将来不妊で悩むことがないように
男女がともに持つ「予防」の意識
福井ウィメンズクリニック
(松山市/北久米駅)
最終更新日:2021/10/12
- 自由診療
不妊治療を受ける人の数は年々増加しているといわれる。結婚年齢の上昇に伴う妊娠・出産の高齢化が理由の一つとされるが、若い人にも決して無関係な話ではない。日本生殖医学会生殖医療専門医と日本産科婦人科学会産婦人科専門医の資格をもつ「福井ウィメンズクリニック」の福井敬介院長は、長年不妊治療の第一線で多くの患者と向き合ってきた。先生が現場で痛感するのは「不妊予防」の意識の大切さだそうだ。特に若い人たちに、なるべく早く妊娠や不妊の正しい知識を持ってもらい、不妊予防を行動に移してほしいと語る。つらい思いをしないで新しい命を授かることができるように、事前にできることは何か。また特に、女性だけでなく夫婦が一緒に向き合う問題の前で、男性にできることは何か。福井先生に詳しく話を聞いた。
(取材日2020年8月6日)
目次
不妊予防とは、男女がともに妊娠について正しく知り、自分の体を理解し、自然妊娠に向けて準備をすること
- Q不妊は女性の立場で語られがちですが、男性の現状は?
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A
不妊の原因は決して女性にだけあるというものではありません。また、男女どちらかではなく男女ともに原因を持っているケースも増えています。特に最近は男性側の問題が多くなっています。原因の一つはやはり高齢化。男性も何歳になっても変わらないということはなく、年齢による生殖機能の低下は近年の研究結果で明らかになってきています。35歳頃から精子の質が下がり始め、45歳くらいでは精子の数が減ってきます。仮に数が減らなくても質は徐々に低下します。特に大きな要因は喫煙とされています。喫煙は酸化ストレスといって体内に活性酸素を増やす悪影響があり、これが精子を傷つけるといわれているのです。
- Qこのクリニックで男性はどのような診療が受けられますか?
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A
当院では、男性不妊を専門とする「リプロダクションクリニック大阪」「リプロダクションクリニック東京」CEOの石川智基先生に定期的に来院していただいています。精液検査の結果や既往歴などから、気になることがあれば専門的に診察してもらったり、手術で改善が見込める場合は当院で手術をしていただいたりしています。また、最近は男性ブライダルチェックの受診希望者が増えています。生殖に関わる病気の有無や精子の状態を調べる検査で、若い男性が一人で来られることもありますよ。近々結婚するのでという方や、予定はないけれど調べておきたいという方など、さまざまです。ぜひ多くの方に受けていただきたいですね。
- Q「不妊予防」とは、どういう意味で、何をすることでしょう?
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A
「プレコンセプションケア」という言葉のほうが、意味をよく表しているかもしれません。直訳すると「妊娠前のケア」という意味です。妊娠について正しく知り、その上で自分の体をチェックしようということです。まず大切なのは、知ることです。男女問わず、妊娠の経過、生理的なこと、病気のこと、年齢とともに起こり得ることなどについて正しい知識を得てください。そして20歳くらいになったら将来のために検査を受けて、妊娠を妨げる要因がないか調べてください。早く見つかれば早くケアを始められます。男性なら精索静脈瘤や前立腺疾患、女性なら卵管が少し狭いとか少し排卵障害があるなど、治療が可能だということも知っておいてください。
- Q検査で異常が見つかっても、自然妊娠は望めますか?
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A
私もやはり一番に望むのは自然妊娠です。最初から生殖補助医療に頼るのではなく、自然妊娠できる力を引き出せればと常に思っています。特に若い人は可能性が高まると考えられます。対処法としては、生活や体質の改善もあれば、内視鏡など負担の小さい手術もあります。適切な方法を見つけるためにも、男女とも不妊予防の意識を持ち、早めに検査を受けてください。年齢の高い方でも、ずっと不妊治療の結果が出ないのにふいに自然妊娠するということもあります。人の持つ再生能力や自然治癒能力によるのか、思いがけない喜びが訪れないとも限りません。どうか頑張って、そしてどうしても難しいとなれば、選択肢として生殖補助医療があります。
自由診療費用の目安
自由診療とはブライダルチェック/女性:2万5000円~、男性:1万5000円~、体外受精/17万円~