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鉾石 文彦 院長の独自取材記事

ほこいし医院

(松山市/松山市駅)

最終更新日:2021/10/12

鉾石文彦院長 ほこいし医院 main

頻尿、膀胱炎、痔など、排泄にまつわるトラブルは日々の生活に影響を及ぼすものだが、専門科への受診はハードルが高いと思っている人も多いのでは。松山市柳井町で泌尿器科・肛門外科・皮膚科を標榜する「ほこいし医院」は、創業から100年にわたり患者の排泄の悩みに応えてきた歴史ある医院。現在は泌尿器科疾患と大腸肛門病の専門家である鉾石文彦先生が院長を務める。同院の強みは、泌尿器と肛門、どちらの疾患にもアプローチできること。「膀胱炎なら尿検査だけでもわかりますから、気軽に来ていただき、気持ちも楽になって帰っていただきたい」と話す鉾石先生のやさしい口調には、まるでリラックス効果があるかのよう。今回は泌尿器科、肛門外科ならではの診療の進め方や患者への想いなどをじっくりと聞いた。

(取材日2019年8月17日)

創業100年、親子3代で排泄の悩みに向き合う

創業から100年を超える医院なのだそうですね。

鉾石文彦院長 ほこいし医院1

祖父が柳井川村(現・久万高原町)で「鉾石医院」を開業したのが1917年でした。それからだんだん松山市の中心部に近づいていって、現在医院のある柳井町にたどりついたようです。祖父はもともと外科医でした。当時は今のように整形外科・消化器外科などと細かく分かれておらず、手術治療を行う疾患は何でも診ていたようです。父は皮膚科と泌尿器科、肛門外科を標榜していました。私は帰郷した当初、鉾石医院の近くに「ほこいし泌尿器科」を開業したのですが、2010年に合併し、「ほこいし医院」として新たなスタートを切りました。合併するまでは泌尿器科の診療のみでしたが、父が肛門外科をしていた関係で肛門疾患の患者さんを診るうちに必要性を感じ、新たに肛門外科の勉強を始めました。現在は泌尿器科と肛門外科の両方を私が担当し、父は主に皮膚科として、親子2人体制で診療をしています。

先生が医師を志したのは、やはりご家族の影響でしょうか?

そうですね。私にとって医師は最も身近な職業だったので、自然とめざしていました。東京医科大学を卒業後、研修医として泌尿器科を選択したのは父の影響もありましたが、決め手は教授の人柄と、泌尿器科自体が魅力的だったこと。大学時代、泌尿器科の教授の講義に最も感銘を受けて、この教授に教わりたいと思ったんです。そして、泌尿器科は内科、外科という枠にとらわれず、内臓をトータルで管理できることや、当時、内視鏡で手術をするのは泌尿器科だけだったので、最先端の医療機器や技術をいち早く取り入れるフロンティアな科であると魅力を感じたんです。人類で最初に開発された内視鏡は女性の膀胱鏡で、そこから胃や大腸なども見える内視鏡へとつながっていった。医学的発明の第一歩は泌尿器科ということが多いんですよ。

先生の泌尿器科へ対する想いが伝わってきます。どのような悩みの患者さんが多いですか?

鉾石文彦院長 ほこいし医院2

やはり排泄は毎日行うものですから、そこにトラブルが生じるというのは深刻な悩みですよね。まだまだ泌尿器科の医師は少ないので、専門性の高いところをしっかり学んで、患者さんに還元したいという思いはありました。患者さんは、赤ちゃんから100歳を超える方まで幅広いですが、基本的に年齢とともに尿のトラブルは増していくので、高齢の方が多いですね。お悩みとしては、頻尿や尿もれなどが来院のきっかけになる方が多いです。性別でみると、女性は膀胱炎でお悩みの方が多く、男性は50歳を超えると前立腺肥大症の方が増え、前立腺がんのリスクも出てきます。また、肛門外科でもあるので、痔の患者さんも。特に女性は出産後にお尻のストレスに悩まされる方が結構いらっしゃいます。痛みに耐えながらの子育てなんて大変ですから、お子さん連れでもぜひ早めに来ていただけたらと思います。

専門性の高い診療技術で、患者の役に立ちたい

泌尿器と肛門を両方診てもらえるというのは患者さんにとってもメリットではないでしょうか?

