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井上 浩 院長の独自取材記事

井上整形外科

(座間市/座間駅)

最終更新日:2019/10/18

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座間駅西口から県道を海老名方面へ歩くこと4分の場所にあるのが、先代から30年以上にわたって地域の健康を支えてきた「井上整形外科」だ。2代目院長の井上浩先生は、慶應義塾大学の整形外科学教室に入局後、7つの基幹病院で診療に携わってきた経験豊富な医師。同院を引き継いでからは、整形外科一般を幅広く診療することに加えて、通所リハビリテーションに力を入れており、高齢者が通院しやすいようにと送迎車を用意するなど、高齢化の進む地域における医療や介護のニーズに柔軟に応え続けている。「生まれ育った座間市に貢献したいのです」と熱を込めて話す井上院長に、同院のことや地域医療にかける思いを語ってもらった。
(再取材日2019年4月25日)

地域のニーズに応え、通所リハビリテーションを開設

クリニックを紹介していただけますか?

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当院は、整形外科一般を幅広く診療することに加えて、私が専門とする関節リウマチの治療、骨粗しょう症の予防と治療、けがや痛みに対するリハビリ、そして介護保険による通所リハビリに力を入れています。私は、北里大学を卒業後、慶應義塾大学の整形外科学教室に入局しました。医局が大きく関連病院も多いため、さまざまな症例を学べるだろうという思いで飛び込みました。その後は、埼玉県や静岡県、小田原市など、いくつかの関連病院に勤務し、平塚市民病院では医長としてリウマチを専門とする外来も担当していました。当院でも、それまでの経験を生かしながら、かかりつけの整形外科クリニックとして診療しています。

2013年のクリニック継承後、リニューアルした点を教えてください。

当院の患者さんは高齢者が多く、車がないと来院できない方もいるので、まずは駐車場を広くして、駐車場から院内までバリアフリーにするなど、少しでも患者さんの通院が負担にならないようにしました。一番大きく変わったのは、2016年に通所リハビリを開設したことですね。ここでは理学療法士が、介護保険の要介護や要支援の認定を受けた方を対象にリハビリを行っています。さらに2018年10月からは送迎車を用意して、利用者の送り迎えもできるようにしました。乗り降りしやすいように補助ステップや手すりをつけた特注の車で、1人では通うのが難しい方にもご利用いただいています。

なぜ、通所リハビリテーションを開設したのですか?

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クリニックを継いで3年ほどたった頃、地域の高齢化とご家族の介護の問題に気がついたのです。当院では、骨粗しょう症など病気の治療に取り組んでいますが、それだけを治療していても足腰が弱くなります。ご家族の協力がないと外出や通院ができなくなってしまう方、いわゆるロコモティブ症候群の方が少なからずいる。つまり、医療行為だけではロコモティブ症候群の治療や予防に限界があることを実感したのです。そして、骨粗しょう症や膝、腰の変形など、それぞれの疾患への対応は医療だけでもできますが、高齢者の運動器の機能を改善するには、ある程度の運動ができる環境と時間が必要で、介護保険制度を利用した短時間の通所リハビリはとても合理的だと思いました。しかしながら、近隣には通所リハビリの施設が少なかったので、それなら自分でやらなくてはと思い、開設したのです。

医療機関ならではの医療と介護の融合をめざす

こちらの通所リハビリテーションの特徴を教えてください。

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現在は、月・火・木・金の週4日実施していて、のべ人数で月に100人以上の方にご利用いただいています。毎回1時間程度、あえて集団でリハビリを実施していますが、同年代の方が集まることでモチベーションが上がったり、地域の社交場のようにもなっていたりするようで、皆さん楽しそうに取り組んでいらっしゃいますね。何より医師や看護師が近くにいるのが大きいと思います。高齢者は持病を抱えている方が多く体調に配慮しないといけませんが、当院では体調が悪くなればすぐに休んで血圧を測ったり、心電図やエックス線撮影をしたりできます。私だけでなく、看護師を含めて経験豊富なスタッフがサポートしていますので、安全に配慮した環境でトレーニングできるのが強みです。

通所リハビリテーションの開設から3年、どんな変化を感じていますか?

