岡村 榮 院長の独自取材記事
松が丘クリニック
(所沢市/所沢駅)
最終更新日:2024/12/20

西武園駅から徒歩約15分、閑静な住宅街に立つ「松が丘クリニック」は周囲の街並みに溶け込む一軒家のような造り。光がたっぷり差し込む院内には、明るくアットホームな雰囲気が漂う。院長の岡村榮先生は一般外科、消化器外科、乳腺外科を専門に研鑽を積んだ後、クリニックの院長職を経て、地元埼玉で開業。地域のかかりつけ医として、内科、外科、小児科、皮膚科、胃腸内科、乳腺外科を掲げ、幅広い診療に対応する。「笑顔で明るく元気に」をモットーに、優しく丁寧な対応を心がける岡村院長。「患者さんには自分の家族に対するように、できる限りのことをして差し上げたいと考えています」と優しい笑顔で語る。コミュニケーションを大切に患者に親身に寄り添う岡村院長に、院内のこだわりや診療方針、今後の展望に至るまで幅広く語ってもらった。
(取材日2022年9月16日)
「笑顔で明るく元気に」をモットーに、優しく支える
まずは外観や院内のこだわりについてお聞かせください。

このエリアは閑静な住宅街で、住環境を考慮されている住民の方が多いのが特徴です。それで開業にあたって近隣にお住まいの方々とも話し合い、周囲の街並みに溶け込む、病院らしくない一軒家風の建物にしました。明るい雰囲気づくりをめざしていたので、外壁は明るめの色にしましたし、院内も患者さんの気持ちが明るくなるような設計に。建物が南東向きに立っているため、待合室には自然光がたっぷりと差し込むんです。女性の患者さんも多いことから、女性目線のほうが良いのではと考え、待合室は妻の意見を取り入れて設計しました。院内に飾っている絵や彫刻は、患者さんから頂いた物も多いですね。
地域の印象や力を入れている診療について教えていただけますか?
地域の年齢層は高くなってきていますね。開業から20年以上たち、当時50~60代だった患者さんも今ではご高齢になられました。この地域の皆さんの健康に対する意識は高いほうだと思います。開業当初は、内視鏡検査や超音波検査によるがんの早期発見・早期治療に積極的に取り組んでいましたが、今は高血圧症や高脂血症、糖尿病など生活習慣病の患者さんを診ることが多いですね。「めまいや立ちくらみがある」「貧血がある」「体重が減った」など、診療時の患者さんの言葉に注意を払い、がんなどの早期発見・早期治療につなげていくよう心がけています。また病気の早期発見のためにも、半年、1年と検査を受けていない方がいたら検査をご提案するなど、定期的な検査を促すようにも努めています。
どのような診療方針を掲げていらっしゃいますか?

「笑顔で明るく元気に」が当院のモットーです。病気になると暗い気持ちになりがちですよね。医師やスタッフまで暗い気持ちで対応してしまうと、患者さんの気持ちが余計に沈んでしまうことにもなりかねません。ですから、スタッフ一丸となって笑顔で優しく患者さんに接するよう心がけています。私は勤務医時代、一般外科、消化器外科、乳腺外科を専門としており、胃がん、大腸がん、膵臓がん、乳がんの患者さんなどを多く診てきました。そうした患者さんを診たり、さまざまなスタッフと接したりする中で、患者さんに明るく接することの大切さを学んだのです。「このクリニックはいつも明るくていい雰囲気ですね」と言ってくださる患者さんもいらっしゃいますね。
患者を自分の家族のように考え、親身に寄り添う
診療の際にはどんなことを心がけていますか?