鉾石文彦院長 ほこいし医院3

泌尿器科と肛門外科が一緒のところはあまりないので、意外と重宝されています。肛門と泌尿器が連動して起こる症状もあるんですよ。一つ、驚いた症例があったのですが、「尿が出ないんです」と来られた患者さんの排尿障害の原因が実が便秘だったんです。便秘で詰まった便が尿道を圧迫してしまい、尿が出なくなっていたということでした。泌尿器科だけの知識ではなかなか判断できないこともある。肛門外科を勉強することで、泌尿器科の診療にも生かされていることを実感しました。

診断はどのように進めていくのですか? また、心がけていることを教えてください。

一番は、患者さんからしっかりお話を聞くことを大切にしています。とはいえ、デリケートな問題ですから、なかなか「はじめまして」でご自身の情報を全部伝えられる人は少ないと思うので、さまざまな項目の問診票を作り、まずはそれにご回答いただいています。その情報をもとに、どんなことに困っているかを把握し、コミュニケーションを図り、深堀りしていきます。それから検査へと進んでいきますが、膀胱炎などは尿検査でわかりますし、尿の勢いなどを測ることのできる機械をトイレに設置しているので、患者さん自身で現状を把握していただくことが可能です。また、膀胱の形や尿道の位置、男性の前立腺の大きさを診るには超音波診断が役立ちます。超音波診断は放射線を使わないので患者さんへの負担も心配ないですしね。膀胱内視鏡や痔などの手術も当院で行っています。

専門性の高い科目ならではのやりがいはありますか?

鉾石文彦院長 ほこいし医院4

泌尿器科、肛門外科でないと解決できないトラブルをご相談いただき、無事に解決できたときはやりがいを感じます。例えば尿が出なくなるということも起こりうるのですが、それには泌尿器科の医師ならではの技能が必要なんですよ。そのように特殊な科目ですから、松山市内だけでなく、幅広い地域から悩みを抱えた方が来られます。内科や外科ではなかなか取り組みづらい泌尿器や肛門の疾患を治すことがわれわれの使命ですから、専門職として、患者さんの期待にお応えできるよう努力していきたいと思います。また、医療は日進月歩ですから、時代遅れなことをしてはいけない。頼ってくださる患者さんのためにも常に勉強し続け、先進の検査機器なども積極的に導入しています。

気持ちが楽になって、帰ってもらえるように

お子さんのおねしょに頭を悩ませているお母さんも多いのでは?

鉾石文彦院長 ほこいし医院5

ご両親だけでなく、おばあちゃんが「孫のおねしょが治らない」と一緒に来られるケースもあります。でも、実はおねしょって遺伝性があるんですよ。だから、おじいちゃんおばあちゃんから受け継いでいる可能性もあるんです。それに、そもそも小学校に上がるまでは、就寝時にもらしてもまったく問題ありませんから「おねしょ」とは言いません。実際、小学6年生でもおねしょをする子はいます。でも大人になっても出ている人はいませんよね? おねしょは発達と成長にともなって解決していくのが本質ですから、ほとんどの子は心配ないんです。とはいっても、例えば生まれつきの尿路の奇形など、なんらかの問題が隠れていることもありますから、気になる場合は一度確認いただいたほうが安心いただけるかもしれません。

お忙しい日々だと思いますが、休日の過ごし方は?

なかなかゆっくりとはいきませんが、旅行は昔から好きです。知らない所に行って、あちこち散策するのが好きなんです。最近ですと、京都を訪れた際に、祇園祭を見学しました。遠出は難しくても、近場でも結構楽しんでいますよ。病院の近くの柳井町商店街を歩くだけでもリフレッシュになります。新しいお店も増えて、活気づいていますし。最近、近所に開店したおでん屋さんも気になっています(笑)。

最後に読者の方へメッセージをお願いします。

鉾石文彦院長 ほこいし医院6

とにかく些細なことでも、排泄時など何か気になることがあったら、来ていただきたいです。恥ずかしくない、というのは言い過ぎかもしれませんが、一度来てもらえたら「意外と平気だった」と気持ちが軽くなると思いますので、構えずに、まずはお話だけでも聞かせていただきたいと思っています。尿検査や超音波検査で原因がわかることもありますし、お尻の検査は患者さんが私に背中を向けた状態で診ますから意外と恥ずかしくないんですよ。ですから、「想像するほど恥ずかしいところではありませんよ」ということをぜひお伝えしたいです。痛くなると生活にも支障が出てきますから、早く楽になって、健やかな毎日を送るためにも、まずは一度、気軽にお越しくださいね。

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