加藤 雅紀 院長の独自取材記事
江坂デンタルクリニック
(吹田市/江坂駅)
最終更新日:2025/04/09

大阪メトロ御堂筋線・江坂駅から徒歩5分、ビルの1階に位置する「江坂デンタルクリニック」。2023年に移転リニューアルした院内は、明るく開放的な空間が広がる。歯科技工士から歯科医師の道に進んだ加藤雅紀院長は、噛み合わせに関する専門知識が豊富だ。そんな加藤院長は「最も大切にしているのは、患者さんとの対話を通じた信頼関係の構築です」と柔和な表情で語る。移転を機に導入した「MTM(メディカルトリートメントモデル)」と呼ばれる予防歯科プログラムは、画一的なケアではなく個々の状態に合わせたアプローチが特徴だ。医療法人徳真会グループの一員として他のグループ院とも連携しつつ、地域に根差し、患者の生涯の健康をサポートする。診療への熱意と真摯な姿勢で患者に向き合う加藤院長の思いを聞いた。
(取材日2025年3月4日)
世代を問わず安心して通える歯科クリニックをめざす
こちらの地域の特性と、患者さんの特徴を教えてください。

江坂は駅前に飲食店が多く、比較的栄えている地域でありながら、少し裏路地に入れば住宅街が広がっています。患者さんの層としては、ビジネスマンで地方から単身赴任で来られている方も見えますし、お子さんからご高齢の方まで幅広くいらっしゃいますよ。私たちが移転前の場所で診療をしていた時代から20年以上通ってくださる方もいます。患者さんの主訴も、予防目的の方もいればインプラント治療や矯正治療、審美的なご相談まで幅広いですね。年中無休の体制を採用しており、平日は夜の19時まで、土日祝も18時半まで診療しています。地域のライフスタイルに合わせた歯科医療を提供したいという思いから、このような体制を続けています。
地域の歯科クリニックとして何をめざしていますか。
当院の理念の一つとして「医療の原点を見つめて、患者さんのために存在するクリニックをつくる」という考えがあります。この理念のもと、常に患者さんを第一に考え、安心して通えるクリニックをめざしています。安心していただくためには質の高い医療の提供が大前提となると考え、先進の設備や器具をそろえ、しっかり管理していくことを大切にしています。また、私たちは医療法人徳真会グループの一員でもあるため、例えば引っ越しなどで通院が難しくなった際には、転居先近くのグループ院をご紹介し、カルテやデータの共有をスムーズに行えるようにしています。他地域のグループ院とも連携を取れることで、患者さんの生涯をサポートしようと努めている点が当院の特徴ともいえると思います。
移転された経緯や、移転して変わったことがあればお聞かせください。

2023年に「江坂第二歯科」から現在の「江坂デンタルクリニック」へと移転リニューアルしました。移転の主な理由はビルの老朽化でしたが、移転を機に機材を一新し、クリニックのコンセプトも変更しました。以前の場所は少し奥まった所にあり閉鎖的な印象があったため、それを払拭したい思いもありましたね。今の院内は外から光が入るため、明るく開放感があります。特に待合室は広く、患者さんがリラックスして待っていただけるような設計です。さらに完全個室の診療室も設置し、プライバシーに配慮しています。歯科に対するネガティブなイメージを極力少なくした、快適な施設をめざしました。移転により場所が少し遠くなった患者さんもいらっしゃいますが、多くの方が引き続き通院してくださっているのはありがたいことですね。
かけがえのない財産である歯を守るため、予防に注力
こちらのクリニックの診療で特に力を入れているのは?

