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篠原 有美 院長の独自取材記事

古田産科婦人科クリニック

(岐阜市/岐阜駅)

最終更新日:2021/10/12

篠原有美院長 古田産科婦人科クリニック main

岐阜駅近くに今年で開院90周年を迎えた「古田産科婦人科クリニック」がある。1928年に当地に開業し、地域密着型で愛されてきたが、篠原有美医師が2005年着任し、2011年3代目院長に就任している。女性にとって思春期から結婚期、老年期まで、生涯頼りになるクリニックをめざしている。リニューアルしたばかりの清潔感と機能性を重視した院内設備で、クオリティーの高い医療に努めている。廊下に並んだ6つの診察エリアで、常に医師と看護師が連携を取りながら、患者の待ち時間を少なくする配慮や、体や心の悩みを聞く時間を少しでも多くとるように心がけている。「女性の一生の支えになりたい」と温かな笑顔で語る篠原院長から、治療へのポリシー、今後のことなどを詳しく聞いた。

(取材日2018年4月18日)

産婦人科と整形外科の知識を生かし幅広い患者に対応

外科・整形外科、そして産婦人科の医師として転身されたのですね。

篠原有美院長 古田産科婦人科クリニック1

はい。そもそも医師になったきっかけは外科医師漫画の主人公に共感したからかもしれません。外見は恐いけれど、冷静で温かく患者に接する姿は僕には印象的でした。最初は迷わず外科医師を選び、救急病院に住み込みで外科手術をしてきました。でも、夜間当直は交通外傷や骨折が大変多く、これは整形外科の知識も必要だと思い、朝日大学整形外科で8年間勤務しました。ここでもがむしゃらに外傷の手術をしていましたが、なぜか患者さんが女性ばかりで……。「どうして女性の手術が多いのだろう。もしかしたらもっと予防する方法もあるのでは」と思うようになり、そこから閉経後の骨の脆弱化や老化に関わるホルモンに興味を持ち始めました。そんな矢先です。不妊治療で開業していた2代目の義父から、「産婦人科でホルモンも勉強しないか」との誘いがきっかけで岐阜大学に戻り、一から産婦人科の医師として研鑽を積むことになったのです。

3代目院長として受け継いだ時の経緯を教えてください。

産婦人科に入局後、当時は全国的に産婦人科の医師不足でした。配属病院も外来診療と毎月半分以上の当直と分娩、大学での研究に忙殺され、あっという間に産婦人科の医師として10年間が過ぎていました。そんな折、義父の院長から高齢なので少し助けてくれないかと依頼を受けたのです。不妊治療の中でも体外受精を特に学んだ後副院長として着任、その5年後には院長となり現在に至っております。不妊治療など、生殖医療は勿論ですが、患者さんの幅広いニーズにも対応できたら院長として最高だと考えました。そこで、先代、先々代と比べて恥ずかしくないよう最良の知識と技術で対応する決意と準備をもって受け継ぎました。また私は麻酔科標榜医も取得しており、もともとこのクリニックには手術の際は麻酔科の医師として手伝いに来ていたので、なじみもありました。

クリニックの特徴は何でしょうか?

篠原有美院長 古田産科婦人科クリニック2

2つあります。1つ目は「敷居が低いアットホームなクリニックであること」です。岐阜駅に近いので、オフィス街のOLの方が会社の休憩時間に受診できます。また駐車場も完備しているので、妊婦さんやご高齢者も来院しやすくなっています。また、日本語が話せない外国の方でも安心して受診していただけるよう、英語の診療に対応しています。2つ目は、「悩める女性を支える不妊治療技術が備わっていること」です。当院では、先代の頃から不妊治療に取り組み、女性のサポートを行ってきました。これら2つが兼ね備わっていることで、「幅広い年齢層の女性にとっての一番の味方」として、寄り添うことができると思います。生理痛、妊娠、不妊症、更年期症状、腰痛、不眠、イライラ、緊急避妊など、体の不調や悩みを抱え込んでしまうより、まずは気軽に来院していただきたいですね。その上で希望や解決に向かって、ともに歩んでいきたいと思っています。

マニュアルではなく患者に合わせて最適な治療をめざす

近年、産科の体制を変えられたそうですね。

篠原有美院長 古田産科婦人科クリニック3

近年の少子化の影響から2016年12月末に分娩を中止いたしました。望みがかなって妊娠された患者さんの妊婦健診は、妊娠30週までは診させていただき、出産は希望に沿った分娩施設をご紹介しています。出産時は何があるかわからないので、必要な時期に総合病院に転院手配をするなど、安心して出産を迎えられるように万全なバックアップ体制を心がけています。

不妊治療について教えていただけますか?

