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宮崎 恭介 院長の独自取材記事

みやざき外科・ヘルニアクリニック

(札幌市中央区/札幌駅)

最終更新日:2021/10/12

宮崎恭介院長 みやざき外科・ヘルニアクリニック main

札幌駅、札幌市営地下鉄のさっぽろ駅直結のJRタワーオフィスプラザ7階という、アクセス至便な好立地にある「みやざき外科・ヘルニアクリニック」。温かみのある色合いの院内には宮崎恭介院長が応援する地元プロ野球球団のグッズが飾られ、親しみやすい雰囲気を醸し出している。宮崎院長のもとには鼠径ヘルニアを中心に全国からヘルニアに悩む患者が集まり、2003年4月の開業から2020年12月までの間に8265件の手術に対応。ヘルニアの専門性に特化した同院には、開業をめざす外科医が見学に訪れ、学びを得る場所にもなっているのだという。宮崎院長を中心に終始和やかな空気が流れる中、開業のきっかけや患者との接し方などをじっくりと語ってもらった。

(取材日2021年6月23日)

全国から患者が通う、ヘルニアに特化したクリニック

札幌駅直結という便利な立地ですが、こちらを選ばれた決め手は何でしたか?

宮崎恭介院長 みやざき外科・ヘルニアクリニック1

やはり北海道で一番アクセスが良いと感じたからです。電車はもちろんタクシーやバスでも来やすいので、1年を通して天候を問わず通院しやすい立地だと思います。ホテルが近く宿泊にも便利なので全国から患者さんがいらっしゃっていて、最近では石垣島から来院された患者さんもいました。最近はインターネット検索もありますから、そういうところで見つけて来てくださるんだと思います。

ヘルニアに特化したクリニックを開業された背景を教えてください。

まず、鼠径ヘルニアというのは俗に言う脱腸です。加齢などが原因で鼠径部の筋膜が弱くなり、腸が皮膚の下に飛び出してしまう疾患です。鼠径ヘルニアの手術は外科医の登竜門といわれることもあるのですが実は難しく、術後に痛みが残ったり、再発したりすることも少なくありません。そういった事情もあり日帰り手術を受けられる場所が必要だと感じ、鼠径ヘルニアの日帰り手術に特化したクリニックを開業することにしたんです。今まで学んできた他の外科の病気に対する技術を捨てるということですし、前例がほとんどなかったので周囲からは反対されました。僕はあまり深く考えないタイプですし(笑)、外科的手技にはある程度自信があったので、とにかくやってみようということで2003年に開業したんです。近年はこういうクリニックが全国的にも増えてきて、ヘルニアを専門にしたいという外科医がたびたび当院を見学しに来てくれるのはうれしいことです。

外科だけでなく麻酔科も標榜されていますが、こちらは手術のためでしょうか。

宮崎恭介院長 みやざき外科・ヘルニアクリニック2

そうですね。外科の手術にはいろんな要素がありますが、日帰り手術をする上では麻酔のかけ方も重要なポイントです。しっかり麻酔をかけて良い手術ができたとしても、麻酔の深度が深すぎるとなかなか麻酔からさめず、その日のうちに帰れなくなってしまいます。日帰り手術では手術によって生じる痛みをしっかり和らげつつ、手術が終わったらパッとさめるような麻酔をかける必要があるので、麻酔の知識も大事になってくるんです。最近は各病院に麻酔担当の先生がいるので外科医が麻酔をかけることは少ないようですが、僕の世代ぐらいまでは若い外科医が麻酔をかけながら助手をしていました。あくまで本職は外科ではありますが、当時の経験をもとに何とか20年近くやってきています。

1年後まで経過観察し、手術後の患者を手厚くフォロー

どういった患者さんが多いですか?

