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並木 俊始 理事長の独自取材記事

並木産婦人科クリニック

(厚木市/本厚木駅)

最終更新日:2022/11/28

並木俊始理事長 並木産婦人科クリニック main

小田急線本厚木駅からバスで約7分、中村入口バス停を降りて1分ほど歩くと目の前に「並木産婦人科クリニック」の建物が現れる。1988年8月8日という末広がりの日に開院して以来、お産の場所として地域に親しまれ、これまでにたくさんの赤ちゃんの誕生に立ち会ってきたクリニックだ。医療法人俊英会として本院である同院を含め4つのクリニック展開をし、不妊治療も含めた幅広い産婦人科診療に携わる並木俊始理事長。診療室のデスクマットにハワイ島の地図を忍ばせるほど、ハワイの自然と文化を愛するナチュラリストでもある。自然分娩を基本とし、妊婦それぞれで異なるお産一つ一つを大切に考え、寄り添う並木理事長に、安全なお産への思いや取り組み、分院との連携などについて話を聞いた。

(取材日2022年3月14日)

「妊婦と赤ちゃんを守る」を優先する多くの取り組み

明るく清潔感のあるクリニックですね。

並木俊始理事長 並木産婦人科クリニック1

ここに新築移転して15年になります。1988年の開院時は11室でしたが、より良い診療環境を求めて2007年に移転しました。現在は完全個室の19室で、全室トイレ、洗面台、テレビ、冷蔵庫を備えています。お掃除は毎日、患者さんが検査などで部屋を空けている間に行いますし、手ぶらで入院できるよう、身の回りの物を一通りそろえてありますので、リラックスして出産に臨んでいただきたいですね。また、当院にはベテランのスタッフが多く、3代にわたって患者さんをお世話をしているケースもあり、知った顔のスタッフがいることが安心感につながっているようです。看護師や助産師がお産の時に手を握ってくれた、背中をさすってくれて安心したという患者さんからの声も多く、一人ひとりが患者さんにとって何が必要かを考えてお産に取り組んでいます。

妊婦さんにはオリジナルのパンフレットを配られているとか。

「ママになるあなたへ」というA4判88ページのものです。当院のベテラン看護師らが時間をかけて作り上げました。グループ内のクリニックを受診されている方にお渡ししていて、妊娠初期から1ヵ月健診まで使っていただいています。医学的に大切な知識はもちろん、体調面で不安になりやすいことの内容まで網羅してありますので、これを読めばご安心いただけるかと思います。実は沐浴の手順のページで、モデルの赤ちゃんは私の孫なんですよ(笑)。写真で細かく手順を紹介していますので、分かりやすいのではないでしょうか。そのほか、妊娠中の赤ちゃんのエコー動画がオンライン閲覧できるサービスもあります。出産後には、産声を録音したメモリーカード、足型入りの写真色紙、オーガニックコットンのベビーウェアを差し上げています。

妊婦さんにとってうれしいサポートが多いですね。

並木俊始理事長 並木産婦人科クリニック2

マタニティークラスとしてフラやヨガなども実施していますが、現在はコロナ禍のため一時的に休止しています。出産記念写真も人気があるのですが、病室での撮影となるため状況を見ながら再開していく予定です。妊婦さんと赤ちゃんを守ることが何よりも大事ですから、ご家族の面会も制限させていただいていますが、各部屋に無線LANを設置しているので、ご家族とのインターネットを使ったやり取りは可能ですよ。また、当院では入院中の食事に力を入れていて、たくさん食べて栄養を取ってほしいという思いから「おふくろの味」をめざした盛りだくさんのメニューを提供しています。

自然分娩を基本にした安全で安心なお産を

こちらでは自然分娩を基本とされていますね。

並木俊始理事長 並木産婦人科クリニック3

お産というのは怖いものだということを忘れてはいけません。分娩までは何事もなかったとしても、お母さんが分娩室から出て2時間出血がない状態が続いて初めて、安全なお産だったと言えます。ですから余計な手はかけずに無理せず自然な状態でお産に導いて、自然から外れるようならこちらからも手助けをするという感じです。実は安全なお産だったと言えるようなお産は約8割と言われていて、2割弱はどこかで医師によるなんらかの誘導や介入があるものなのです。当院では、1988年の開業以来、絶えずたくさんの赤ちゃんの誕生を見守ってまいりましたが、お母さんの性格や体質、体格、年齢も影響しますから、すべてのお産は一つとして同じものはないのだと実感させられますね。

妊婦の安全を図る工夫はありますか?

