ったら正直」という信念

まずは先生が医師の道に進まれたきっかけを教えてください。

野村竜司院長 野村クリニック1

父が歯科医師だったので、小学校の頃から漠然と後を継ぐものだと思っていました。いつか書いた作文でも「大人になったら歯医者になる」と言っていたほどです。ところが高校2年生の時、父から急に、別の道に進むよう勧められました。どうしようかと考えていた時、通っていた高校に医学部志望の同級生が多かったこともあり、医学部をめざすことにしました。呼吸器を専門にしたのは、実は今振り返ると不思議な巡り合わせでしたね。研修医の頃、消化器科と呼吸器科のどちらかを選ぶことになりましたが、どちらも興味があり、真剣に学びたいと思える分野でした。悩みに悩んで決められず、同期と二人で話し合い、最終的にはなんとあみだくじで決めたんです。最初はそのように決めた道でしたが、その後勤めた岐阜県立多治見病院で呼吸器科の医師が不足していた状況もあって、少しでも役に立てる道に進めて結果的に良かったと思っています。

呼吸器科ではどのようなご経験を積まれてきたのでしょうか。

呼吸器科では肺がんや結核など、完治が難しい疾患を多く診てきました。そのため、患者さんの最期に寄り添う機会がとても多かったんです。私にとって一番の財産は、やはり終末期の方々と深くお付き合いできたことだと思います。患者さんの人生を見守り、最後の最後はご家族にも向き合いながら、人生の終わりを支える。そういった経験を積み重ねてきました。抗がん剤治療のテクニックや結核治療の知識など、技術的な面ももちろん学びましたが、それ以上に終末期の患者さんとの関わりが、今の診療の土台になっていると感じています。「人生の終わりにどう向き合うかは、その人の生き方そのものにつながる」という思いが、あの頃から少しずつ芽生えていったように思います。

そうしたご経験の中で、診療において大切にされていることはありますか?

野村竜司院長 野村クリニック2

患者さんに正直に話すということを、何より大切にしています。実はかつて、研修医の1年目、2年目の頃は、「不安を与えてはいけない」と思うあまり、少し背伸びをして診療していました。自分の本音を隠しながら患者さんと向き合っていたのですが、それがとても苦しかったですね。研修医として少し経験を重ねた2年目の終わり頃から、「自分はまだ経験が浅い医者ですが」と、正直に伝えてみるようになりました。

人生の最期まで伴走し、真っすぐに向き合うという覚悟

患者さんに正直に話すというのは、具体的にどのようなことでしょうか?

野村竜司院長 野村クリニック3

例えば勤務医時代は肺がんの患者さんを多く診てきましたが、重篤な病気を本人に隠したまま治療を続けるというのは、やはり難しいものがあります。ご家族の気持ちも考えると、告知を決断するのは勇気がいることでしたが、実際に伝えると、患者さんから「言ってくれてありがとう」と感謝されることも多かったですね。ご家族も「そろそろ言わないといけないと思っていました」とほっとしたような表情で話されることがあり、正直であることが、結果的に患者さんやご家族の気持ちを軽くするのかもしれないと感じるようになりました。それ以来、「迷ったら正直に」というのが私のモットーです。隠していると心苦しく、どこか関係もぎくしゃくしてしまう。正直に伝えたほうが、私自身も患者さんも、フラットな気持ちで関係を築けると感じています。

かかりつけ医として、患者さんとどのような関係を築いていらっしゃいますか?

当院に来てくださった患者さんとは、若い方でもご高齢の方でも、基本的にその方の人生の最後まで診るつもりで向き合っています。薬を出すだけの「薬屋さんのような医者」にはなりたくないですね。患者さんの経過をきちんと見ていきたい、その方の人生に伴走していきたいという思いがあります。呼吸器科で多くの方の最期に立ち会ってきた経験から、元気なうちから人生の終わりについても考えながら過ごしている方のほうが、穏やかに最期を迎えられるのではないか、と感じるようになりました。患者さんの人生を「点」ではなく「線」で見ていく。それが、私の診療スタイルです。

これまでの診療の中で、印象に残っている出来事があれば教えてください。

野村竜司院長 野村クリニック4

勤務医時代に60歳くらいの会社経営者の方が肺がんになった時のことは、今でも強く心に残っています。告知を受けた後、その方は会社を閉め、財産を子どもたちに引き継いでいきました。そして人生の終わりに、子どもたちに「仲良くやれよ」と語りかけている姿を横で見ていて、「この方はかっこいいな」と心から思いました。また、40代の独身女性で、余命が限られていることをお伝えした時のことも印象に残っていますね。「退院して何かやりたいことはありますか?」と聞いたところ、「別に、今までどおりのことをやります」とおっしゃった。淡々と、でも毅然とした姿でした。そうした患者さんたちの生きざまにふれる中で、人の最期に寄り添うことの重みを教えていただいたように思います。患者さんから本当にたくさんのことを学ばせていただきました。

乳児から高齢者まで、まず相談できる存在でありたい

こちらのクリニックには、どのような患者さんがいらっしゃいますか?

野村竜司院長 野村クリニック5

本当に幅広く、乳児から100歳を超える方まで、さまざまな世代の患者さんがいらっしゃいます。基本的には、できる限りお断りせずに診ていく、という姿勢を大切にしています。開業当初は消化器科、呼吸器科、小児科などと掲げていた時期もありましたが、現在は「内科」とだけ表示しています。専門クリニックではないため、「腰が痛い」「転んでケガをした」といったご相談を受けることも少なくありません。先日も、インフルエンザで混み合っている中、軽度の外傷で来院された方がいらっしゃいました。混雑時はお待たせしてしまう場合もありますが、そのような中でも頼って来てくださったことを、ありがたく感じています。

長く患者さんと向き合う中で、先生が大切にしているスタンスや考え方を教えてください。

先ほども少しお話しましたが、患者さんを「点」ではなく「線」で診ていきたいという思いがあります。最近は働き方改革の影響もあり、病院では主治医チーム制が広がっていて、日によって担当医が変わることも多いですよね。でも私は、一人の患者さんをずっと診続けることを大切にしたいんです。「昨日この治療をしたから、今日はどうなっているか」という流れを見たい。その分、患者さんのことがいつも気になっていて、遠出の旅行もあまりしなくなりました。在宅の患者さんには、訪問看護と連携しながら対応しています。今は看護師さんに頻繁に訪問してもらい、私は月に1回伺う形で、連携しながら診療を続けています。そうした体制が整ってきたことは、本当にありがたいと感じています。

最後に地域の皆さんへの思いや、今後の展望についてお聞かせください。

野村竜司院長 野村クリニック6

この土地で生まれ育った縁を大切にしながら、頼ってもらえればお応えしていきたいと思っています。立派なことを言うのは苦手なんですが、正直なところ、忙しいけれど仕事は楽しいんです。乳児からご高齢の方まで、風邪からケガまで、気軽に相談していただける。そういうクリニックでありたいと思っています。「迷ったら正直」というのが私のモットーですが、それは患者さんに対してだけでなく、自分自身の生き方でもあります。来てくださった方とは、できる限り長くお付き合いしていきたい。人生の節目節目で頼りにしていただけるような、そんな存在でいられたらうれしいですね。

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