当院では入浴や食事の介助といった生活支援は行わず、5人の理学療法士が、限られた時間内で集中的に、例えば階段を上ったり、転ばないようにバランスを取るなど、運動に特化したリハビリを行っています。そうすることで、効果的に介護度の改善につなげることができていると思いますし、回を重ねるごとに皆さんが生き生きとしていくのがわかります。短時間の通所リハビリは、ご高齢の方にとって時間的、肉体的な負担が少なく、運動機能の回復にはとても効果的だと感じています。利用者ご本人やご家族からも「ここに来て運動をするのが楽しみ」「外出する機会が増えて、気持ちも前向きになった」などの感想を伺っています。

リハビリテーションでは、どのようなことを心がけていますか?

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介護度の高い方は、自宅の状況や本人の希望などによって、リハビリの種類が変わってきます。例えば、自宅に階段があるか、玄関やトイレに手すりがあるか、玄関から道路までのアプローチに段差があるかなども、転倒を予防する上では重要な情報です。そういった環境を把握するためにも、利用者さんのお話に丁寧に耳を傾け、必要があればご自宅を訪問して確認しています。また、地域のケアマネジャーと連携を取るなど、各所とのネットワークも大切にしています。一人ひとりに合ったリハビリを提供するには、互いに顔の見える関係づくりが大切ですから、私たち医療機関のスタッフと利用者さんやご家族、ケアマネジャーが集まり定期的にカンファレンスを開いています。

寝たきり予防に向け、地域一丸となって取り組む

多職種との連携を大切にしていらっしゃるんですね。

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通所リハビリを開始してから、共通の理念を持った人が集まることの相乗効果を感じています。そして院内でも、例えばケアマネジャーやご家族への対応は受付や理学療法士が、送迎は運転手や介護福祉士、介護助手が、院内でのリハビリは理学療法士を中心としたスタッフが担当するなど、スタッフ全員が協力して運営しているので、通所リハビリという仕事を介して多くの職員のモチベーションが年々高まっているように感じています。これまでも課題が生じると院内カンファレンスを行い、みんなで問題点を検討して改善してきましたが、今後もその姿勢は変えずに、みんなで相談をして解決していきたいと考えています。

先生の診療理念とは?

「医療」と「介護」を別々に考えるのではなく、本当に必要なケアを連続して提供できるようにしていきたいと思っています。というのも、通所リハビリを通じて地域の高齢者の現状を知るうち、現場で求められているのは医療と介護の融合なのだと気づいたんです。私はそれを「医護」という言葉で表現していますが、この考え方は今後大切になってくると思います。一昨年、県が実施する「神奈川ME-BYOリビングラボ~健康寿命延伸のための地域サポーター育成事業」に参加し、当院は寝たきり防止に向け、ロコモティブ症候群に関する講演を行いました。その結果、スタッフのモチベーションと地域の皆さんの関心が高まったのを感じています。今後も「医護」という言葉とともに、地域の方が必要なケアを受けやすい環境づくりを担っていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

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現在、元気に自立して過ごせる「健康寿命」と、「平均寿命」の差は、男女ともに約10年といわれています。言い換えれば、介護を必要とする期間が10年あるということで、これは大きな問題です。そして、私たちが今、安心して暮らせるのは、現在、高齢になった方々が頑張って働いてきてくれたおかげです。だからこそ、これまで社会に貢献してきた方々が、少しでも長く自分の足で歩けるようにお手伝いをしていきたいですし、これからさらに地域の高齢化が進む中、ロコモティブ症候群で寝たきりになる方を少しでも減らすことができるよう、すべてのスタッフが一丸となって通所リハビリを継続していきたいと考えています。一人でも多くの人がロコモティブ症候群を改善して、住み慣れた地域、自宅で自立した生活ができる、その一助になれればと思います。

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