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田辺 勉 院長の独自取材記事

医療法人 耳鼻咽喉科田辺クリニック

(名古屋市緑区/有松駅)

最終更新日:2019/08/28

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「患者さまとの心の垣根を取って接したい」。インタビューの中で、自身の診療スタイルをこう語ってくれた田辺勉先生。有松インターから車ですぐの「耳鼻咽喉科田辺クリニック」で院長を務めて18年になろうとしている。この近辺が交差点と畑しかなかった頃から、この地で医療を続けてきた。現在は住宅地も増え、若い家族が多く住んでいることもあり、患者は小児とその保護者が中心。「患者さまにはなんでも本音を話してほしい」という先生に、地域医療にかける想いや診療スタイルなどを、幅広く語ってもらった。
(取材日2017年6月6日)

父の姿を見て耳鼻科の医師に。患者との垣根のない医療

医師をめざしたきっかけは、やはりお父さまの影響が大きいでしょうか?

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そうですね。父親が耳鼻科の医師をしていたこともあり、医学の道へ進み耳鼻科医になることは自然なこととして受け入れました。代々耳鼻科医の家系で、私で4代目なんです。途中、学生時代からなじみのあった整形外科とも迷ったのですが、最終的に、内科的な治療も行える耳鼻科を選択しました。その後、実家のクリニックは弟が眼科として継ぐことになり、私は縁あってこの地に開業を決めました。

このあたりはどんな土地柄でしょうか?

この周辺の住宅は比較的新しく、若いご家族が多いですね。開院して18年経ちますが、開業当時このあたりは本当に何もなくて。クリニックのすぐ近くの交差点が開通したのが4月1日、電話が通ったのが3日、クリニックのオープンが5日というギリギリのスケジュールでした(笑)。この周辺ではここが最初の建物ではないでしょうか。その後、住宅や飲食店ができ、若いご家族が越してこられたことで、当院の患者さまもお子さんやその親御さん世代が多いですね。

クリニックの診療理念や心がけていることを教えてください。

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一番大切にしているのは、患者さまが遠慮なく、心配事や本音を言えるように接することです。患者さまによって、来院動機は違います。説明が詳しく聞きたいのか、いつもの薬を処方してほしいのか、他院では満足のいく治療ができなかったのか、検査をするために来たのか……。そういった動機は、患者さまに直接お聞きしてもなかなか答えてくださることがないんです。怒られるんじゃないか、断られるんじゃないか、という気持ちが働くのでしょうか。私はなるべくそういった垣根を取り除き、なんでも本音が言える関係でいたいと思っています。そのために、最後に必ずお聞きしているのが「他になにかございませんか?」という一言なんです。この一言で、患者さまも「これを伝えたかった」「これを聞きたかった」ということをお話しくださることが多いんですよ。

患者の意見をできるだけ尊重する医療を

お父さまとご自身の診療スタイルを比べて、引き継いでいるところや変えた部分はありますか?

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父の診療スタイルで私も実践していることがあります。それは診察内容に応じて、患者さまに色のついた札をお渡ししているんです。喉のネブライザー、鼻のネブライザー、耳の赤外線治療と、3つの札を用意し、それを渡しておくことで効率的に診察が進められます。患者さまにとっても、あらかじめ自分の治療内容がわかるので、時間の目安にもなりますね。逆に、私の代から変えていこうと思ったのは、患者さまに対する接し方の部分です。父の代で言うと、時代的に患者さまに病気や治療方針を"教える”という感覚があったのですが、今の時代はインターネットで患者さまもいろいろな知識をお持ちです。その中には間違った解釈や思い込みもありますので、訂正をしながら、患者さまと対等の立場で医療をする、というところは私の代から取り入れています。治療方法がいくつもある場合は、できるだけ患者さまの意向に沿うかたちでやっていくようにしています。