移転を機に最も力を入れているのが予防歯科です。患者さんにとって、歯科クリニックは痛くなってから通うイメージが強いと思いますが、私たちは「痛くなる前から通院する」予防の考え方を大事にしています。近年、お口の環境が全身の健康状態に大きく影響すると言われており、当院では、その視点を持って診療にあたっています。その他、親御さんからお子さまの歯並びや歯ぎしりに関するご相談も多く、個々のお悩みにもしっかり向き合っています。患者さんの年齢を問わず、長期的な健康をサポートするのが私たちの使命だと考えており、定期的なケアを通じて歯を守る意識を啓発しています。
予防歯科についてもう少し詳しく教えてください。
当院が導入している「MTM(メディカルトリートメントモデル)」は、予防歯科の新しい形だと考えています。予防歯科というと定期的な歯石除去をイメージされますが、MTMは患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの予防プログラムを提案しています。具体的には、唾液検査による唾液の量や性質、口腔内の細菌の分析、さらには患者さんの持病や生活習慣まで考慮する総合的なアプローチです。初回のカウンセリングでは、これらを詳しく調べるための検査を行い、その結果をもとにした長期的な予防計画を立てています。「もう高齢だから予防は必要ない」と思われるかもしれませんが、定期的なケアの重要性を理解し、予防のために来院される方も増えていますよ。
患者さんへの対応はどのような工夫をされているのでしょうか?

何よりも患者さんとのコミュニケーションを大切に、限られた時間の中でもしっかりとお話を聞くようにしています。歯科は患者さんがウキウキして来る場所ではなく、不安や緊張を感じて来られる場所でしょう。そうした感情を和らげ、リラックスした状態で治療を受けていただけるよう、対話を心がけていますね。ちょっとした雑談の中から患者さんの潜在的な悩みが見られる場面も多く、「実は子どもの歯並びが気になっている」といったご相談を受けることがあります。こうした何げない会話から患者さんのお悩み事を掘り起こせるのも、私たちの仕事の醍醐味です。その他にも、診療室を個室にするなど、患者さんが安心して治療を受けられる環境づくりは常に意識していますのでご安心ください。
一人ひとりの人生に寄り添う診療に力を尽くす
マウスピース型装置を用いた矯正にも力を入れておられるのですね。

はい。当院で力を入れている分野の一つです。マウスピース型装置を用いた矯正の利点は、装置を取り外せるので口腔内の衛生環境を保ちやすい点です。ワイヤー矯正では歯ブラシが届きにくい場所ができますが、マウスピース型装置は、食事や歯磨きの時に外せるので、普段通りのオーラルケアが可能です。ただしワイヤー矯正に比べて適用範囲が狭く、すべての患者さんに適しているわけではありません。そのため当院では事前に3Dデジタルスキャナーやエックス線、CTなどを用いて詳細な検査を行い、適応性を判断します。マウスピース型装置を用いた矯正は主に成人の方向けに導入しており、患者さんにはしっかりとメリット・デメリットをご説明した上で、適切な矯正法をご提案していますね。
先生が歯科医師としてやりがいを感じられるのはどんなときですか?
私たちの仕事は患者さんの人生に踏み込む場面で、責任の重さを感じる他に、技術や知識以外で大切なことを学ばせてもらうときですね。勤務医時代に、中学生の男の子が親御さんと来院された時のことです。彼は歯科クリニックが怖くてなかなか来られなかったそうで。何度か話しているうちに打ち解け、やがて「歯科クリニックに行くのが楽しみ」と言ってくれるようになりました。その後、親御さんから「息子は将来、歯科医師になりたいと言うようになりました」と言われたんです。そんな話は彼から聞いてなかったので、とても驚きましたね。こうした出会いが何よりのやりがいになっています。人とのつながりや安心感を与えられる尊さを、日々の診療から実感しています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯の悩みは人に相談しづらく、恥ずかしさから通院をためらわれる方も少なくありません。「痛くなってから行けばいい」と考えがちですが、痛みが出てからは治療に時間がかかり、精神的・経済的な負担も大きくなります。また、小さなお子さんがいるとご自身の通院が難しくなるというご経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。私自身も小学生の子を持つ親として、その大変さをよく理解しています。予約制で保育士による一時預かりなど、親御さんが安心して治療を受けられる環境づくりにも力を入れていますので、お困り事がありましたらどうぞお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/16万5000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/88万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。