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井上 浩 院長の独自取材記事

井上整形外科

(座間市/座間駅)

最終更新日:2021/10/12

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小田急線座間駅近くの「井上整形外科」は、40年以上前から地域に貢献してきたクリニック。父の後を継いだ井上浩院長はさまざまな病院の整形外科で経験を積み、「生まれ育った座間市に貢献したい」と同院で診療を行っている。「高齢になっても自立し、住み慣れた家で生活ができるように、通所リハビリテーションにも力を入れています」と地域住民の健康寿命延伸を目標とする井上院長に、同院の診療やリハビリテーションの特徴などを聞いた。

(再取材日2021年6月14日)

関節リウマチの治療やロコモティブ症候群対策にも注力

こちらのクリニックの特色を教えてください。

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当院は、整形外科一般を幅広く診療するほか、私が専門とする関節リウマチの治療、骨粗しょう症の予防と治療、けがや痛みに対するリハビリテーション、介護保険による通所リハビリテーションに力を入れています。もともと父が40年以上前に開院したクリニックで、2013年に私が引き継いで院長になりました。当院の患者さんは車でないと通院が難しい方も多いため駐車場を拡充。駐車場から院内まで段差をなくすなど、通院のご負担を減らせるよう環境を整備しました。さらに、2016年には通所リハビリテーションも開始し、2018年からは送迎車による利用者さまの送り迎えも始めています。乗り降りがしやすいよう補助ステップや手すりをつけた特注の車で、1人では通うのが難しい方にもご利用いただいています。送迎サービスは好評で現在は2台に増やしました。

通所リハビリテーションはどのような目的で行うのですか?

高齢になると足腰をはじめ各所の運動機能が低下し、自分で立ったり歩いたりする力が衰える「ロコモティブ症候群」、いわゆるロコモになる方もおられます。通所リハビリテーションでは、こうしたロコモの予防や進行の抑制をめざし、当院に在籍する6人の理学療法士による運動療法を提供しています。対象は介護保険の要介護または要支援の認定を受けた方で、介護度の違いによって週1回~週3回のペース、1回につき1~2時間ほどの運動療法を行います。利用される方の出席率は高く、ご自宅でも理学療法士のアドバイスをもとに運動に積極的に取り組まれているようで、非常に良い手応えを感じています。

今後はロコモが増えることも懸念されているそうですね。

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ええ、新型コロナウイルスの感染拡大で1回目の緊急事態宣言が出されて以降、当院がある座間市にお住まいの方もあまり外出されなかったようです。特に高齢の方は外出せず運動量も減り、ロコモになっているケースも多いと感じています。当院でも一時期は患者さんが受診を控えられ、数ヵ月後に来院されたときにはロコモが進行した方もいました。一般の方はもちろんですが、今後は介護に関わるケアマネジャーや理学療法士の方にもロコモとそのリスクについて知っていただき、施設やデイサービスでもロコモ対策として適切な運動を行うなど、地域ぐるみでロコモになる方を減らしたいと思っています。

高齢者の運動機能維持に役立つ通所リハビリテーション

通所リハビリテーションについて詳しく教えてください。

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当院では、デイサービスのような入浴や食事の介助といった生活支援は行わず、平行棒を使って転ばないようバランスを取るなど、運動機能の維持・向上に特化した運動療法を行います。月・火・木・金を通所リハビリの日としています。利用される方は毎回10人前後とし、通常2人の理学療法士が運動療法を行い、2人の看護助手がサポート。送迎車の乗り降りが大変な方は同乗する2人の運転手がお手伝いするなど、しっかりとした体制を整えています。短時間の通所リハビリは、ご高齢の方にとって時間的、身体的な負担が少なく、運動機能の回復にはとても有用だと感じています。利用者さまご本人やご家族からも「ここに来るのが楽しみ」「外出する機会が増えると、気持ちも前向きになる」などの感想を伺っています。

リハビリテーションの内容はどのように決めるのですか?

