がんや逆流性食道炎の早期発見に有用
経鼻で受ける上部内視鏡検査
西村内科クリニック
(名古屋市瑞穂区/瑞穂運動場東駅)
最終更新日:2025/03/07
- 保険診療
高血圧や糖尿病など生活習慣病をはじめ内科一般の診療を行う「西村内科クリニック」。西村賢司院長はもともと消化器内科が専門で、経鼻内視鏡検査が普及し始めた約20年前から、経鼻内視鏡検査に携わってきたベテラン医師だ。検査に不安を抱く患者の精神的かつ身体的負担の軽減に努めており、同院では嘔吐反射の起きにくい経鼻をメインに検査を行っている。他にも超音波検査など検診に力を入れている西村院長。「できるだけ早期に病気を発見して治療に結びつけられれば」と話す。上部内視鏡検査で発見できる病気や、検査の流れなどについて具体的に教えてもらった。
(取材日2025年2月7日)
目次
胃の症状があれば迷わず内視鏡検査を。経鼻なら精神的、身体的にも患者の負担が少ない検査が可能に
- Q上部内視鏡検査とはどのような検査ですか?
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A
▲AIを搭載した内視鏡を導入し精度の高い検査に対応
食道や胃、十二指腸などのがんや潰瘍、炎症、ポリープを発見するための検査です。特に胃がんは初期症状があまりなく、早期発見には内視鏡検査が有用となります。また胃潰瘍や逆流性食道炎などの診断にも必要不可欠な検査です。内視鏡は口または鼻から挿入しますが、当院では経鼻内視鏡をメインとしています。内視鏡の太さは直径約6ミリで鉛筆と同じぐらい。経鼻は、口から入れる場合と違って舌根部に触れないので嘔吐反射を起こしにくく、経口と違い口にマウスピースを装着する必要もないので検査中も会話ができます。精神的にも身体的にも患者さんの負担が少なく、内視鏡検査が不安な方にも受けやすく感じていただけるのではないでしょうか。
- Q検査ではさまざまな病気が見つかるのですね。
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A
▲不快な胃の不調は早期の検査が重要になる
例えば逆流性食道炎は、人によっては軽い症状の場合もありますが、放置したままでは胸やけがいつもある状態で生活の質が落ちると思います。また胃潰瘍は、胃の壁がただれてクレーターのような穴が開いてしまう疾患で、食欲がない、痛みがあるなどの症状が出ますが、ご高齢になると自覚症状を感じないこともあります。放置してしまうと、潰瘍の底に露出した血管から出血し、吐血したり黒い便が出たりということも。内視鏡検査で食道や胃の状態を診ることで、すぐに治療に入ることができ、改善をめざすことが期待できます。
- Qこちらの上部内視鏡検査の特徴を教えてください。
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A
▲患者の不安に寄り添いながら診療中も医師がサポートする
当院では午前に1~2件の検査を行えます。検査機器の光源は高出力のLEDで、胃の中が明るく見える視認性が高いものです。最近ではAIを搭載した内視鏡が普及していますが、当院でも採用しており、検査中、AIが怪しい箇所を音と画面上で指摘する仕様になっています。医師1人の目で見るよりも病変の検出率は向上すると考えており、患者さんにとっても医師にとっても安心につながる。内視鏡検査は特に初めての方にとっては不安が大きいもの。私も看護師も、「今から始めます」「ここに病変が見えますね」などと、検査前や検査中、患者さんの顔色や表情を見たり、お声がけしたりするよう心がけています。
- Qどのような人が検査を受けるべきですか?
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A
▲内視鏡検査に併せピロリ菌検査を行うことができる
胃のもたれ、胃痛、吐き気、食欲不振などが1週間以上続く方は、まず受診しましょう。胸が熱くて眠れない、酸っぱいものが込み上げるといった症状がある場合や、胸やけがある場合は逆流性食道炎の可能性があります。不快な症状が長く続く方は病気の可能性が高いと思われます。一般的に50歳を過ぎたら内視鏡検査といわれていますが、身内に胃がんや胃潰瘍の方がいる場合はピロリ菌に感染している可能性が高いため、40代でも検査をしたほうが良いでしょう。ピロリ菌は胃がんの最大の原因といわれています。内視鏡検査と同時にピロリ菌の検査も可能です。ピロリ菌検査を同時に行うことで、その後の治療がよりスムーズに進められますね。
- Q内視鏡検査の流れについて教えてください。
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A
▲検査の前後でも丁寧な対応を行う
検査前日は21時までに食事を済ませ、当日の朝は食事を控えて水分補給のみにしましょう。来院後はまず、胃液の泡を抑えるための消泡剤を少量飲んでいただきます。経鼻内視鏡の場合には、鼻の粘膜の腫れを抑え出血を防止するために血管収縮剤を噴霧した後、局所麻酔薬を鼻腔内に注入します。その後、内視鏡と同じ太さの管を鼻に入れて通るかどうかを確認してから、実際のカメラを挿入します。経口の場合は咽頭麻酔を行ってから検査となります。検査自体は数分から10分程度。検査後の診察などまで含めて1時間程度で帰宅できます。

