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渡邊 丞 院長の独自取材記事

ロクト整形外科クリニック

(浦添市)

最終更新日:2021/10/12

渡邊丞院長 ロクト整形外科クリニック main

浦添市牧港にある「ロクト整形外科クリニック」。県内でも大規模とされるロクトグループの運営する本院だ。3階には体育館のように天井が高く、広々としたリハビリテーションフロアが併設されており、医師、看護師、理学療法士、トレーナー、管理栄養士など多業種連携で一人の患者の診療に取り組んでいる。渡邊丞院長は同院院長のみならずロクトグループの副理事長も務め、多くのスタッフを引っ張る人物。コミュニケーションを何よりも大切にし、率先してスタッフや患者に声をかけ、皆が笑顔で集うことのできるクリニックの運営にも努めている。今回はそんな渡邊院長に、自身の整形外科診療に携わる際のスタンスや、多くのスタッフを束ねる思いについて聞いた。

(取材日2021年2月9日)

開放感のある大規模なリハビリルームを併設

まず、こちらのクリニックの概要について教えてください。

渡邊丞院長 ロクト整形外科クリニック1

「ロクト整形外科クリニック」は、県内で高齢性疾患やスポーツ障害を中心に整形外科の診療を行うロクトグループの第一号のクリニックです。おかげさまでグループは2020年で開業20周年を迎え、今では県内外で5つのクリニックが開業しています。特徴としては、広いリハビリルームがあり、手術室を兼ね備えた入院施設もあることです。リハビリルームの天井の高さは体育館のようで、県内では類を見ない開放感になっているのではないかと思います。今は新型コロナウイルス感染症が流行する中なので、思うように外出できず筋力が低下してしまった高齢の方も多いと思いますが、こういった広い施設であれば、密を避けやすく、安心して来院していただけるのではないでしょうか。多種多様なマシンもそろえていますので、目的に沿ったリハビリをしてもらうことが可能です。

手術からリハビリまで一貫して診てもらえるのは心強いですね。

当院は人工膝関節置換術、膝関節鏡手術などの実施が全国的にみても多いクリニックだと思います。浦添総合病院とも連携を取って手術を行っており、件数が多い分、熟練した技術で携わることができていると思います。また、在籍する理学療法士や作業療法士の数もとても多いです。医師も足の治療を専門とする者、手の治療を専門とする者がおり、さらにはそれぞれの専門性が高い療法士と連携を取って治療させてもらうので、各患者さんのニーズに合わせたきめ細かな治療プログラムを組むことができます。それに加え、管理栄養士も在籍しているので、肥満の方や骨粗しょう症の方、あるいはアスリートの方なども栄養面からサポートさせていただくこともできます。

患者さんはどんな方が多いのでしょうか。

渡邊丞院長 ロクト整形外科クリニック2

高齢の患者さんが半分以上で、浦添市や宜野湾市、西原町などから通ってくださる方が多いです。最近は高齢で独居の方も増え、病院まで来る交通手段に苦労される方も多いので、リハビリを受けられる方限定にはなりますが、送迎バスサービスも行っております。浦添総合病院と病診連携を取っているため、術後リハビリを行うことができるクリニックとしても使っていただいております。また、沖縄はスポーツ人口がとても多い県で、シーズン前のキャンプなどに訪れるスポーツ選手が多くいらっしゃいます。当院はスポーツ外傷の治療にも力を入れており、多くのアスリートの方に利用いただいています。学校やスポーツクラブに当院の医師や理学療法士が出向いて、ケガをしないようなトレーニングに関する講演を行うこともあります。

多職種連携にて、一人の患者を支える

現在特に力を入れている治療はありますか?