分娩に入られている方4人までの心拍数を、クリニック内のさまざまな場所でモニターしています。ナースステーション、外来診察室、当直室などですね。ですから、たとえ診察中であっても看護師から内線で連絡が入ると、その場ですぐモニターをチェックして必要な手をすぐに打てるのです。お産では、念には念を入れる慎重さがとても大切です。私は常々、石橋を叩くだけでは足りない、誰かが安全に歩いていったのを確認してから自分が渡るくらいに慎重になりなさいとスタッフにも言っています。妊婦さんにとって、スポーツのしすぎダメですし、お風呂も温泉もほどほどにとアドバイスしています。妊娠していることを自覚し、何事も適度に、自分の体を労わるという心持ちで行動していただきたいですね。

無痛分娩にも対応されているそうですね。

並木俊始理事長 並木産婦人科クリニック4

以前から患者さんのニーズが高かったこともあり、5年ほど前に無痛分娩を導入しました。「自然分娩を基本に、無理せず安全なお産を」という診療方針は変わりませんが、患者さんの声を反映していくことも大切です。当院では立ち合い出産にも対応していますが、ご主人の体調なども踏まえながら、相談の上で医師の判断によって行っています。出産や診療においては、患者さんとの信頼関係が第一です。患者さんごとに境遇や環境も違いますから、目を見ながら理解できているか確認してからお話するように心がけています。処方箋は一つではないですし、診療も会話だと考えています。

グループで連携し不妊治療からお産までをトータルケア

先生が医師を志したきっかけや産婦人科を選ばれた理由を教えてください。

並木俊始理事長 並木産婦人科クリニック5

最初は理系の大学に進学したのですが、60年代末の学園紛争という時代背景もあり、自分自身のことや今後の人生についてじっくり考えるうちに、人間関係を大事にしていきたいと思うようになりました。そこで、横浜市立大学医学部に入り直しました。こじんまりとした大学だということもあり、今も同級生とはよく集まり公私ともに良い仲間です。医学部の卒業は1977年ですが、その前年の76年に鹿児島で五つ子が生まれ多胎妊娠に興味を持ったこともありお産を扱ってみたいと思うようになりました。医師となってからは、小田原市立病院で四つ子を取り上げたりもしましたね。今は三つ子以上は帝王切開ですが、当時は経腟分娩でしたから大変でした。体外受精も数多く行いましたが、毎日採血して卵胞をチェックしたりと、今ほど機械的ではない見守りでしたね。

近年の出産に関する傾向を教えてください。

30代、40代の方の出産が増えていますね。不妊治療については、海老名にある分院に連携をしています。生物として人間を見たときには、初めての出産は23〜25歳くらいが望ましく、実際、30年ほど前の初産平均年齢は25歳でしたが、今は30.5歳とされています。最近は40代後半で出産される方もいらっしゃいますね。環境や栄養状態が以前よりも変わってきていることで肉体的には5歳くらい全体に若返っているのかもしれません。出産には膣の硬さや骨盤の筋肉などが重要ですが、40代の出産が可能になってきているのは、そういうことなのでしょう。それでも卵子にはやはり年齢が重要ですので、将来妊娠を考える方には、不妊治療の可能性だけでなく、採卵をなるべく早く40歳前に行っておくようにアドバイスしています。

最後に今後の展望をお聞かせください。

並木俊始理事長 並木産婦人科クリニック6

医療法人俊英会は当院のほか、海老名プライムタワーにある「海老名レディースクリニック」、本厚木駅前の「並木本産婦人科本厚木駅前クリニック」、海老名駅前の「第二海老名レディースクリニック」の4つのクリニックを展開しており、密な連携を図りながら幅広い患者さんに対応し不妊治療からお産までをトータルケアしています。特に不妊治療中は出血や多胎妊娠、卵巣過剰刺激症候群といったリスクがあるため、夜間や休日は当院でバックアップ体制をとっています。不妊治療を専門に行う医療機関でも、なかなかバックアップ機能を自前で持つところは少ないのではないでしょうか。また、電子カルテを導入し、グループ内の連携体制をより強化しました。グループ一丸となってこれまで以上に妊娠、出産をサポートしていきたいと思います。

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