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埴 英郎 院長の独自取材記事

愛生歯科

(世田谷区/下北沢駅)

最終更新日:2020/10/28

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代沢の地に1959年からクリニックを構える「愛生歯科」。院長を務めるのは、金属アレルギーに配慮した補綴治療の先駆者的存在である埴英郎先生で、地元住民はもちろん、遠方からも患者が訪れるという。所々に歴史が感じられる院内は、温かさに満ち落ち着けそうだ。先代から患者を引き継いで35年。エックス線写真や口腔内写真などの画像を用いて、よりわかりやすい説明を心がけており、「患者さんの治療へのモチベーションを高める効果もあるんですよ」と埴院長。歯科医療はメンテナンスも含めて生涯行っていくものという考えから、歯を削り過ぎずにできるかぎり歯質を残す治療を徹底して実践している。穏やかな口調で話す埴院長に、診療方針や地域医療への思いを聞いた。
(取材日2015年9月15日)

専門性を生かした治療、地域に根差して61年

歯科医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

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両親ともに歯科医師で、物心ついた時から両親が診療する姿を見ていました。母がここを開院したのが、私が生まれる半年前と聞いているので、クリニックのほうが私より先輩で、ともに成長してきたとも言えます。大学で教えていた父も、定年退職後はここで診療をしています。両親に影響されて歯科医師をめざしましたが、小さい頃から診療室に出入りして治療器具を眺めるのが大好きでしたし、手先が器用かどうかはわからないですが、昔から細かい作業が好きだったので、歯科医師になりたいと思うようになりました。

歯科医師の大先輩であるご両親から教わったことはありますか?

両親の姿を見ていると、地域の皆さんに支えられているから診療ができるのだと、しみじみと感じます。地域の方たちの信頼を裏切るような治療をしてはならないですし、両親が築いてきた信頼を守るという思いで、いつも診療を行っています。両親の代からかかりつけにしてくださる患者さんも多いので、私が小さい頃からの顔なじみの方たちばかりです。歯科医師と患者という関係よりも、ご近所同士という感覚が強いかもしれません。だからこそ、絶対に手抜きなんてできません。ご近所の患者さんの口の中には、何十年も前に両親が入れたかぶせ物があり、何の問題もなく現役で活躍しているのを見ると、気が引き締まる思いがします。

どのような患者さんが多いですか?

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この地域に住んでいて、昔からかかりつけにしてくださっている患者さんがほとんどです。母校である代沢小学校の子どもたちや、私の同級生、その家族など、親子で通ってくださる方もたくさんいらっしゃいます。全体の2割くらいは金属アレルギーに悩んで遠方から来てくださっていますね。長い間悩んでいた方が、ようやく金属アレルギーが原因とわかって来院する方も少なくありません。私は、歯を失ったときに機能の改善や見た目の修復をめざす補綴を専門としています。補綴治療は、取り外し可能な義歯や固定性のブリッジ、かぶせ物による治療です。母の代から通ってくださっている患者さんは、補綴が必要となってきている方が多く、専門性を生かした治療を行っています。入れ歯は合う、合わないで食べやすさも変わりますし、違和感で苦労する方も多いんです。今まで噛みづらかったのが治療によって噛めるようになったと喜んでいただくと、本当にうれしいですね。

金属アレルギーに配慮した治療で根本的な解決をめざす

金属アレルギーに配慮した治療を始めたのは、どのようなことからですか?

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大学の研究室で、歯科で使用する金属の腐食についての研究をしていました。保険治療で新たに導入が決まった金属の安全性に疑問の声が上がり、その安全性を検証するために研究に勤しんでいた時のことです。ある皮膚科医師から、歯の金属を外したらアレルギー症状の改善につながった患者がいるので金属の成分を調べてほしいと話を持ちかけられました。分析してみると、パッチテストで陽性反応を起こした成分が含まれていました。ここから歯科の金属アレルギー研究が始まりました。その中で金属アレルギーに悩む患者さんの口の中の金属を分析し、アレルゲンを含まない詰め物に交換することでアレルギー症状の改善につながった例が次々出てきたのです。そこで、研究の傍ら皮膚科と連携して当院で分析と金属アレルギーに配慮した補綴治療を始めることになりました。その後、東京医科歯科大学にアレルギー専門の外来ができ、そちらでも診療することになりました。

なぜ金属アレルギーが起こるのでしょうか?