当院は、岐阜県内でも早い時期から第一線で不妊治療に取り組んできました。タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精、胚の凍結保存に対応しており、岐阜県特定不妊治療費助成事業の指定医療機関となっています。タイミング法や人工授精といった自然の方法で妊娠に至ることを第一に目標にします。それでも妊娠に至らない場合、高度生殖医療の体外受精や顕微授精を行います。昨今は女性のライフスタイルの変化で婚期に適齢期がなくなっていますが、出産については適齢期があり、残念ながら卵子の数が減ってからでは妊娠する可能性は低下します。女性の社会進出に伴い、不妊治療を望まれる患者さんは増えてきていると感じます。マニュアルどおりに対応するのではなく、今まで培ってきた経験から個々の患者さんに心を込めた最適な治療を提供するよう心がけています。手術室や培養室もリニューアルし、必要な技術の進歩に対応する環境の向上にも努めています。

更年期障害で悩む中高年者へのアドバイスをお願いします。

篠原有美院長 古田産科婦人科クリニック4

女性は一生で400~450回の月経と排卵があるといわれます。それが終わると閉経期となり、女性ホルモンが減少・欠乏します。その影響で、イライラやホットフラッシュ、うつや頭痛、耳鳴りなど更年期の多彩な症状が起きる方がいます。長期では骨粗しょう症になり、転んだだけで骨折する方もいます。最近では、仕事を長く続ける方が多く、若々しく暮らしたいという方も多くなってきました。この場合、ホルモン補充や内服薬、貼付剤、注射やクリームなど希望に添うものをお勧めしています。中にはうつ病と勘違いして心療内科に通い、精神安定剤を飲む方がいらっしゃいますが、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの減少が原因のことも多く、ホルモンを補充することで見違えるように若々しく元気になられる方も多くいらっしゃいます。気になる方はぜひ一度相談だけでもしてくださると安心されるのではないでしょうか。

女性が生涯にわたり頼ることのできるクリニックとして

治療の際に心がけていることは何ですか?

篠原有美院長 古田産科婦人科クリニック5

悩んでいる患者さんが常にアットホームな感じで来てほしいと思います。敷居が少しでも低くなるように、「あそこに行けば何でも相談できるよ」、「ここに来ると居心地が良い。元気がもらえる。来て良かった」と皆さんに感じていただけるようなクリニックづくりを心がけています。

やりがいを感じられるのはどんな時ですか?

やはり、患者さんの不安が減ったり、患者さんの希望がかなったりすることですね。患者さんの中でも心をすぐに開いて話してくださる方、ゆっくりと時間をかけて打ち明けてくださる方などさまざまです。心の中を打ち明けるのはたいへん勇気がいることだとは思いますが、私は常に患者さんの味方でいたいのです。一旦悩みや想いを打ち明けてくださった方に、自分の全部の知識と能力をもって最適な治療や心のこもったアドバイスを提供し、それで患者さんの不安が減り、患者さんの望みがかなってハッピーになるなら、こんなにうれしいことはありません。お互いに喜びを共有できたら最高だと思います。

これからどんなクリニックにしていきたいですか?

篠原有美院長 古田産科婦人科クリニック6

妊娠出産の時期だけでなく、幼年期、思春期、性成熟期、更年期、老年期と一生涯にわたり、患者さんと一体化して関わり、支えていくクリニックであり続けるのが目標です。患者さんの要求は、年齢や職業により多岐にわたってきました。アンテナを張り巡らし、患者さんの希望を吸い上げ、進化・向上をめざします。また、レントゲン、検査機器、手術室や体外受精、培養室、滅菌などの設備もどんどん更新し、充実させていきたいです。近年は英語しか話せない外国の方も多いです。だからグローバル時代を担うクリニックでもありたいですね。ちょっとした痛みや痒みでも重大な病気が隠されているケースがあるわけです。一人で不安を抱え込んで悩むぐらいなら、まずは行動。気軽に相談に来ていただきたいですね。きっと気に入っていただけると思います。

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