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綾 直文 院長の独自取材記事

綾こどもクリニック

(高松市/端岡駅)

最終更新日:2021/10/12

綾直文院長 綾こどもクリニック main

JR予讃線の端岡駅から車で10分、高松市立国分寺南部小学校からほど近い場所にある「綾こどもクリニック」は、小児科・アレルギー科を標榜するクリニックだ。もともと香川県出身である院長の綾直文先生が近畿大学、国立南和歌山病院などで経験を積んだ後、2000年に開業。2021年の8月で21年となる。今回は綾先生にクリニックの特徴や診療を続ける中で感じること、今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2021年6月8日)

感染症やアレルギー疾患などさまざまな疾患を取り扱う

小児科とアレルギー科を標榜していますが、どんな患者さんが来ますか?

綾直文院長 綾こどもクリニック1

乳幼児から学生さんまで、さまざまな世代のお子さんが来院されます。小児科はもともと診療の範囲が非常に広い診療科なので、主訴はさまざまですね。風邪などの感染症はもちろん、私の研究テーマでもある腎臓病で受診されるお子さんもいます。また、アトピー性皮膚炎や喘息などアレルギーに関するご相談も多いです。特に幼いお子さんの場合、アトピー性皮膚炎と乳児湿疹の見分けがつかずに受診されることもあります。このような場合は、親御さんの希望に応じてアレルギー検査を行い、原因を突き止めます。当クリニックで行うアレルギー検査は、検査結果が出るまでに1週間ほどお時間をいただきますが、さまざまなアレルゲンについて調べられることが特徴です。

少子化が進む昨今ですが、小児科の医師としてどのようなことが求められていますか。

お子さんの数は減ってきましたが、減った分一人ひとりのお子さんに対するサポートが手厚くなっているので、小児科の医師としての仕事が減ったという認識はないですね。医療の進歩によって、さまざまな検査や治療ができるようになってきましたし、予防接種で予防できる病気も増え、ワクチンの種類が充実しています。また、子育てについて相談できる人が周りにいないという親御さんも多く、「この子はもう首が据わっているんでしょうか?」などという、発育に関するご相談をいただくこともあります。

スタッフの皆さんの雰囲気はいかがですか。

綾直文院長 綾こどもクリニック2

ありがたいことに、当クリニックでは開業当初のスタッフが20年以上たった今も全員残ってくれているんです。そのため久しぶりに来院された患者さんや、大人になって自分のお子さんを連れてきた昔の患者さんが「あの頃と同じスタッフさんがいる」と喜んでくれることも。もともとさまざまなバックグラウンドを持つスタッフたちですが、20年間みんなでさまざまな経験を積み、勉強してきたことで、小児科医療に対する知識や技術が磨かれており、とても頼りになります。スタッフの働きやすさの観点では、女性が多いこともあり、結婚・子育てなどライフイベントに対応できるよう、遠慮せず何でも言える雰囲気づくりを大切にしています。

子どもだった患者が父親や母親に。地域医療の温かみ

先生が小児科の医師を志したきっかけを教えてください。

綾直文院長 綾こどもクリニック3

もともと父が産婦人科の医師だったので、早い段階から医師になりたいと考えていました。医学部に入学した後は、勉強していく中でどの診療科にも魅力を感じ、どれを専門にするか迷いましたね。小児科を選んだ理由は、診療できる範囲が非常に広いからです。もちろん小児科の中でも、医師によって心臓に詳しい、腎臓に詳しいなど専門性が細分化されることもあります。しかし、基本的にはどんな病気でも、お子さんであればまず小児科にやってきます。「私は専門外なので診ることができません」ということは許されませんので、常に勉強を重ね、他の診療科や地域の他の小児科クリニックとも連携して診療にあたっています。

診療する上で心がけていることについて教えてください。

一番大切にしていることは、患者さんにスタンダードな治療を届けることですね。もちろん私には腎臓病という専門分野がありますが、まずは専門性を出しすぎず幅広い診療を行うことで、「ここに来れば、小児科・アレルギー科のスタンダードな治療が受けられる」という状態をめざしています。そのためアンテナを高く張って、地域医療に求められることを速やかに察知することを大切にしています。例えば、新型コロナウイルス感染症に関しても、「うちでは診療できません」では済まされない状況になっていますよね。子どもがワクチンの接種対象になることも加味して、情報を取り入れています。最近では少しでも地域の役に立てばと思い、高齢の方向けの新型コロナウイルスワクチン接種も小児科の診療と時間を分けて実施しています。

開業してから特に印象に残っていることはありますか。

綾直文院長 綾こどもクリニック4

開業して20年たつと、開業当初お子さんで患者さんとして当クリニックに通っていた方が、お父さん、お母さんになって自分のお子さんを連れて受診されることがあり、感動しますね。前述のとおり、当クリニックはスタッフ全員が開業当初から変わっていないので、患者さんが変わらないスタッフを見てほっとすることもありますし、スタッフが「○○さん、お母さんになったんだね」と感慨深い気持ちを言葉にすることも。私にとっても、このような経験は開業してから初めて味わったので、地域医療に貢献する者としての喜びを感じます。

小児科の医師が協力してつくる手厚い医療体制

香川県に開業してみて感じることは何ですか。

綾直文院長 綾こどもクリニック5

さまざまな場所で医療に携わってきましたが、香川県は特に小児科の医療に恵まれた自治体だと思っています。低出生体重児に対する病院も充実していて、夜間救急の体制も確立しています。また小児科の医師同士の協力体制も厚く、情報交換をする機会に恵まれているので、みんなで同じ志を持って子どもをサポートしているということを実感できます。香川県にお住まいの親御さんには、ぜひ日本小児科学会小児科専門医の資格を持つ地域のかかりつけ医を持っていただき、どんなことでも気軽にご相談いただきたいと思います。

高松市の小児科の医師が協力して行っている取り組みについて聞かせてください。

最近だと、子宮頸がんワクチンに対する流れが大きく変化していますね。もともと2013年に定期予防接種の対象となったワクチンですが、副反応に関する報道などにより、全国的に接種率が下がった状態が続いていました。しかし、最近では高松市全体の小児科の医師が意見を統一し、子宮頸がんワクチンの接種を推奨していますので、地域での接種率が徐々に上がりつつあります。当クリニックでも、ワクチンを打つと子宮頸がんの予防につながることを伝え、お子さんの将来のためにも接種を前向きに検討するよう呼びかけています。現在、おたふくかぜワクチンは自由診療での接種のみになっています。しかし、高松市では小児科の医師たちの取り組みによって助成が出るようになり、少しずつ接種率が上がっています。

今後の展望について教えてください。

綾直文院長 綾こどもクリニック6

当クリニックも開業から20年を迎え、私自身も60歳を超えてきましたので、次の20年「今度は何ができるかな」と思いを巡らせているところです。小児科の医師になったばかりの頃は、自分よりも年上、あるいは自分と同世代の親御さんとコミュニケーションを取ることが多かったのですが、今では自分の息子や娘と同世代の若い親御さんとコミュニケーションを取ることが増えてきました。世代の違う人の意見を取り入れながら、日々孫を診るような気持ちでお子さまの診療を行っています。おじいちゃん先生として、そして日本小児科学会小児科専門医として、お子さんや親御さんを温かい目で見守っていきたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

子宮頸がん9価ワクチン予防接種/1回2万7500円(3回の接種が必要)

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