渡邊丞院長 ロクト整形外科クリニック3

膝を中心とした関節疾患の外科治療はもちろんのこと、骨粗しょう症やケガ予防といった予防医療にも力を入れています。骨粗しょう症は痛みなどもなく症状として表に出ることは少ないのですが、放置しておくと骨折や寝たきりにつながる怖さがあります。当院では骨折しにくい体づくりを行うために、まず骨密度測定や採血で骨代謝マーカーを測定し、適切な診断を行います。その診断に基づいた治療で結果を出すためにスタッフ皆で治療方針を統一して取り組んでいます。あとは、スポーツ外傷治療にも取り組んでおり、試合や練習中にケガがあった場合、すぐに当院で検査や診断ができる環境を整えています。

先生のこれまでのご経歴を教えてください。

私は京都出身なんです。沖縄が好きで実は高校時代から沖縄に住んでいるので、もう人生の半分以上は沖縄にいます。もともとは理学療法士をめざしていて専門学校に通っていたんですが、実際に医療現場を研修で見させていただいた時、整形外科医はできることが多くとても魅力的に感じたんです。それで一念発起して医学部をめざしました。2010年に久留米大学医学部を卒業し、縁あってロクトグループで働かせていただくことになりました。上里智美理事長に手術の手ほどきを受けるなど、現場のことをいろいろ教えていただきました。今は「ロクト整形外科クリニック」の院長兼ロクトグループの副理事長もさせていただき、経営のことを教えていただいています。経営を担う者として当院だけでなく、各クリニックにも顔を出し、多くのスタッフとコミュニケーションを持つことが今は楽しいです。

グループ、クリニックを運営する上で心がけていることを教えてください。

渡邊丞院長 ロクト整形外科クリニック4

例えば当院はロクトグループの中では一番古いクリニックで、もう20年になります。年月がたつと、人的環境もシステムも流動性がなくなり、ともすればなれ合いが出てきてしまう面があります。私の役割は、常にスタッフに刺激を与えていける存在であることかなと考えており、グループのモットーも「前進あるのみ」とあるので、どんどん新しいものを生み出せる環境づくりは整えていきたいと考えています。グループでは高卒の新卒も多く採用しているのですが、彼らを見ていると1年ごとに成長して大人になっていくんです。働きながら成長してもらえる場所を提供するのも経営者としての大きな役目ではないかと思っていますし、医療で地域に還元したいという思いを多くのスタッフと実現したいので、人材育成にも力を入れたいと考えています。

地域の人が安心して通えるクリニックであり続けたい

先生が医師として大切にされていることは何でしょうか。

渡邊丞院長 ロクト整形外科クリニック5

せっかく地域密着の医療を行っているので、地元の人とのコミュニケーションは大切にしたいと考えています。最近は高齢で一人暮らしの方も増えてきました。当院はクリニックであると同時に高齢の方が交流を図る場でもあるのではないかと思うんです。来院してもらって、健康的に運動をして、みんなと話して楽しいと言って帰ってもらいたい。だからこそ、私自身もできるだけ患者さんに話しかけるなど、治療以外のふれあいにも重きを置きたいと考えています。20年間ずっと通ってくださっている患者さんもいますので、そういった方にもずっと信頼し続けてもらえるようなクリニックをめざしたいです。

地域のかかりつけ医であるために心がけていることはありますか。

当院は整形外科なので、さまざまな痛みや動きにくさを抱えて来院される方が多いです。その方たちに安心して通ってもらえる環境づくりには努めていきたいと考えています。例えば、リハビリに通われる方の送迎サービスもその一つです。そして整形外科疾患の回復をめざすためには、医師の力だけでなく、看護師、理学療法士、トレーナー、管理栄養士などさまざまな面からのサポートが必要になります。その方々に応じた個別の治療を組み立てることが重要です。多職種連携にて一人の患者を診ることができるのが当院の強みです。専門性が高く、経験豊富なスタッフが多く在籍していますので、整形外科の悩みを抱えておられる方は気軽に相談に来てもらえればと思います。

最後に、今後の目標や地域の方へのメッセージをお願いします。

渡邊丞院長 ロクト整形外科クリニック6

ロクトグループは県内に分院も増え、当院についても、ありがたいことに地域の方によく知ってもらえるクリニックに成長してきたのではないかと思います。整形外科は一度きりの診察ではなく、リハビリなどに通ってもらって長い付き合いになることもしばしばです。患者さんとの関係も深まることが多いのですが、そういった方にいつまでも満足度高く通ってもらえるよう、現状に満足することなく、スタッフとともに改善点はないかを探していくことができる存在であり続けたいなと考えています。

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