金属そのものがアレルゲンとなるわけではありません。金属から溶け出した金属イオンが、体内のタンパク質と結合することでアレルゲンとなります。特にニッケル、コバルト、水銀などはアレルギーを起こしやすいとされ、チタンや金などは起こしにくいといわれていますが陽性を示すこともあります。お口の中の過酷な環境ではどの金属も少しずつ溶け出していますが、異なる金属同士が干渉し合うと、さらに溶け出しやすくなり溶け出すリスクは高まります。ですから、理論上ではできるだけ同じ素材で歯科治療を行うのが良いとされています。歯科金属は合金ですのでさまざまな元素が含まれています。主要成分だけでなく微量に含まれる成分によりアレルギー症状が改善しないこともあります。

金属アレルギーを調べる方法はありますか?

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金属パッチテストを行ってください。もし金属元素に陽性があった場合はお口の中にある金属にアレルゲンが含まれているか調べるのがいいでしょう。治療してもらった歯医者さんに陽性元素が含まれているか相談してください。不明の場合、お口の中の金属をを分析することにより微量に含まれる元素も調べることができます。

金属アレルギーを防ぐ方法はありますか?

ピアスによってアレルギーを起こすケースが非常に多いので、安易にピアスを入れないほうが良いのではないでしょうか。汗をかく季節はアクセサリーによっては直接肌に触れないようにしたほうがいいものがあります。

歯科医師も患者も代々受け継ぐクリニックでありたい

診療の際に心がけていることを教えてください。

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患者さんに、今やっている治療やこれから行うことを逐一説明しながら治療を進めています。治療では口腔内カメラを導入して、口の中を見ていただきながら説明をしています。こうすれば一目瞭然ですからね。さらに、治療前後の口の中を見比べていただくようにしています。これは患者さんから喜ばれていますね。私自身も、ぜひ治療後の様子を見ていただきたいんです。以前は一生懸命に奥歯の治療をしても、患者さんに直接見てもらうことができなかったため、患者さんが感激している姿を目の当たりにすることはなかったんです。口腔内カメラですと奥歯まではっきりと映るので、治療後の様子がよくわかりますから、患者さんの反応がわかり治療のやりがいにもなっています。

歯の健康を保つためのアドバイスをお願いします。

正しいブラッシングを実践するのが最大のポイントですね。歯と歯茎の間をブラッシングするようにし、短いストロークで1本1本丁寧に磨くようにしてください。セルフケアでは限界があるので、月に1回はクリニックでチェックを受けるのが理想です。最低でも3ヵ月に1回はクリニックでクリーニングを受けると良いでしょう。こまめに歯石を取ることで歯周病予防にもつながります。また定期的に検診を受けることで、虫歯を初期段階で見つけやすくなり、治療による歯へのダメージを抑えることができます。当院では歯を削り過ぎず、なるべく歯質を残す治療を徹底しています。

今後の展望についてお聞かせください。

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歯科治療は1回で終わるものではなく、メンテナンスを重ねながら生涯を通じて行うものだと考えています。ですから、繰り返し治療が行えるように、必要以上に削ったり抜いたりすることのないよう、丁寧な治療をこれからも行っていきたいですね。歯は一度削ったら元には戻りませんし、削った分だけもろくなってしまいますから。同時に金属を使わない治療を取り入れて、金属アレルギーに悩む患者さんを減らしたいと考えています。現在、長男は歯科医師になり大学院で研究する傍ら医院でも診療しているので、将来は後を継いでもらいたいですね。そうすれば、私が引退しても長く患者さんの治療を行っていけます。歯科医療においては経緯を把握し、継続して治療を行うメリットはとても大きいんです。いつどんな治療をしたかわかっていれば、その後の治療に生かすことができますからね。歯科医師も患者さんも、代々つながっていけるクリニックでありたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

金属を使わない補綴治療/5万円~

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