非常に患者さま思いの先生だということが伝わります。

もちろん、耳・鼻・喉の専門科として意見はさせていただきます。それでも最終的には患者さまに選択してもらうようにしていますね。例えば、アレルギーの検査です。「検査したほうがいいですか?」とよく聞かれますが、そのためには採血をしなくてはいけませんし、コストもかかります。ですので、「知りたいです」という方には検査をお勧めしていますが、こちらから「採血してアレルゲンチェックをしなさい」と強制することはほとんどないですね。最終的には患者さまのお気持ちを重視した診療方針を選択しています。今は情報があふれている時代ですので、患者さまの考えを正しい知識に導いていけるようにしなくてはいけないと思いますね。

小児難聴についても診てくださるそうですね。

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当院では、新生児に対して聴力検査を行う機器を導入しています。現在ですと、産婦人科で行われている検査の一つになるのですが、まれに行っていないこともありますので、そういった場合は当院でも行うことができます。聴力検査は難聴や、言語発達遅延の原因の早期発見に有効といわれています。受診の目安としては、1歳前後のお子さんで、言葉の発育が良くなかったり、音に対する反応が小さいなどの症状がある場合です。心配な方は一度耳鼻科の受診をお勧めします。また、鼻と耳はつながっています。小児難聴の原因として多いのが、アレルギー性鼻炎がひどくなり、耳の中に水がたまって、聞こえづらくなる滲出性中耳炎になってしまうケースです。痛みの症状がほとんどないので、お子さんは症状を訴えず、聞こえづらいままにしてしまっている場合があります。ですので、普段は鼻だけの診療をされているお子さんには、念のために耳も診るように心がけています。

ゆったりとした診療スタイルで患者と向き合う

開院当時と今と変わった点はありますか?

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開業した当時に比べると、年齢とともに処置のスピードもゆっくりになりました。昔はこのあたりに耳鼻科がなく、遠くの土地から患者さまが来られていたこともあり、患者さまの数もとても多かったです。周りに耳鼻科ができてからは、診療圏が少しずつ狭まってきましたが、その分患者さまとゆっくり話をする診療スタイルになれたので、結果的には良かったかなと思います。こちらがお伝えしたいこともしっかり伝えられますし、患者さまのお話も聞くことができます。現在のほうが、精神的にもゆとりがあり体も楽ですし、しっかり患者さまと向き合えているという満足感は強いです。

スタッフの方について教えてください。

勉強熱心で気配りができ、患者さまに対して優しいスタッフばかりでとても助かっています。現在は10人ほどの体制なのですが、開業当初からのスタッフが、3人います。これはうれしいことだなと思いますね。スタッフとは月に一度の個人面談をしていて、その時にいろいろな話をしています。診察で気になった些細なことから、結婚や離職の意志といったプライベートなことまで、こういう場だからこそ言えることもたくさんあります。また、スタッフにも専門的な知識を学んでもらっているので、患者さまから聞かれても答えられるようにしています。特に小さいお子さんを連れた親御さんは、お子さんに診察を受けさせるのに精一杯で、診察が終わった後で「これを聞いていなかった」と思い出すことがあります。そんな時もスタッフが寄り添ってお答えしますし、私もしっかりお伝えしますので、ご安心くださいね。

今後の展望と読者に向けてのメッセージをお願いします。

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これまで、地域のお祭りに協賛させていただいたり、中学生の職場体験を受け入れたりと、地域との結びつきや交流を大切にしてきました。今後も変わらず地域の皆さんのかかりつけ医として、密着した医療を提供できたらいいですね。クリニックの取り組みとしては、まだ漠然としているのですが、障害を持つお子さんのための時間をとって診察をしたいと考えています。現在は一人の患者さまにゆっくり時間を割いて診察ができるようになりました。障害のあるお子さんがいらっしゃる親御さんにも、ぜひゆっくりと時間を設けて、気兼ねなく診察に来ていただけるようにしていけたらと思います。患者さまにお伝えしたいことは、とにかく「なんでも話してほしい」というところですね。医師が上から物を言う時代は終わりました。私は対等な立場で、患者さまのお気持ちを引き出せるような医療をしていきたいと思います。

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