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井上 浩 院長の独自取材記事

井上整形外科

(座間市/座間駅)

最終更新日:2024/12/02

井上浩院長 井上整形外科 main

小田急線・座間駅近くの「井上整形外科」は、40年以上前から地域に貢献してきた。2013年に父の後を継いだ井上浩院長は、さまざまな病院の整形外科で経験を積み、「生まれ育った座間市に貢献したい」と同院で診療を行っている。「皆さんが高齢になっても自立し、住み慣れた家で生活を続けられることをめざしています。通所リハビリテーションもさらに拡充し、地域のニーズに応えていきたいです」と話す。地域住民の健康寿命延伸を目標とする井上院長に、同院の診療やリハビリテーションの特徴などを聞いた。

(取材日2023年10月23日)

通所リハビリテーションを含め、幅広い選択肢を用意

こちらのクリニックの特色を教えてください。

井上浩院長 井上整形外科1

当院は整形外科一般を幅広く診療するほか、私が専門とする関節リウマチの治療、骨粗しょう症の予防と治療、けがや痛みに対するリハビリテーション、介護保険による通所リハビリテーションに力を入れています。もともと父が40年以上前に開院したクリニックで、2013年に私が引き継いで院長になりました。当院の患者さんは車でないと通院が難しい方も多いため駐車場を拡充。駐車場から院内まで段差をなくすなど、通院のご負担を減らせるよう環境を整備しました。さらに、2016年には通所リハビリテーションを開始し、2018年からは送迎車による利用者さまの送り迎えも始めています。乗り降りがしやすいよう補助ステップや手すりをつけた特注の車で、1人では通うのが難しい方にもご利用いただいています。送迎サービスは現在2台に増やしました。

先進的な医療の導入へ向けても意欲的だと伺いました。

開業当初は、当院のような郊外のクリニックでは、都会の医療機関とは違って先進性の需要は少ないと考えていました。しかし、診療を続ける中で、薬物療法や理学療法で解消できない痛みに対し、手術を勧められても受けられない方が多くいらっしゃることを実感しました。単に手術が嫌なのではなく、老老介護や家業の継続のため、自宅を空けることが難しい方も多いのです。そうした方への治療の選択肢の一つとして、確かなエビデンスに基づくものであれば先進的な医療も考えられるのではないかと次第に思うようになり、勉強を始めました。

通所リハビリテーションなどを含め、これまでの新しい取り組みに際してはご苦労もあったのでは?

井上浩院長 井上整形外科2

私一人でできることではなく、スタッフの協力なくしてはどれも成し遂げられませんでした。一方的に指示を出すばかりではなく、スタッフの意向も聞きながら、同じ方向を見て一緒に取り組めるということを確認して一歩ずつ進めています。また、新しい情報を得るためには勉強会などへの参加が求められますが、遠方で数日にわたって行われる勉強会に参加するには、どうしてもクリニックを休診にしなければなりません。私としては診療を止めるということは患者さんの期待を裏切り、生活リズムを乱してしまうことと考えており、できる限り避けたいところ。そんな中、新型コロナウイルスの流行があり、勉強会のオンライン化が進みました。オンラインであれば診療と並行して参加でき、スタッフとも内容を共有できます。コロナ禍での社会活動の変化では負担も大きなものがありましたが、逆にこうした新しい医療を導入する道筋が具体化されるメリットも感じています。

他職種連携により、地域ぐるみで健康寿命延伸をめざす

通所リハビリテーションについても詳しく教えてください。

井上浩院長 井上整形外科3

月・火・木・金を通所リハビリテーションの日としています。当院の通所リハビリテーションでは、デイサービスのような入浴や食事の介助といった生活支援は行わず、平行棒を使って転ばないようバランスを取るなど、運動機能の維持・向上に特化したリハビリテーションを行っています。利用される方は毎回10人前後とし、通常2人の理学療法士が運動療法を行い、2人の看護助手がサポート。送迎車の乗り降りが大変な方は同乗する2人の運転手がお手伝いするなど、手厚い体制を整えています。短時間の通所リハビリテーションは、ご高齢の方にとって時間的、身体的な負担が少なく、運動機能の回復には有用だと感じています。利用者さまご本人やご家族から「ここに来るのが楽しみ」「外出する機会が増えると、気持ちも前向きになる」と思っていただけるとうれしいですね。

どのような目的で行うのですか?

