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笠井 啓子 院長の独自取材記事

Kこどもクリニック

(名古屋市南区/桜本町駅)

最終更新日:2019/08/28

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桜本町駅から徒歩数分の距離にある、かわいらしい青リンゴの看板が目印の「Kこどもクリニック」。1999年に開業した同院では、小児科診療を中心にしながらも、もともと精神科の医師をめざしていた笠井啓子院長の勤務医時代の経験も生かし、自閉症や注意欠陥・多動性障害などの精神科領域の治療も行っている。地域との連携も大切にしながら漢方の外来にも尽力し、「子どもの心と体の両方の健康を守って元気になってもらいたい」と語る優しい笑顔が印象的な笠井先生。開業までの経緯や院内の子どもたちの目線を大切にした内装へのこだわり、診療の際に心がけていることなど幅広く話を聞いた。
(取材日2017年11月6日)

小児科でありながら精神科領域も幅広く診療

医師になろうと思ったきっかけは?

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父が産婦人科の開業医で、医院も自宅と同じ建物だったので、子どもが産まれることや赤ちゃんが家の中にいることも日常でした。でも、中高生の頃は医師になりたくないという反抗心もありました。本を読むことが好きだったので作家になりたいと思ったり、高校時代は新聞部に入って学校新聞を作るのが楽しかったので編集者になりたいとも思ったりして、大学は文学部に行きたいと思ったこともありました。しかし父は医師になってもらいたかったようで「文系なら弁護士になる以外は駄目だ」と言われ、「精神科なら文系だから、医学部もいいのではないか」とうまく誘導される形で、また私自身も心理学や哲学などの本を読むのが好きだったので、それなら精神科の医師もいいかなと思うようになりました。

志望が精神科から小児科に変わられたのですね。

医学部に進んでからも精神科の医師をめざしていたのですが、いろいろと話を聞いているうちに、精神科よりも小児科のほうが向いているのではないかと感じ、小児科の医師になることにしました。勤務医時代は瀬戸市にある公立陶生病院などで働いていました。その時、てんかんの患者さんを診ることが多かったのですが、てんかんの方の中には自閉症を合併する人も多く、てんかんが治っても社会に適応できずに不登校などになる人も多かったのです。患者さんやご両親の相談に乗ることも増え、気がつくと最初にめざしていた精神科に近いことをしていました。でも最初から精神科ではなく、小児科で経験を積んだことで、ご両親への細かい生活指導などに慣れることができ、子どもたちそれぞれの年齢の特徴の理解が深まって良かったと思っています。

開業したきっかけやその際にこだわったことを教えてください。

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ここは父が昭和30年代に「山口産婦人科」として開業した場所です。私は名古屋大学の小児科に所属して、他の病院でも勤務しながら、父の病院でも診察をしていました。そういった経緯もあり「ここで開業しないか」と父が言ってくれたため、ここでの開業を決めました。開業にあたっては、建物はそのままで内装だけリフォームすることにし、ログハウスの設計を専門にしている知人にお願いして、カナダ産のパイン材をたくさん使って温かい雰囲気にしてもらいました。テーブルなど角があると危ないですし、視覚的にも優しくやわらかい印象にしたかったので曲線をたくさん取り入れています。診察机はイルカの形をしていて診察ベッドも兼ねているんですよ。かわいく優しい雰囲気の動物のモチーフを置きたかったのと、診察の際にお母さまも赤ちゃんも安心できるようにと思い、この形にしました。

子どもの視線を大切にした院内と漢方治療への想い

病院という印象をあまり受けない待合室ですね。

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私が以前留学していたアメリカのフィラデルフィア小児病院は、設計をはじめ、子どもたちが安心してくつろげるような造りになっていました。その雰囲気を思い出し、参考にした部分もあります。当院の入口周辺は全体的に低くしてあり、受付の台も診察券を子どもたちが自分で出せるようにしています。入口は回転式にしており、それを開けるのを子どもたちが楽しんでいることもあります。院内にはテレビは置かず、積み木などのおもちゃで子どもたちが遊べるようにし、お母さまが絵本の読み聞かせができるように絵本も多く用意しました。絵本は年齢別に、大きい子向けのものは棚の上のほうに、小さい子向けのものは下のほうに置いて、子どもたちが自分で取れるようにしています。

他に院内の構造などで気を付けた部分はありますか?

