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宮島 和之 院長の独自取材記事

宮島クリニック

(名古屋市緑区/平針駅)

最終更新日:2021/10/12

宮島和之院長 宮島クリニック main

地下鉄桜通線徳重駅から市バス白土を下車し徒歩1分、のどかな景色が広がる住宅地の中に「宮島クリニック」はある。今年で開院して15年、暖色系を基調とした院内は、壁一面に大きな窓があしらわれて明るい陽が差し込み、吹き抜けになった待合室が開放的な雰囲気。心臓病の専門医としての経験を生かして適切な診断・治療を行う中、高血圧、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病の治療にも力を入れる宮島和之院長。生活習慣病が招く恐れのある脳卒中、心筋梗塞、心不全などの重大な病気を未然に防ぐことに努めている。「幅広い症状や疾患を診てきているので気軽に相談してほしい」と話す宮島院長に、開業の経緯や今後の展望などを聞いた。

(取材日2016年5月23日)

生活習慣の改善で心筋梗塞や脳卒中等のリスクを減らす

循環器がご専門なのですね。

宮島和之院長 宮島クリニック1

大学卒業後、名古屋大学第3内科に入局して、心臓や血管など全身の血液循環を研究する「循環器内科」を専門にしました。冷や汗をかいて救急車で運ばれてきた急性心筋梗塞の患者さんが、適切な処置を施すことで、数日後には笑顔で歩いて帰っていけるという劇的な経過に、医師としてのやりがいを感じたからです。循環器が専門ではありますが、専門以外のいろいろな病気も診ていたので、オールマイティーに診ることができ、開業してからそれがすごく役に立っていますね。

開業までの経緯をお聞かせください。

私が循環器科に入局した頃は、心筋梗塞などで詰まった血管を風船で広げるPTCA(冠動脈インターベンション)がちょうど出始めの頃でした。以降、循環器疾患をメインにたくさんの患者さんを診てきました。勤務医時代は当直もあり、夜中に心筋梗塞の患者さんが運ばれてくるなどでいつ呼ばれるかわからず、忙しかったですね。当時から、狭心症や心筋梗塞の予防のために、生活習慣病の管理をやりたいと思っていましたが、どうしても緊急性のある重症の患者さんの治療が優先になってくるのでなかなか着手できずにいました。年齢とともに、一歩引いてゆっくり生活習慣病の治療に専念しようという思いが強くなり、2001年に当クリニックを開院しました。

先生が力を入れている治療は何ですか?

宮島和之院長 宮島クリニック2

生活習慣をきちんと改善して、心筋梗塞や脳卒中などのリスクをいかに減らすか、つまり予防することが非常に大切です。血圧、コレステロール値、尿酸値、血糖値を下げて、きちんと管理し、患者さんの生活指導に注力しています。血圧が高ければ減塩の食生活に、それでダメであれば患者さんの症状、生活習慣に合わせた薬を処方して、目標の値まで下げるよう指導します。ただ、薬を飲んでも、食生活という根本を見直さないとやはり難しいですね。高血圧だと減塩、糖尿病だと食事量の管理、高コレステロール血症だとコレステロール値の高い食品を減らしていくなどの指導をしています。

患者との雑談から日常生活の中に潜んだヒントを読む

診療の際に心がけていることは?

宮島和之院長 宮島クリニック3

患者さんの話をよく聞くことです。患者さんに自覚がなくても雑談の中にヒントがあることも実際に多いですから。あと、食事制限でいえば、高血圧の人に、最初から過度の減塩指導を行うと味がなくなって食事を楽しめなくなり、結果的に長続きしないので、そこまで厳しく制限しないようにしています。無理して4g以下に抑えたらもうほとんど味がないレベルですからね。自分で漬物・干物などの塩辛いものを控えてもらうところから始めてもらって、まずは7g以下をめざせばいいのではないかと私は思っています。漬物などを減らして、お味噌汁を薄味に、といったちょっとしたアドバイスをしながら、根気よく患者さん一人ひとりと向き合っています。

「もの忘れ相談医」でもあるのですね。

高齢化社会でもの忘れの方も多いので、積極的に勉強していく必要があると感じました。認知症には、アルツハイマー病のほかにレビー小体病、ピック病などの病気もあって、それらの概念が理解できたことで、認知症の患者さんを診ていて「アルツハイマーかな?」「レビーかな?」と判断がつくようになりましたね。ただ、そういった病状についての説明は、ご本人ではなかなか理解が難しいことも多いので、認知症の疑いがある場合は可能な限り家族の方とお話しする機会を持つようにしています。認知症の患者さんの治療には、患者さん以外に、ご家族とのコミュニケーションも大事と考えていますね。

開業されて勤務医時代と違うと実感する点は?

宮島和之院長 宮島クリニック4

外来で、診る病気の種類が全然違いますね。開業医だと、認知症の患者さんも皮膚科の患者さんもいますし、時に耳が痛いという患者さんも来ます。小児科もやっているので、かなり幅広く患者さんを診ています。勤務医時代は自分の専門を深めていけばよかったけれど、開業医だと心臓、消化器、腎臓、と本当に幅広い知識が必要です。開業当時は積極的に専門以外のことをいろいろ勉強しました。勉強しないと日々日進月歩でどんどん変わっていきますからね。専門を深めていく勤務医と、幅広く診ることが必要な開業医とでは、それぞれ違うやりがいがあり、お互いに相補的であると思います。

「正確に専門医に送ること」も開業医の使命

先生が医師をめざしたきっかけをお教えください。

宮島和之院長 宮島クリニック5

高校生の頃は、漠然と理学部に進み研究者になろうかなと考えていましたが、サラリーマンだった父親の勧めで医学部に進学することになりました。それと、小さい頃は、体が弱くて、小学生3年生のときには、麻疹の後の異型肺炎にかかって1学期丸々休んで、ずっと病院通いをしていました。そのため、病院には、もともと抵抗感がないというか、むしろ馴染みのある場所だったことが、医師になるきっかけにもなったようにも思います。

プライベートの趣味などはありますか?

あまり趣味はなく、夜寝る前に読書をすることくらいですね。分野はいろいろですが、歴史物や小説、自然科学系が特に好きです。あと、私自身も健康のために、間食や夜食は一切控えています。そのおかげで、開業時は66キロくらい体重があって、ちょっと太っていたんですが、1年間で60キロまで落ちました。痩せる前は肝機能も少し良くなかったのですが、6キロ痩せたために、肝機能も完全に正常化しました。この6キロの変化は非常に大きいと身をもって実感しましたね。無理に標準体重まで減量しなくても、今の体重から1〜2割減らせば体調はずいぶん変わってくるものと思います。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

宮島和之院長 宮島クリニック6

ホームドクターとして地域の皆さんに信頼されて、健康面で困ったときにアドバイスや手助けができればうれしいです。慢性疾患の患者さんの継続治療を行うことは当然ですが、患者さんは「自分の体がおかしい」と感じても、どの病院で、何科に診てもらったらよいかわからないことも多いですよね。だからこそ、かかりつけ医が、「この人は心臓の病気」「この人は血液の病気」と診断し、専門医に紹介することも大事なんです。さらに、経験による勘から「これは何かおかしいぞ」と判断し、重篤な病気を見落とすことなく、拾い上げて専門病院に送ることも重要な役割です。この近くのほとんどの病院と連携を行っているので患者さんの希望・意向を聞いて紹介しています。「先生、本当に良くなって、ありがとうございました」と言われることが多いのですが、医者としては本当にうれしい言葉です。

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