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堀江 健司 院長の独自取材記事

ほりえクリニック

(名古屋市昭和区/桜山駅)

最終更新日:2021/10/12

堀江健司院長 ほりえクリニック main

地下鉄桜山駅から徒歩10分、閑静な住宅街に位置する「ほりえクリニック」。入口は緑に囲まれ、四季折々の草木が来院者を迎えてくれる。堀江健司院長は「開院するなら自分が好きな町で」と考え、昭和区での開院を決めた。クリニックのロゴは白をベースに青と黄色をキーカラーとしたデザインで、診察室には堀江院長が趣味で集めているフィギュアマグネットや患者から送られた手紙などが飾られている。「総合内科専門医」の資格を有する堀江院長は「なんとなくの調子の悪さを自己完結せず、一度診察を受けてほしい」と話す。その言葉には「何気ない症状に潜んだ病気を見つけ、適切な治療へと導く」という堀江院長の想いが込められていた。

(取材日2016年5月30日)

「町のお医者さん」に憧れ、大好きな町で開院

「ほりえクリニック」を開院されたきっかけは?

堀江健司院長 ほりえクリニック1

開院するなら自分が好きな町、住みたい町で、と思ったんです。そこで候補に挙がったのが桜山、石川橋周辺でした。名古屋市立大学に進学して以来この土地にお世話になっていて、まさに思い出の場所。クリニックを開院して17年経ちますが、学生時代も含めると、生まれたところより長く生活していますね。僕は循環器内科の専門医ですが、開院前はいろいろな病院で勤務、循環器内科だけでなく一般内科の経験も積みました。勤務医時代の経験は今も生かされていますね。また、開院の際「家庭医をめざすのであれば小児科も?」というアドバイスを受け、循環器内科・一般内科・小児科を標榜することになりました。そのおかげで、循環器内科に罹っている患者さんがお孫さんを連れて一緒に診察、なんてこともあるんですよ。

医師をめざしたきっかけや、どんな医師を志しているかをお聞かせください

兄も医師で、兄が医学部の友人たちと医学用語などを使って話しているのを見て、かっこいいなと思ったのがきっかけです。当時は医師というより医学生に憧れていましたね(笑)。医学生のかっこよさがきっかけだったとはいえ、しゃちほこばった偉そうな医師にはなりたくありませんでした。それより、町で気軽に声をかけてもらえるきさくな医師になりたいと思っていました。だからこそ、「好きな町での開院」というのは、自分のめざす医師になるためにも大切な理由だったんです。今では院外で患者さんに声をかけられることも多々ありますよ。先日も妻と栄で買い物をしていたら、患者さんに「大きなお腹だなって思ったら先生だったわ~」なんて言われて、「お腹で気づくなんて……」と思いつつもうれしかったですね。

開院にあたって、こだわったポイントはありますか?

堀江健司院長 ほりえクリニック2

院内のどこでも車いすが転回できるようなクリニックにしたかったんです。これも勤務医時代の経験からで、病院によっては車いすが転回するには狭く、患者さんを担いで移動させたりすることもありました。「バリアフリー」をめざすなら段差の解消と広さの確保が大切だと考えました。「バリアフリー」と聞くと日常的に車いすを使用される方に向けたものと想像してしまいがちですが、循環器の場合、歩くことが心臓の負担になってしまう患者さんもいます。急に気分が悪くなって歩けなくなった、なんてこともありますよね。そのためクリニックで車いすを使用する場面は意外と多いので、こだわるべきだと思ったんです。

なんとなく調子が悪いときこそ受診してほしい

堀江院長は「総合内科専門医」の資格をお持ちですが、どのような資格なのでしょうか?