高齢になると足腰をはじめ各所の運動機能が低下し、自分で立ったり歩いたりする力が衰える「ロコモティブ症候群」の方もおられます。通所リハビリテーションでは、こうしたロコモティブ症候群の予防や進行の抑制をめざします。対象は介護保険の要介護または要支援の認定を受けた方で、介護度の違いによって週1回~週3回のペース、1回につき1~2時間ほどの運動療法を行います。昨今の新型感染症の流行に伴う外出自粛により、ロコモティブ症候群になってしまったというケースも多く見受けられるため、今後は介護に関わるケアマネジャーやご家族の方にもロコモティブ症候群とそのリスクについて知っていただく必要があります。施設やデイサービスでもロコモティブ症候群の対策として適切な運動を行うなど、地域ぐるみで取り組み、ロコモティブ症候群になる方を減らしていけたらと思っています。

リハビリテーションの内容はどのように決めるのですか?

井上浩院長 井上整形外科4

運動機能の状態を毎月1回チェックして、翌月の運動療法に反映します。医療機関で行うリハビリテーションは、医師や看護師が近くにいるのが大きいと思います。高齢になると持病のある方が多く、体調に配慮しないといけませんが、当院では体調が悪くなればすぐに休んで血圧を測ったり、心電図やエックス線検査をしたりして容体を診ることができます。また、ご自宅での状況や本人のご希望などをもとに、担当のケアマネジャーとも連携しながら内容を検討します。例えば、ご自宅に階段があるか、玄関やトイレに手すりがあるか、玄関から道路までに段差があるかなども、転倒予防のためには重要な情報です。関わる多職種が定期的にミーティングを実施し、必要があればご自宅を訪問するなど顔の見える関係づくりを通して一人ひとりに合ったリハビリテーションを提案します。

柔軟に変化し社会情勢に合う医療を提供することが使命

スタッフも増員されていますね。

井上浩院長 井上整形外科5

2013年に当院を引き継いだ当初は10人だったスタッフも、現在では運転手を含めて23人。常勤スタッフが増え、若い世代も加わりました。当院で通所リハビリテーションの仕事をしたいと志望して来てくれる理学療法士や看護師も多く、高齢化が進む地域や時代のニーズに合致するものだとあらためて実感しています。ここ数年は新卒の入職も続いており、若い世代に経験豊富なベテランが指導する流れもできています。世代を問わず私の医療に対する考えに賛同してくれるスタッフが集まり、地域の現状に即した医療サービスを提供できる体制が整ってきていることを頼もしく感じています。

あらためて診療理念をお聞かせください。

当院では、父の時代から地域に根差した診療を続けていますが、今は病気を治療するだけでなく、病気や寝たきりにならない、健康で長生きすることが大切になってきました。しかし、元気に自立して過ごせる「健康寿命」と「平均寿命」の差は、男女とも約10年といわれ、ロコモティブ症候群予防に代表されるような健康寿命を延ばす対策が重要です。そのために、私は「医療」と「介護」の融合が必要と考え、両分野をスムーズにつなぎ、通所リハビリテーションのように地域の皆さんに本当に必要なケアを提供したいと思っています。これには地域の介護に関わる方との連携も大切なので、行政から依頼された介護関係者向けの勉強会なども活用して、さらに情報共有を進めたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

井上浩院長 井上整形外科6

父からクリニックを継承して10年がたちましたが、新型コロナウイルス感染拡大という大きな波にとどまらず、海外情勢や気候変動、国内の経済事情など、大きな変化にさらされていると感じます。高齢者を取り巻く環境も大きく変わっていく中で、社会情勢に合わせた医療を提供し続けていくことこそ、当院のようなクリニックの使命と考えるようになりました。そのためには画一的な対応だけを続けていたのでは不十分で、柔軟に変化していかなければなりません。小さなクリニックなのでできることには限界もありますが、スタッフ一同協力してやっていきたいと思っています。お困りの際にはぜひお気軽にご相談ください。

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