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西山 徹 院長の独自取材記事

かつが整形外科クリニック

(高松市/香西駅)

最終更新日:2026/10/01

西山徹院長 かつが整形外科クリニック main

香西本町バス停から徒歩1分の場所にある「かつが整形外科クリニック」。院長の西山徹先生は、高知赤十字病院や近森病院などで整形外科診療にあたり、中でも手の外科を長年専門としてきた。また、欧米の施設で研鑽を重ね、整形外科の知見を深めてきた。そんな同院には、首、肩、腰、ひざなどの日常的な痛みの改善を求めて、幅広い年代の患者が訪れる。院内にはエックス線やMRI、骨密度測定などの検査機器をそろえ、可能な範囲で当日中に検査から治療まで進められるよう体制を整えている。「痛みで眠れなかった人に、ゆっくり休めるようになってほしいです」と、語る西山院長に、診療にかける思いや今後の展望などについて詳しく聞いた。

(取材日2026年9月3日)

「世の中の人のためになる仕事を」母の言葉が原点

まずは、先生が医師をめざした理由から教えてください。

西山徹院長 かつが整形外科クリニック1

一番は家族の影響ですね。子どもの頃から母に、「世の中の人に貢献できる仕事をしなさい」と、言われて育ちました。先に兄が医師になったこともあり、自然と私もその道を意識するようになりました。実は、若い頃は天文物理学や核物理学の世界に憧れていた時期もあったのですが、最終的には兄に背中を押される形で医学部へ進みました。父もかつては医師を志したものの、時代背景もあり他の道を選んだ人でしたので、息子たちが医師になったことを喜んでくれていたようです。

なぜ整形外科を専門に選ばれたのでしょうか?

実は私、もともとは人付き合いがそれほど得意なほうではないと思っていたんです。それで、患者さんと直接対話する臨床よりも、じっくりと探究する基礎医学のほうが自分には向いているのではないかと考え、長く脳の神経伝達物質や痛みのコントロールに関する研究に没頭していました。その後、研究室を離れるタイミングで、「痛み」という研究テーマを最も直接的に生かせる臨床の場はどこかと考え、整形外科を選びました。開業前は手の外科を専門としていましたが、勤務医時代には関節・脊椎・外傷と幅広く経験を積んできましたので、現在は整形外科全般を広く診させていただいています。

患者さんとの出会いから学んだ教訓などはありますか?

西山徹院長 かつが整形外科クリニック2

治療のタイミングを逃さないことです。勤務医時代、痛みを抱えたまま長く過ごされてきた方を診る機会が何度もありました。早い時期に適切な手を打てていれば、もっと早く元の生活に戻っていただけたのではないかと感じることが重なったんですね。手術をせずに済むケースももちろんあります。ただ、手術が必要な場合はその時期を見極めることで、その方の生活を守ることにつながることがあります。適切な時期に適切な手を打つ大切さを、現場で教わりました。

だからこそ、検査機器の充実にも力を入れていらっしゃるのですね。

そうですね。適切な診断が治療の第一歩だからです。今はドラッグストアでも薬は買えますので、原因がわからないまま痛み止めを飲むだけなら、医師がいなくても患者さん一人でできてしまいます。診断がついて初めて、投薬、注射、リハビリテーションといった、その方に適した治療法を提示できるのです。痛みを抱えて来院される方は、一刻も早く痛みから解放されたいと思っていらっしゃるでしょう。そこで当院では、MRIや骨密度測定、筋電計などの検査を、可能な範囲でその日のうちに行えるよう体制を整えました。勤務医の頃は、今日この検査をしたいと思っても、他の医師もいますので自由にはできません。開業してからは自分の判断で検査を進め、その日のうちに治療を始められるようになりました。「痛みで眠れない」という方に、受診したその日の夜にはゆっくりと体を休めていただきたいと思っています。

首、肩、腰、ひざなどの日常の痛みに幅広く向き合う

どのようなお悩みで来られる患者さんが多いのでしょうか?

