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吹角 隆之 院長の独自取材記事

ふくずみアレルギー科

(大阪市中央区/天満橋駅)

最終更新日:2021/10/12

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食物アレルギーにシックハウス症候群、化学物質過敏症など、現代人には、もはや切り離せない悩みとなっているアレルギー症状や疾患。この難題に対して真正面から取り組み続ける「ふくずみアレルギー科」は、天満橋駅からすぐのビル4階にある。エントランスを一歩入れば、森のコテージを思わせるウッディなたたずまいと清涼な空気に包まれ、病院ということをつい忘れてしまう。「木のおもちゃが大好きで、つい集めてしまうんです」と優しく笑うのは、院長の吹角隆之(ふくずみたかゆき)先生。信州大学医学部、大阪大学大学院を経て、長年にわたりアトピー性皮膚炎の治療を続けてきた確かな実績がある。そんな吹角院長に、一般には謎の多いアレルギーの解説や対処法、開業のきっかけなどをじっくり語ってもらった。

(取材日2017年5月22日)

好きな食べ物こそがアレルギー原因の有力候補

院内は、ログハウスのように天然木を多用していますね。

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当院は自然素材にこだわり、内装の材料から有機溶剤などの化学物質をできる限り出さないようにしています。床やドアから棚、イスなどの建具まで、無垢の国産材(広葉樹)を接着剤を使わずに組み上げ、さらに壁には漆喰を塗り、空気清浄機もたくさん設置しています。だから、化学物質が苦手な人もここへ来れば、息が深く吸える、子どもが静かになると評判です。あと、木のおもちゃをたくさん置いていますが、ほとんどが天然木製で、それをさらに1年間ほど天日干しにして、塗料の匂いをすっかり取り去っていますよ。すると、子どもたちが喜んで手にして遊んでくれます。子どもは大人以上に敏感ですから、やっぱり違いがわかるんですね。

こちらには、どのようなアレルギー患者さんが来られますか?

当院ではさまざまなアレルギーの診療を行っていて、アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・シックハウス症候群・化学物質過敏症・電磁波過敏症・発達障害などの患者さんが大勢来られます。アレルギーにはいろんなタイプがありますが、じん麻疹や花粉症、薬剤アレルギーなど、原因物質との接触・摂取・吸入と発症までの時間が短い、いわゆるアレルギー疾患といわれる「即時型」と、半日とか1日、遅い場合は1週間以上経ってから症状が出る「遅延型」があります。遅延型アレルギーは、本人がアレルギーであることを、なかなか意識できないのが特徴で、その多くは食べ物に原因があります。

原因となる食べ物を、どうやって調べるのですか?

問診票を書いてもらい、「毎日食べている物」「好きな物」「たくさん食べている物」、その3つの条件で、原因物質のある食べ物がだいたいわかります。本人が好きで毎日たくさん摂取している食べ物は、遅延型アレルギー原因の有力候補です。一定期間これらを避けているとアレルギーが抜けていきます。それが遅延型アレルギーの治療の一つです。好きでも嫌いでもない食事を週1、2回ずつ、なるべくレパートリーを広げて回転させていくわけです。ローテーションダイエットといいますが、同じ食材なら4日に1回というのが理想的なサイクルです。

アレルギー症状になりやすい食べ物はありますか?

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代表的なものを頻度順で挙げれば、コーヒー・チョコレート・ヨーグルト・チーズ・納豆・牛乳・パン・卵・豆乳・ポテトチップス・ピーナッツ・餅・麦茶です。中には健康にいいといわれる食べ物もありますが、どんなものでも過剰摂取すれば体に負担がかかります。ヨーグルトを週3回食べて、チーズを週3回食べて、コーヒーに牛乳を入れてカフェオレにしていると、乳製品ばかり食べていることに気付きません。また、もともと日本人は味噌や醤油、豆腐が主体の民族で、そこに納豆や豆乳を追加して毎日食べていると、大豆の過剰摂取でアレルギーが出てしまうわけです。

アレルギーとは処理能力を超えること

アレルギーが起こる仕組みを教えてください。

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自分の体の許容量を大きな風呂おけに例えると、偏食や化学物質、ストレス、生活習慣、外的環境など、アレルギーの原因となる負荷がそれぞれの蛇口から風呂おけに貯まっていき、自分の処理能力を超えてあふれたものがアレルギー症状というわけです。ですから、今までなんともなかったのに症状が出てきたのは、体がギリギリまで頑張って、もう頑張りきれないところを超えたからなんですね。風呂おけのサイズ=許容量には個人差がありますので、負荷が同じでも出る人と出ない人がいるわけです。

