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塚本 尚哉 院長の独自取材記事

塚本眼科クリニック

(大阪市福島区/野田駅)

最終更新日:2023/01/27

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大阪は福島区にある「塚本眼科クリニック」は、1923年開院し今年100周年を迎える老舗医院だ。大阪環状線・野田駅から徒歩3分というアクセス至便な場所に位置し、連日多くの患者が来院する。歴史ある医院を継いだ4代目の塚本尚哉院長は、その看板におごることなく、常に感謝の気持ちを忘れず診療にあたっているという。特に白内障治療に力を入れ、日帰り手術にも対応する同クリニックでは、白内障への疑問や不安の解消を目的とした「白内障教室」も定期的に開催。患者やその家族はもちろん、すでに他院で手術を受けた人の参加も歓迎している。「目以外のこともなんでも相談してほしい」と、患者の健康を最優先に考える塚本院長に、クリニックの歩みや診療で心がけている点など、幅広く話を聞いた。

(取材日2018年5月7日/再取材2022年10月7日)

老舗眼科4代目院長の原動力は「感謝」

この度、創立100周年を迎えられると伺いました。

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「塚本眼科」は、1923年の開院から今年でちょうど100周年を迎えます。100年続く老舗眼科というと順風満帆だと思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありませんでした。初代はまだまだ薬や機器など医療設備が十分でない中で開院しましたし、2代目の祖父は満州に医師として派遣されて焼夷弾が降る戦時下でも診療し続けたそうです。1965年に継いだ3代目の父は阪神・淡路大震災で5階建ての自宅兼クリニックが崩れてしまい手術室を失いプレハブでの診療を余儀なくされ、私もまた、新型コロナウイルスという新たな病気に翻弄されました。歴史を積み重ねるというのは、簡単なことではありませんが、それでも地域の健康を守るという当院の使命は変わりません。今の時代でできることを精いっぱいやっていきたいと思っています。

院長が継承されてから20年がたつそうですね。

100分の20年ですから、まだまだですよ。当院は単なる継承といったかたちは取っていません。診療はそれぞれの院長のスタイルでやってきましたし、ずっと同じ場所にあったわけでもないんです。時代や患者さんのニーズに沿いながら福島区内において移転を3回ほど繰り返してきました。こちらの医院も2001年に私が父から引き継ぐ際に、近隣の老舗眼科医院に後継ぎがいないということで、手術室を持つこちらの医院を使わせていただけることになり、「塚本眼科クリニック」としてリニューアルオープンさせていただいたという経緯があります。ですから、育ってきている次の世代は、次の世代のやり方でやっていってくれればいいと、そう思っているんです。

これほど長く続けてこられた秘訣は何でしょうか?

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常に「感謝」の気持ちを持って接することでしょうか。患者さんはじめ地域の皆さん、この眼科医院を譲ってくださった前の院長、そしてスタッフにも感謝しています。スタッフの中には、オープニングからのメンバーもいるんですよ。20年という長い間、向上心とホスピタリティーを忘れずに一緒に歩んでくれました。そういったメンバーがいたから後輩たちも優秀に育ち、当院の視能訓練士、看護師、医療事務すべてのスタッフが、眼科系の専門知識を有しています。眼科医療のプロとして育ってくれたことは、私の誇りになっています。今回の100周年記念には、何か記念になるものを贈りたいとノベルティーグッズを作成しました。ささやかですが「感謝」の気持ちが伝わればと思っています。

日帰り白内障手術に注力し、健康寿命を延ばす

クリニックでは、白内障手術に注力されていると聞きました。

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身近なクリニックで気軽に手術できるようにすることで、地域の健康寿命を延ばしたいと考えています。中でも白内障の日帰り手術や加齢黄斑変性症の抗VEGF抗体療法に力を入れており、新型感染症の感染拡大以降は人数制限しているものの、それでも白内障に関しては週に4~5人ほどの日帰り手術をしています。白内障の原因はさまざまで、加齢性以外も炎症性、ステロイド性、紫外線性などがありますが、糖尿病患者は増加傾向にありますから糖尿病性の白内障にも注意が必要ですね。私が医院を引き継いだ2001年12月から2022年9月まで約20年で、白内障手術の症例数は4412例になっています。また、患者さんの不安や恐怖を和らげるために「白内障教室」を開催し、私のライフワークとしています。

「白内障教室」とは、どういったものですか?