西山徹院長 かつが整形外科クリニック3

整形外科ですので、基本は痛みで動けない、痛くて眠れないという方ですね。部位でいうと、首、肩、腰、ひざが多いです。特に肩の痛みで夜眠れない方が多いです。年代は、以前に調べたことがあるのですが、10代から90代まで、どの年代もほとんど同じくらいなんです。ただ、実際に院内でお見かけする人数としては、ご高齢の方が多くなりますね。

診療ではどのようなことを大切にされていますか?

患者さんによってご要望は千差万別です。なので、まずはお話をしっかり伺い、ご希望に沿った治療を組み立てることを基本にしています。ただ、中にはご家族や会社に勧められて来院され、ご自身でどうしたいか迷われている方もいらっしゃいます。そういうときは、まず「今、一番お困りのことは何ですか」と、優先順位を一緒に整理するところから始めます。急いで処置すべきなのかを一緒に見極めるのが私の役割だと思っています。

診察前に看護師さんが予診を行っているそうですね。

西山徹院長 かつが整形外科クリニック4

はい。整形外科は非常に多くの患者さんがおみえになります。事前に看護師が状況を聞き取っておくことで、私はその情報をもとに「今日はこういう状態ですね。では、こう進めましょう」という話からスタートできます。限られた診察時間を、重要な治療の判断や説明のために有効に使うための工夫だと、ご理解いただければと思います。

痛みに寄り添い、適切な診断で生活の質を守る

海外でも研鑽を積まれたそうですが、日本の医療について感じることはありますか?

西山徹院長 かつが整形外科クリニック5

欧米での経験を経て実感するのは、日本は専門的な医療に比較的早くかかれるということです。海外では専門の医師にかかるのに数ヵ月待ちということも珍しくありません。先日もイギリスに帰国予定の方が、「自国では専門家に会うまで3ヵ月かかるから、日本にいるうちに診てほしい」と、切実に訴えて来院されました。日本では、その日のうちに専門的な検査や治療を受けられるので、このスピード感は、痛みを抱える方にとっては大きな救いになると思います。また、待合室が社交場のようになることもあります。幼なじみや近所の方と世間話をすることで、不安な待ち時間が和らぎ、心が軽くなることもあると思います。地域の方がつらい思いをせずに過ごせる場であることも、地域医療の大事な一面ではないでしょうか。

今後、特に力を入れていきたいことは何でしょうか?

特に力を入れているのが、骨粗しょう症の予防と治療です。骨粗しょう症は、自覚症状といえば骨折で、症状が出た時にはもう骨折していることが多いです。部位によっては手術が必要になったり、日常生活の動作に支障が出たりします。特に女性は、閉経を境に骨密度が急激に低下しやすいので、更年期を過ぎたら一度は専門的な検査を受けていただきたいですね。当院ではDEXA法で骨密度を測定しています。ご自身の今の状態を知っておくことが大切です。一度しっかりデータを取れば、「次は4、5年後で大丈夫」「来年もう一度」といったように、次に測る時期の目安もつきます。骨密度検査を受けたらそのデータは手元に残しておいていただけたらと思います。

最後に、読者の方へアドバイスをお願いします。

西山徹院長 かつが整形外科クリニック6

ケガをしたら早めに受診してほしいということです。例えば、小さな切り傷でもすぐなら簡単な処置で済みますが、放置して化膿してからでは治療に時間がかかり、傷痕も残りやすくなります。もし捻挫だと思っていたものが骨折だった場合、数ヵ月後に「痛みが引かない」と受診した時には、すでに骨が変形して固まってしまっていることもあり得ます。特にお子さんの場合は骨が成長過程にあるため、変形を残さないためにも早期の正しい診断が不可欠です。「たかが捻挫、たかが傷」と自己判断せず、数日たっても痛みが引かないときは、早めに整形外科を受診していただきたいと思います。