それなら、ある日突然というのもうなずけますね。

「これまで大丈夫だったから、これからも大丈夫」と誤解している患者さんが多く、それは食べ物に限らず化粧品などで特に目立ちます。例えば最近になってどうも頭がかゆいという患者さんが、「原因はシャンプーじゃないです。昔からずっと変えてませんから」とおっしゃるのですが、そのシャンプーこそ原因である可能性が高いのです。気に入ってるものは自分に合っているという思い込みがあるわけですね。その観点でいえば、体に接触するあらゆるもの、化粧品・スキンケア用品・シャンプー&リンス・石鹸・洗剤・柔軟剤・コンタクトレンズなど、「もういい加減、ほかのにして!」と体が悲鳴を上げる、それがアレルギーなんです。

発達障害の患者さんも来られるとのことですが?

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全国から発達障害の、主に未就学児の患者さんが来られます。発達障害は環境汚染病の一つではないかと私は考えています。その発生原因には食物アレルギーもありますし、重金属とか環境汚染物質の蓄積など、いろんな負担が重なっているわけです。その背景にはご両親の遺伝子的な弱さもあり、強ければ出ないものが弱いから出るということが考えられます。発達障害は治らないという見解がほとんどで、治癒の可能性を追求している医師は非常に少ないのですが、例えば小麦と牛乳・乳製品を減らす食事療法、潜在性感染症の漢方治療、不足している栄養素の補給など、やるべきことは多いです。発達障害のお子さんをもつお母さんたちが、いろんな情報を集めて当院のことを聞いて来られますので、私も使命感をもって対応させていただいてます。

目の前の患者に向き合うことが使命

先生のご出身はどちらですか?

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私の実家は和泉市にある西福寺というお寺で、あの「くわばら、くわばら」という雷除けの呪文の由縁で知られていいます。父はそこの住職で、実は私も僧籍を持っているのですが、別に寺を継ぐのが嫌だったわけではなく、小学生の頃、祖父が肝臓がんで入院したことを機に医師になろうと思いました。それで信州大学医学部へ進み、岡谷市の照光寺というお寺に下宿させてもらって、朝5時に起きて寺の勤めを済ませ、大学のある松本市まで急行列車で通う毎日でした。その後、帰阪して大阪大学の皮膚科でアレルギーに関する研鑽を積み、羽曳野病院(現・大阪はびきの医療センター)ではアトピー性皮膚炎とじん麻疹を専門に13年近く診療しました。

開業のきっかけを教えてください。

結婚を機に家を建てたのですが、そこで暮らしているうちに肺炎にかかって入院したんです。最初は原因がわかりませんでしたが、考えてみると私、新築のホテルに泊まると翌朝、決まって風邪をひくんですね。化学物質を多めに吸うと粘膜が弱まり、ウィルスや細菌に感染しやすくなって風邪の症状になるんです。それで、これはシックハウス症候群なんだと気付きました。勤めていた病院でも改装工事なんかがあると窓を開けて診察している状況でしたので、自分自身が安心して診療ができて、患者さんも安心して通える医院をつくろうと思い立ったわけです。都会のビル内でも、うまくリフォームさえすれば快適な空間がつくれることを実践する目的もありましたね。

最後に、患者さんにアドバイスをお願いします。

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やはりアレルギーの原因の筆頭は食べ物です。食生活が思いっきり偏ってるようなら、まずはそれを改善すること、自分が好きなものを減らすことです。毎日食べているものを減らし、できればいろんなものを食べて、特定の食材が週に3回以上になることをなるべく避けてください。あと、残留農薬・合成保存料・合成着色料・化学調味料・人工甘味料・合成香料などは、できるだけ摂らない努力が必要です。これらの化学物質が体内に入ると免疫系が変調をきたし暴走するきっかけとなります。シックハウス症候群や化学物質過敏症なども同様です。ただ、私のなすべきことは文明批判ではありません。目の前で苦しんでいる患者さん、困っている患者さんを助けること。それが医師としての私の使命で、当院の存在意義だと考えています。

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