患者さんが何でも気軽に話せる雰囲気づくりを心がけています。勤務医時代から、一方的に話すのではなく、まずは時間をかけてお話を聞くよう努めていたんです。もちろん患者さんに合わせて臨機応変に対応しますが、基本的にはしっかりとお話を聞いて、「診断してほしい」「治療してほしい」「相談したい」など、その方が何を求めているのかを見極めるようにしています。また、お子さんの予防接種の際には、痛みから気をそらすために「何が好きなの?」などとお声かけしながら行うよう工夫していますね。「あまり痛くなかった」と言ってくれたらうれしいですね。赤ちゃんであれば、親御さんに「かわいいですね」とお声かけするなど、自分の子どもが小さかった頃のことを思い出して優しく接するよう心がけています。
親身に寄り添うよう努めているのですね。
地域の皆さんをお支えしたいという気持ちは強いですね。自分の家族に対するように、できる限りのことをして差し上げたいと考えています。そのためにも、よくお話を聞いて、適切な診断を行い、適切な治療に結びつけるよう努めるとともに、治療の選択肢を増やして悩みの種をできる限り取り除いて差し上げたいとも思っています。加えて、治療の継続性も大切です。そのために大学病院などとの病診連携体制を整えるようにも努めています。適切な診断を行っても、その後病院を受診せずに放置するなら、病状が悪化してしまうことにもなりかねません。適切な治療を受けられない「医療難民」のような方をつくらないためにも、患者さんの立場に立った継続性のある治療を提供していきたいと考えています。
スタッフさんとの連携についても教えていただけますか?

院内処方ですので、患者さんからの薬の副作用などのお問い合わせに対し、スタッフが説明している声が聞こえることも。説明不足などあったら、アドバイスしたり追加で説明したりするよう心がけています。当院は、スタッフたちの様子に目が届きやすい造りになっています。薬の取り違えなどの医療ミスが起こらないよう、しっかりコミュニケーションを取るよう努めていますね。またスタッフには、患者さんの家族関係などを確認してもらうようにもお願いしています。お一人暮らしのご高齢の方も多くいらっしゃいますからね。お一人で自立した生活が送れているかどうかなど、ご家族に確認できれば、在宅診療の必要性についても検討することができます。適切な医療を提供するためにも、家族関係や生活状況まで把握することは大切だと思いますね。
地域密着のかかりつけ医として、地域医療に貢献したい
先生はなぜ医師をめざされたのですか?

最初は理工学部をめざしていたのですが、受験に失敗し、予備校に通うように。挫折感を味わう中、たまたま立ち寄った書店で医療系の雑誌を読んだことがきっかけで、医療に対する興味が湧いてきたんです。また「1年浪人するなら、医学部を受験してみるのはどうだろう」という思いもありました。それで無理を承知で防衛医科大学校を受験したら、合格したんです。実は高校3年の時、高校に自衛隊地方連絡部の担当者の方が来て、成績も良く運動もできるということで防衛大学への勧誘を受けていまして。その時は断ったのですが、防衛医大に受かった時に「これもご縁だったのかな」と思いましたね。
専門分野や開業の経緯もお聞かせください。
「退職後は地元でクリニックを開業したい」という思いもあったため、ニーズのありそうな一般内科、消化器内科に興味を持っていました。しかし大学の臨床実習で消化器内科を回った際、がんの診断をされた患者さんが手術のために外科へと移っていくのを見て、首尾一貫して患者さんを診られる科で働きたいという思いが強くなり、最終的に一般外科、消化器外科を選びました。卒業後は防衛医大第一外科に入局し、一般外科、消化器外科、乳腺外科の分野で研鑽を積みました。その後クリニックの院長職を経て、医師が必要とされていたこの地での開業の誘いを受け、開業を決意しました。
趣味についても教えていただけますか?

趣味は、サッカーやゴルフです。小中学生の頃は野球をしていましたが、高校入学後は野球ではないスポーツをしようと思い、雰囲気の良かったサッカー部に入部。防衛医大に進学後もサッカーを続けましたよ。そうした趣味も、患者さんとのコミュニケーションツールとして役立てていますね。患者さんの趣味や好きなことについてもお聞きして、会話を広げるよう努めるなど、何でも相談しやすい雰囲気づくりを心がけています。
最後に今後の展望や読者に向けたメッセージをお願いします。
高齢化が進んでいるため、今後は在宅診療にも力を入れなければならないと考えています。年齢を重ねると、「人生の最期をどう過ごすか」というテーマについても考える必要があると思うのです。難しい問題ですが、そうした面でもサポートできるといいですね。今後も地域に根差して一人ひとりを親身にお支えすることが当院の願い。笑顔で明るく、アットホームな雰囲気を大切に、地域医療に貢献したいと考えていますので、何でもお気軽にご相談ください。