宮崎恭介院長 みやざき外科・ヘルニアクリニック3

鼠径ヘルニアの特性上やはり高齢の方が多いですが、若い患者さんもいらっしゃるので年齢層は幅広いです。また当院の特徴として、女性の患者さんが多いことが挙げられます。鼠径ヘルニアは男性に多い疾患でもあるのですが、一般的な男女比が10:1だとすると当院では4:1程度です。やはり日帰り手術を受けられる方が多いですが、もちろん全員が日帰り手術を希望されるわけではありませんし、手術自体に迷いがある方もいらっしゃるので強要することはありません。患者さんのご希望に沿うことを第一に考え、一人ひとりに合わせた治療を行っています。

患者さんと接する上で工夫されている点はありますか?

手術後に心配なことがあればいつでも相談できるように、患者さんに僕の携帯電話の番号を伝えて診療時間外でも連絡ができるようにしています。あとは、やはり日帰り手術がメインだと患者さんと接する機会が少なく、基本的には手術前、手術当日、手術の1週間後、1ヵ月後の4回しかお会いしないことが多いんです。なのでできるだけスタッフには任せず、4回とも僕が説明するように心がけています。また、2018年からは手術の半年後、1年後にも手紙もしくはインターネットで経過を確認する取り組みを行うようになりました。

ユニークかつきめ細かな取り組みですね。もう少し詳しく教えていただけますか?

宮崎恭介院長 みやざき外科・ヘルニアクリニック4

手術後の経過をしっかり観察しようという取り組みで、同意をいただいた患者さんを対象に行っています。痛みは0から5の6段階で評価してもらい、その他、しびれや再発があるかないかも評価してもらいます。手紙ならば同封した返信用封筒を使って、ネットならば専用のウェブサイトを通してアンケートに答えてもらうというものです。1年後でも8割ぐらいの患者さんが回答してくれて、手術後の状況などを詳しく教えてくださいます。患者さんの生の声はやはり参考になりますので、たいへんありがたいですね。

専門性に特化した医師だからこそできることを

プライベートのお話も伺いたいのですが、ご趣味はありますか?

宮崎恭介院長 みやざき外科・ヘルニアクリニック5

走るのが趣味で、家とクリニックの往復8kmを毎日走っています。運動をしようと思って最初は水泳を始めたんですけど、隣のレーンの高齢女性に抜かれてばかりだったので諦めてしまいました(笑)。それから走るようになり、北海道マラソンにも出ています。今のところ自己ベストは3時間38分で、目標は3時間半を切ることです。あとは院内をご覧いただければわかるとおり地元プロ野球球団のファンで、野球観戦にも行っています。

サインボールなどが飾られていて、愛が伝わってきます。長年応援されているんですか?

もともと少年野球はやっていたんですが、2007年にたまたま当院のスタッフと一緒に観に行ったのをきっかけに行くようになりました。サインボールは試合に勝つと観客席に投げてくれるので、キャッチできるようにいつもグローブを持っていくんです(笑)。ネットが設置されるまではファウルボールもよくキャッチしていて、三塁席で観ていると左バッターのときに結構鋭い打球が飛んでくるんです。なので右バッターのときは一緒に行った人と話したり飲み物を飲んだりできるのですが、左バッターのときは目を離さずにグローブを構えていました(笑)。院内に飾ってあるピンバッヂはファンクラブ会員が球場でもらえるもので、毎年変わるのを集めています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

宮崎恭介院長 みやざき外科・ヘルニアクリニック6

当院にいらっしゃるのはほとんどが鼠径ヘルニアの患者さんですが、臍ヘルニア、下肢静脈瘤の手術にも対応できます。また腹壁瘢痕ヘルニアといって、開腹手術をしたところが開いてそこから腸が出てきてしまう疾患の手術も行っています。こちらは日帰り手術ができないのですが、市内の関連病院に入院していただいて僕がそちらで手術をするという方法を取っています。僕はすごく偏った外科医だと思っていて、一部の疾患に特化しているのでできることの範囲は狭いです。ただ、そこに当てはまる患者さんのお役には立てるはずなので、当院で対処できそうなことがあればぜひご相談ください。

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