利用者さまの運動機能の状態を、毎月1回必ずチェックして、翌月の運動療法に反映します。また、ご自宅での状況や本人のご希望などをもとに、担当のケアマネジャーの方とも連絡を取りながら内容を検討します。例えば、ご自宅に階段があるか、玄関やトイレに手すりがあるか、玄関から道路までに段差があるかなども、転倒予防のためには重要な情報です。そういった環境を把握するためにも、利用者さまのお話に丁寧に耳を傾け、必要があればご自宅を訪問して確認しています。一人ひとりに合ったリハビリテーションを提供するには、互いに顔の見える関係づくりが大切ですから、当院の医師や担当するスタッフ、利用者さまとご家族、ケアマネジャーの方が集まって、定期的にミーティングを開いています。例えば膝の具合が悪い利用者さまに手術をご提案するときも、こうした場でお話しすると、ケアマネジャーの方にも伝わりやすく納得していただきやすいようです。

先生から見た通所リハビリテーションの感想をお聞かせください。

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当院の通所リハビリテーションは地域の社交場のようにもなっているようで、マスクをしながらですが、皆さん楽しそうに取り組んでいらっしゃる様子ですね。医療機関で行うリハビリテーションは、医師や看護師が近くにいるのが大きいと思います。高齢になると持病のある方が多く、体調に配慮しないといけませんが、当院では体調が悪くなればすぐに休んで血圧を測ったり、心電図やエックス線撮影をして容体を診ることができますから。また、最近は当院がかかりつけではない方が通所リハビリに通われることも増えました。利用者さまやそのご家族、ケアマネジャーの方から当院を勧められたようで、少しずつですがこれまでやってきたことに対する手応えを感じています。

医療と介護の連携で健康寿命を延ばす取り組みを

開院されてから今までをどう感じられていますか?

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私は北里大学を卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入局して、首都圏やその周辺にあるさまざまな関連病院で経験を積みました。平塚市民病院では医長としてリウマチを専門とする外来も担当した後、退職して当院の院長となりました。最初は「院長だから一生懸命やらなければ」との思いが強すぎたのでしょう。自分の理想を形にしようと焦っていた時期もあったかもしれません。しかし数年たって、私の医療に対する考えに賛同してくれるスタッフと少しずつ仕事を分担しながら、協力して運営できるようになりました。その後、通所リハビリをスタートさせたり、送迎車を用意したりと、地域の現状に必要な医療サービスを少しずつ提供できるようになってきたのではないでしょうか。

それでは先生の診療理念をお聞かせください。

当院では、父の時代から地域に根差した診療を続けていますが、今は病気を治すだけでなく、病気や寝たきりにならない、健康で長生きすることが大切になってきました。しかし、元気に自立して過ごせる「健康寿命」と「平均寿命」の差は、男女とも約10年といわれ、ロコモ予防に代表されるような健康寿命を延ばす対策が重要です。そのために、私は「医療」と「介護」の融合が必要と考え、両分野をスムーズにつなぎ、通所リハビリテーションのように地域の皆さんに本当に必要なケアを提供したいと思っています。これには地域の介護に関わる方との連携も大切なので、行政から依頼された介護関係者向けの勉強会なども活用して、さらに情報共有を進めたいですね。

これからの目標について教えてください。

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直近の目標では送迎車をもう1台加えて、より多くの利用者さまにリハビリテーションを受けていただきたいと考えています。理学療法士を年々増員しながら充実した体制を維持し、受け入れを増やすことは可能です。さらに当院スタッフのワークライフバランスも大切にして、当院を長く続けることも目標の一つです。というのも2021年5月から当院でも新型コロナウイルスのワクチン接種を始めたのですが、地域のためとはいえ休日も大変な仕事を進んでやってくれる人ばかりで、改めて「スタッフの協力なしにクリニックは成り立たない」と実感したのです。出産や育児で一時的に離職する人もいますが、復職の支援制度を整えるなど、当院に長く勤めてもらえる環境を整えたいと思っています。

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