換気もしやすく光も入りやすい風通しの良いクリニックにしたかったので、窓を大きくしました。それから吸入器を使用している患者さんに異変があった場合でもすぐに気づけるように、診察室からも患者さんの様子がわかる場所に吸入する場所を設けました。プライバシーのためにカーテンは取り付けていますが、閉鎖的にもならないように気を付けています。偶然なのですが、診察室からは入口も見えるので、特に具合の悪そうな患者さんが来られたときはすぐに様子を見に行けますし、水ぼうそうやおたふく風邪など感染病の患者さんが来られた際には隔離室にすぐに入ってもらうこともできています。

発達障害や心理的な問題に関する漢方治療にも取り組まれていると聞きました。

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漢方を専門としている医師に副院長として来てもらい、2年前から漢方での心療内科の治療も始めました。お子さんを対象にする予定でしたが、「自分も漢方で治療してほしい」というお母さま方が多かったので、親子で治療をするようになりました。その結果、相乗効果でそれぞれ早く良くなり、同時に治療することはとても良いことでした。漢方治療における言葉として「心身一如」というものがあります。これは「人間は体の調子が悪いと心が落ち込んでしまうし、心の元気がないと体の調子も悪くなる」ということ。そしてその逆もあります。心の病気になっている人は、簡単ではないですが、楽しい経験をすること、体を活発に動かすことで体も心も調子が良くなる。それによって体の調子もさらに良くなるということがあるんです。子どもは大人より言葉でうまく表現できないのでそれをうまくくみ取って、子どもの心と体の両方の健康を守って元気になってもらいたいです。

地域との連携もしながら子育ての手伝いを

院内でイベントも行っているそうですね。

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昔とは離乳食の作り方も変わってきていますし、核家族化が進んでその作り方も食べさせ方もわからないという方もいらっしゃるので、栄養士の方に来ていただいて栄養相談のイベントを開催しています。他にも私やスタッフがインストラクターになって、お母さま方がお子さんを抱えたまま行える親子フィットネスの教室も月に1回行っています。クリスマスにはギターが趣味の副院長がサンタクロースに扮装してギターを弾き、それに合わせてクリスマスソングをお母さまも含めてみんなで一緒に歌を歌うなど、参加型のイベントになっています。待合室の造りを生かして人形劇なども楽しんでいただいていますよs。

診療の中で心がけていることは何ですか?

お子さんの場合は、その子が安心して自分の気持ちを出せるような雰囲気づくりを心がけています。お母さま方のお話も、素人の話と思わず、しっかりとお話を聞くようにしています。お子さんがいつもと違うと感じて来院されているので、きちんと向き合うことで大きな問題がわかることもあるんです。体の不調を訴えるお子さんが来られたときは、検査して「異常がないから大丈夫」とすぐに帰してしまうのではなく、なぜそうなったのかなど適切に判断するために、そのお子さんの普段の生活をよく知ることも大切だと思っています。やはり、子どもは自分の症状について言葉でうまく表現できないことがあるので、そういう気持ちをサポートしてあげられるクリニックでありたいと思っています。

今後の展望や読者へのメッセージをお聞かせください。

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現在、注意欠陥・多動性障害なども含めて、気になるお子さんについて、時には学校や保育園の先生に来ていただいてお話を聞かせてもらうこともしています。家と学校などでのお子さんの様子は違うこともあるので、それぞれの様子を互いに知っていただくための橋渡しの役目ですね。そうすることでお子さんの状態が良くなることが実際に多くあるのです。これからも地域と連携して、子どもたちの健康のお役に立ちたいと考えています。子育てが楽しいとお母さまの幸せだと思いますし、お母さまが幸せなことが、お子さんにとっても健康に育つためには良いことだと思うので、楽しく育児ができるようにお手伝いさせていただけたらと思っています。気になることがあれば、お気軽に相談してください。

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