堀江健司院長 ほりえクリニック3

例えば「なんとなく体がだるい」という理由で来院した患者さんなら、風邪が原因の場合もあれば循環器疾患や神経疾患が原因の場合もありますよね。「総合内科専門医」の資格を持つ医師は、さまざまな診療科目の知識をもとに、広い視野で患者さんを診察するので、患者さんにとってより適切な治療へ導くことができると思っています。この資格は5年ごとに試験があるので、試験を通して新しい知識や情報を得ることも少なくありません。また、基礎的な知識についても試験で問われるので、これまで培ったスキルの振り返りもできます。新たな学びはもちろんのこと、自分のスキルを振り返るのは診療の質を上げる点においても大切ですね。「“なんとなく”で来院するのは申し訳ない」とおっしゃる患者さんもいらっしゃいますが、気にせず何でも相談してください。本人が気にも留めていないところが、実は原因だった、ということもありますからね。

総合的な視野で診療するためにも、患者さんも遠慮せずに症状をお話することが大切なんですね

何気ない会話から糸口が見つかることもあります。そういう意味でも、患者さんとのコミュニケーションは重要です。でも「親しき仲にも礼儀あり」。患者さんに対してだらしない、無礼な態度をとってはいけません。患者さんと仲良くなったとしても、言葉や態度の中に礼儀を欠かないこと。これは僕だけでなく、スタッフ全員が心がけるようにしています。僕は診療中に白衣を着ないのですが、必ずネクタイは締めるようにしています。これは「だらしない装いの人間に、患者は安心して自分の体を診せられない」という大学時代の恩師の教えから。親しみを持ってもらうのと同じくらい毅然とした、頼りになる存在として見てもらえるよう気を配っています。

院内の設計に対する考えや診療時のお話をお伺いしていると、「患者さん第一」という思いが伝わってきます

堀江健司院長 ほりえクリニック4

患者さんにとって居心地のいい空間や関係性をつくることが、診療において大切だと考えています。院内の設計には両親や家族、友人の意見も採用しました。特に、女性目線は大切ですね。受付カウンターに荷物を置ける棚がついているんですが、今でこそよく見かけるものですけど、開院当初は珍しかったので患者さんに喜ばれました。また、診察室が無機質にならないよう診察机を木製のものにしました。引き出しの中には患者さんからもらったお手紙がたくさん入っているんですよ。院内には妻の生けた花を飾ることで自然と温かみを感じられるようになっていると思います。さらに、入口の植木は「木のないところに人は集まらない」と言っていた父の力作で、季節の植物が楽しめるようになっているんです。

5年スパンの改革で、新しい風を吹き込む

現在力を入れていることはありますか?

堀江健司院長 ほりえクリニック5

開院してから定期的に新しいことを取り入れようとしています。開院から7年目に取得した総合内科専門医の資格を皮切りに、10年目に電子カルテの導入や機器のデジタル化、院外処方への切り替えをはかり、15年目には専門医による専門の外来を設置しました。専門医には外部から来ていただき、隔週土曜日に診察を行っています。通い慣れたクリニックで専門性の高い相談ができるようになるので、患者さんの負担も軽くなると思います。現在は腎臓の専門医のみですが、少しずつ専門医の数を増やしていきたいですね。また、新しく臨床検査技師も加わりました。これまでは僕ひとりで診療と検査をしていたので時間がかかり、患者さんの待ち時間が長くなってしまいがちでした。この部分を臨床検査技師の協力のもと、改善できたらと考えています。

定期的な改革は開院したとき決めたことなのでしょうか?

そうですね。一番恐れているのは「慣れ」なんです。何事もある一定の期間を過ぎると慣れが出てきてしまいますよね。慣れはともすれば停滞を意味します。これが最も怖い。ですので、定期的に新しいことに取り組もうと考えました。もちろん簡単なことではありませんが、それでも新たな挑戦によって院内に新鮮な風が吹き込み、滞りが解消されることは僕らにとっても患者さんにとっても大切なことだと思います。今後は院内薬局の場所が空きましたので、新たにベッドを追加してインフルエンザなど感染症の患者様を隔離するスペースにしようかと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします

堀江健司院長 ほりえクリニック6

情報が手に入りやすい時代だからこそ、上手に医療機関を利用してほしいです。やみくもに病院にかかるのではなく、目的を持ってクリニックを探し、信頼できる医師を見つけることが大切です。そのとき、どこにいけばいいのかわからなくなったら総合内科に頼るのも選択肢の一つだと思います。また、心がけていきたいのは、体調が崩れた過程をありのままに話すこと。自分が関係ないと思って話さなかった症状が、実は原因だったということもあります。安心して、気になることがあったら何でも聞いてくださいね。

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