子どもがほしい夫婦に寄り添い
男性の不妊治療を親身にサポート
濵島泌尿器科クリニック
(鹿児島市/鹿児島中央駅)
最終更新日:2024/08/07
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保険改正に伴い、2022年4月1日から保険適用となった不妊治療。かつては不妊の主な原因は女性にあると考えられがちであったが、最近は風向きが変わってきているのだそう。男性不妊に対する認識も広まり、夫婦それぞれが不妊治療に取り組むケースも増えてきた。中には、結婚前に子どもを授かれる能力があるか調べるブライダルチェックを受ける男性もいるとか。「普通に夫婦生活をしているのに、1年以上妊娠に至らなければ不妊と考えていいでしょう。女性にとって高齢出産はリスクが高く、若い時期から夫婦で不妊治療に取り組むことの大切さを知っていただきたい」と語るのは、「濵島泌尿器科クリニック」の濵島寿充院長。今回、男性不妊の原因や治療などについて詳しく聞いた。
(取材日2022年4月6日)
目次
不妊治療に一歩踏み出せない男性の強い味方に
- Qまずは、男性不妊の原因についてお聞かせください。
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A
精液の中に精子がない無精子症の他、精子の数が少なかったり、精子に元気がなかったりと不妊の原因はさまざまです。射精障害の方や、パートナーとはできないなどプライベートな部分が関わってくる方もいらっしゃいます。妊孕性(にんようせい)という子どもをつくる能力に影響する疾患として、代表的なものに精索静脈瘤があります。精索静脈瘤があると精巣内温度上昇などにより精子をつくる能力や機能が低下します。そのため、保険適用で手術を行います。ちなみに、男女ともに妊娠は若ければ若いほうが望ましいです。不妊治療は2022年4月に保険適用となりましたが、男性は年齢制限はありませんが、女性は43歳未満の方が対象です。
- Q不妊の診断はどのように行われますか?
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A
結婚して普通に夫婦生活をしているのに、1年以上妊娠しなければ不妊の可能性が高いでしょう。そのため初診では夫婦生活のことなどもヒアリングします。男性側では「うまくいっている」と思っていても、隣でパートナーが首を横に振ることも少なくありません。詳しく伺うと、膣内に射精できていなかったり、性行為の途中で疲れてしまったりと、何らかの障害が見えてくることもあります。問診以外には、精巣の超音波検査の他、性腺刺激ホルモンや性ホルモンをチェックする血液検査、精液所見を診る精液検査なども実施します。精液検査は病院で受けていただけます。採取容器をお渡しして当院に後日持って来ていただくこともできます。
- Q夫婦ではどのように治療に取り組むべきでしょうか?
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A
まずはご夫婦ごとの不妊の原因を探った上で治療方針を決めます。大体3ヵ月を目安に治療計画を見直しながら進めていくのが一般的です。例えば、男性で精索静脈瘤がある方は手術をしますし、性行為に問題を抱えている方には勃起不全治療薬等の内服薬の処方やカウンセリングの提案など、自然妊娠が可能な状態になるようサポートします。自然妊娠が難しい場合、女性の分野になりますが人工授精や体外受精を行います。しかし、男性の不妊治療に対する意識はまだ低いようです。女性の高齢出産はリスクが高まることは知られていますが、男性も精子の質が落ちるといわれています。若い時期からご夫婦で不妊治療に向き合っていただけるとうれしいです。
- Q不妊治療は患者の負担が大きいイメージもありますよね。
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A
そうですね。特に女性は排卵調整や採卵など、身体的な負担が大きいのではないでしょうか。また、これまで不妊治療は自費診療でしたので、経済的な負担も大きかったと思います。しかし、2022年4月に保険診療の範囲が拡大し、不妊治療も対象となりました。その多くは女性の不妊に関する治療ですが、男性の場合はこれまで自費治療で行っていた無精子症の手術は、施設基準を満たしている施設で行う場合には保険が適用されます。不妊治療を目的とした勃起不全の治療薬の処方も保険適用となりました。治療への負担は軽減されてきていると感じています。
自由診療費用の目安
自由診療とはブライダルチェック/2100円〜2万3000円 精子DNA断片化指数検査(DFI検査)/1万1500円〜