手術を控えている方をはじめ、地域の方や患者さんのご家族、白内障にご関心のある方を対象に白内障についてお話ししています。白内障の原因や症状、手術まであらゆる話をさせていただく勉強会ですね。健康保険証も不要ですし、診察券を作っていただく必要もありません。ほかの病院の患者さんや、すでに手術を受けているけれど気になることがあるという方もいらっしゃいます。ビデオを見せるのではなく私の生の声でお伝えし、質疑応答を含めて2~3時間くらいでしょうか。新型感染症が流行する前は2ヵ月に1回のペースで50人くらいにご参加いただいていましたが、今は希望者が5~6人集まったら、その都度開催してほぼ毎月の頻度で行っています。

大きな病院ではなかなかできない、地域密着型クリニックの強みですね。

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ええ。白内障教室は「開業したらやろう」と思い描いていて、勤務医時代から会議室など場所を借りてずっと開催し続けてきました。白内障は命に関わる病気ではないものの、QOLを低下させ、転倒などの危険性も高まる疾患です。高齢者にとっては避けては通れない病気でもあるので、啓発活動は欠かせません。なので、新型感染症の影響で制限せざるを得なくなってしまったことは残念でした。ですが、そのことばかりを嘆くのではなく、その分できることが増えたと考えるようにしています。例えば、人数制限で1日の手術件数が減った分を診察時間に回せるようになりました。今まで以上に丁寧に聞き取りできるようになったことで、患者さんとの信頼関係もより高まったように感じます。

より正確な診断を。“診診連携”も積極展開

診療において、心がけていることはありますか?

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目を診るだけではなくて「人を診る」ことですね。その患者さんの病気を診るだけではなく、患者さんのバックグラウンドやご家族の話、そして内科的な疾患まで、ご相談にはできる限り応えられるように心がけています。逆に「先生、顔色が悪いけど大丈夫?」と言ってくださる患者さんもいて、アットホームな雰囲気ですね。白内障手術を受ける患者さんの中に母の同級生がいたり、私を子どもの頃からかわいがってくれた患者さんもいたりして、そういった意味でも本当に恵まれていると感謝しますし、やりがいも感じます。これにあぐらをかかず5代目に引き継ぐまで、力まず自然体でやっていきたいと考えています。

100周年を迎えるにあたり、今後の目標は?

勤務医時代に目が見えない患者さんを起こしたら、「夢の中だけは見えていたのに何で起こすの」って言われたんです。その時に「手遅れになるような状態までいかせてはいけない」と強く思いました。そうした思いから、今は少しでも疑問に思うことがあったら、ほかの先生方に必ず意見を聞くようにしています。これからも病診連携や診診連携を強化して、地域医療の結びつきを強くしていきたいですね。また、目のことはもちろん、それ以外のことでもなんでもご相談いただければと思っています。例えば、内科でもらったお薬のことやご両親の体調のことでも構いません。休診日に呼び鈴を鳴らしてもらっても、商店街で見かけたら話しかけてもらってもいい。この2~3年で人と接する機会は格段に減り、それが一般的になりました。しかし、だからといって医療はそれに同調していてはいけないと思います。今後も絶え間ない医療を地域に提供していきたいと思っています。

読者へのメッセージをお願いいたします。

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新型コロナウイルスが流行し始めた時、マスクをした状態での会話では患者さんの表情が読み取れないと、最初は不安がありました。しかし、実際のところは、人数制限したことで生まれた時間を有効活用し、診療時が十分取れるようになったことで、しっかりとコミュニケーションできるようになりました。いつの時代も、柔軟かつたくましくその時代を生き抜いていくことが大事だと思います。歴史は100年周期で巡るといいます。さまざまな難関が現れても、福島区で皆さんの健康を支えていきたいという思いは変わりません。新たな気持ちで次の100年をめざして頑張っていきたいと思います。

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